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JMCA代表理事に訊く!胸部プロテクターの重要性

警視庁の発表によると、2020年から 過去5年で、 バイク運転中の死亡事故の損傷主部位は頭部が最も多くなっているが、胸部と腹部の割合も合計37.8%と多く軽視できない。

また、同庁の二輪車交通死亡事故統計(2020年中)によると、事故により最悪の結果を招く原因となる致命傷部位は、頭部、胸部、腹部が80%以上を占めている。

このことから、事故の際に被害を軽減させるにはヘルメットの正しい装着はもちろん胸部プロテクターの着用が非常に大切だと言われている。

そこで今回は、「胸部プロテクター推奨制度」という独自の制度で胸部プロテクターの着用推進を続ける、一般社団法人 全国二輪車用品連合会(以下、JMCA)の松原代表理事に、安全基準策定の取り組みと胸部プロテクターの重要性を伺った。

 

全国二輪車用品連合会(JMCA)とは?

バイク部品・用品のアフターパーツを製造、卸・小売を業とするものを集結し、優良品の推奨(不良品の一掃)、不正改造車の一掃、社会的環境問題などについて経済産業省を始めとし、国土交通省・警察庁などの関係官庁、関係団体による指導および協力のもと、バイク業界の正常な普及発展を目的とした連合会。主にマフラー製造やヘルメットの製造メーカー、バイク用品店などが名を連ねる。

また、2016年8月17日(水)より『JMCA 胸部プロテクター推奨制度』をスタートし、普及推進・着用率の向上を実施するとともに、二輪車の死亡事故を減らすことを目指している

 

胸部プロテクター着用の重要性認知はこれから

警視庁が行った統計調査によると、2021年の胸部プロテクター着用率は8.6%と前回調査から比較して0.2%の微増だった。

また、安全運転講習会などを受講したライダーに話を聞くと、教習所で胸部プロテクターの装着が推奨されおり教習段階から自前の胸部プロテクターを購入持参する方も多く見られるとの事だった(警視庁の安全運転講習に参加する際は胸部プロテクター装着が必須)。

胸部プロテクターの着用率については、過去の記事をご覧いただきたい。

胸部プロテクターのススメ!バイク事故損傷部位ワースト2位が胸部なのに、なんでプロテクター着けないの?

依然としてライダー全体での着用率は決して高いとは言えないもののバイク用品店でもプロテクターの品揃えは年々増加傾向にあり、業界全体で胸部プロテクターの着用推進が啓発されている。

 

JMCA推奨の胸部プロテクターは欧州の高い安全規格と同水準

※星1:ヨーロッパ規格レベル1相当、星2:ヨーロッパ規格レベル2相当 ※星印が多いほど安心の証(JMCAウェブサイトより)

JMCA松原代表理事によると、当初、JMCAの胸部プロテクター規格は欧州の統一基準である「EN規格(CEマーク)」を参考として 、ダミー人形を使った衝突実験や、プロテクターの上から硬い物を落下させた耐衝撃性や保護範囲など様々なテストを実施したとのこと。

 

幾度も衝撃テストを繰り返し、最終的にEN規格と同等の水準が適当であるという結論 に至り、JMCA胸部プロテクター推奨制度はEN規格に準ずるかたちで採用したという経緯がある。

欧州では日本よりもモーターサイクル文化が定着しているため安全に対する意識も非常に高く、EN規格に適合するプロテクターを内蔵していないとモーターサイクル用ジャケットとしての販売が出来ない。

日本でもEN規格をクリアした胸部プロテクターには「JMCA胸部推奨プロテクター」マークを付与しており、年々ラインアップ数が増えていることからもEN規格適合製品の普及が進んでいることが伺える。

 

バイク用品店に聞く!購買動向に見る胸部プロテクター普及の兆し

バイク用品店「ライコランド東雲店」原島店長のもとを伺い、胸部プロテクターの購買動向を尋ねた。

店内にはプロテクターの脱着が可能な内蔵ジャケットやプロテクター単体で装着するタイプ、素材もハードなものからソフトまで、様々な用途に合わせたプロテクターが並んでいる。原島店長によると毎年需要は微増であり、売上も売り場面積も年々拡大していることから、着実に装着率が上昇していることが窺える。

なお、最近は比較的低価格帯のプロテクター内蔵ジャケットに人気が集中しているとのことだった。

 

プロテクター内蔵ジャケットには、内側左右にプロテクターを固定するのみの一般的なセパレートタイプと、左右プロテクターが中央でジョイントできるタイプの2種類ある。

JMCA松原代表理事によると「胸部中央の隙間が無くなるほか広い保護範囲を確保できるジョイントタイプの方が保護機能としては理想的」と話す。

 

バイク事故は利用頻度の高さに比例するため、ツーリングよりも通勤・通学の方が事故発生件数が多いことは言うまでもない。しかしながら、走り慣れた道への油断や装着の煩わしさから、通勤・通学時に胸部プロテクターを装着するライダーは多くない。

警視庁の統計調査によると、胸部はバイク死亡事故における主損傷部位の第2位であることから「全ライダーに胸部プロテクター着用の重要性を知っていただくと共に、バイクに乗る時は胸部プロテクターの着用を習慣化して欲しい」 とJMCA松原代表理事は話す。

 

バイク乗車時のプロテクター着用を習慣化するために最も効果的なのは、自分にマッチした最適な胸部プロテクター(または内蔵ジャケット)と出会うことだ。

胸部プロテクターもヘルメットと同様に、ライダーの身体を守る重要な装備であり毎回着用するものだけにフィッティングの好みも千差万別だ。インターネットの情報だけに頼らず、ぜひ用品店で試着したうえで選んでいただくことをオススメする。

二輪車用ヘルメットのあごひも及び胸部プロテクターの着用状況調査結果 - 警視庁

https://www.keishicho.metro.tokyo.lg.jp/kotsu/jikoboshi/nirinsha/heru_pro.html

二輪車の交通死亡事故統計(2020年中) - 警視庁

https://www.keishicho.metro.tokyo.lg.jp/kotsuf/jikoboshi/nirinsha/2rin_jiko.html

JMCA胸部プロテクター推奨制度をスタートします - 全国二輪車用品連合会(JMCA)

https://jmca.gr.jp/2016/08/17/jmca胸部プロテクター推奨制度をスタートします/

アールエスタイチ

https://www.rs-taichi.co.jp/

ライコランドTOKYO BAY 東雲店

http://www.ricoland.co.jp/shopinfo/shinonome/index.html

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