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【2022年 秋の交通安全運動】知っておくべき今年の重点テーマは?

例年の月別事故死者数の推移を見ると、年末に向けて事故が増加する傾向が続いています。

そのため今年も、秋の全国交通安全運動が9月21日(水)から30日(金)まで行われます。

内閣府より発表されている重点項目は以下の3つになります。

(1) 子供と高齢者を始めとする歩行者の安全確保

(2) 夕暮れ時と夜間の歩行者事故等の防止及び飲酒運転の根絶

(3) 自転車の交通ルール遵守と徹底

上記3項目が全国重点として設定される理由については、この時期に起こしやすい交通事故のパターンや、依然として交通事故死者・重傷者数が減らない交通事故の発生状況などが挙げられます。

そこで本記事では、乗り物を運転するライダーやドライバーだけではなく、歩行者や自転車ユーザーなど道路を交通するすべての方に、発生件数の多い交通事故はどういった状況で起こるのかを把握し、どのように注意すべきかを理解いただいたうえで、交通事故防止につなげていただきたいと思います。

 

交通死亡事故の3人に1人が歩行中

交通死亡事故を状態別でみると、歩行中の割合が最も多く3人に1人が歩行中の事故で命を落としています。また、歩行中の交通死亡事故のうち、高齢者、幼児・児童の占める割合が多くなっています。

しかしこれは、歩行者側にも走行車両の直前・直後横断や横断歩道以外での横断、信号無視などの法令違反が認められています。

令和4年3月3日 令和3年における交通事故の発生状況等について(警察庁交通局)

そのため、運転者・歩行者共に以下のことに注意して運転・通行しましょう。

  • 歩行者は横断歩道を渡るようにしましょう。また、信号に従うなどの基本的ルールを守ることはもとより、運転者に対しても横断する意思を明確に伝えるだけでなく、自分自身も安全を確認し、横断中も周りに気を付けるようにしましょう。
  • 歩行中児童の飛び出しによる死者・重傷者が多いことから、保護者の方は日ごろから幼児・児童への注意をしていきましょう。
  • 高齢歩行者の死亡事故の特徴は、横断中に多いです。加齢によって生じる身体機能の変化を理解し、ご家族による反射材用品の視認効果の周知や、自発的な着用の薦めが考えられます。

 

夕暮れ時や夜間に重大交通事故が多発する傾向

例年、日没時間が急激に早まる秋口以降は、夕暮れ時や夜間に重大交通事故が多発しています。第一当事者の多くはクルマであり、死亡事故の多くが歩行者による道路横断中に発生しています。

また、妨害運転(いやゆる「あおり運転」)など危険な運転による交通事故や、電動キックボードなどによる事故、75歳以上の運転者のハンドルやブレーキの誤操作が多くなっています。

また、いまだに飲酒運転による悲惨な交通事故も発生しており、夕暮れ時と夜間の歩行者事故などの防止、そして飲酒運転の根絶を推進する必要があります。

「原付以上に乗車中と歩行中については12~17時台の事故が多い」 令和4年3月3日 令和3年における交通事故の発生状況等について(警察庁交通局)

「自転車乗車中と飲食店に出向く歩行中は18~23時台の事故が多い」 令和4年3月3日 令和3年における交通事故の発生状況等について (警察庁交通局)

そのため、以下のことに気を付けるようにしましょう。

  • 夕暮れ時は早めにクルマのライトを点灯すること
  • 夜間の対向車や先行車がいない状況ではハイビームを活用すること
  • 歩行者やほかの車両に対する「思いやり・ゆずり合い」の気持ちを持って運転すること
  • 歩行者が明らかにいない場合を除き、横断歩道などでは直前で停止可能な速度で進行する義務と歩行者等優先義務を守ること
  • 運転中にスマートフォンを操作しないこと

などがあげられています。

さらにはやはり飲酒運転「飲んだら乗るな、乗るなら飲むな」を徹底しましょう。

また、クルマの後部座席シートベルトの着用率やチャイルドシートの適正な使用がまだ低調なので、全席着用をこころがけましょう。

 

交通死亡事故全体で自転車の割合はほぼ横ばい

自転車乗車中の交通事故死者数は年々減少傾向にある一方で、全体に対して占める割合は13%前後と例年横ばいであり、自転車乗車中による交通死亡事故の割合が高いのは10歳から25歳未満の若年層です。

また、多くの事故要因として、自転車側に法令違反があるのも事実です。

令和4年3月3日 令和3年における交通事故の発生状況等について (警察庁交通局)

従って、自転車で注意すべき点は以下の通りです。

  • 原則として自転車は車道通行、車道は左側通行、歩道は車道よりを徐行など、「自転車安全利用五原則」に定める通行方法を認識すること
  • 信号の遵守や交差点での一次停止・安全確認のほか、二人乗り・並進・飲酒運転や夜間の無灯火走行など基本的な交通ルールを守ること
  • イヤホン・スマートホン等を走行中に使用しないこと
  • 夕暮れ時の早めの灯火点灯と反射材用品の活用

また、もはや定番となった子乗せ自転車を運転する方には以下の項目も注意が必要です。

  • シートベルト着用と幼児二人同乗自転車の乗車・降車時における転倒の注意

 

東京都では「バイクの交通事故防止」と「電動キックボード等の交通ルール遵守と徹底」が追加

前述のグラフから、バイク乗車中による交通死亡事故の割合も一向に減少しません。バイクを運転する方は、ヘルメットの正しい着用(特にアゴ紐)とプロテクターの着用を心がけましょう。

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さらに、電動キックボード※1などの交通ルール遵守と徹底についても解説します。

電動キックボードは、道路交通法並びに道路運送車両法上の原動機付自転車に該当するため、車道走行やヘルメット着用の義務※2があり、道路交通法を遵守しなければなりません。(無免許運転の場合の罰則:3年以下の懲役又は50万円以下の罰金)

もちろん、ブレーキやヘッドライトミラーなど道路運送車両法の保安基準に適合しなければ、移動走行のために使うことはできません。(整備不良車両運転の場合の罰則:3月以下の懲役又は5万円以下の罰金)

また、区市町村税条例で定めるナンバープレート(標識)を取り付けており、自賠責保険(共済)の契約をしていなければ、公道を走行することは許されません。 (無保険運行の際の罰則:1年以下の懲役又は50万円以下の罰金)

これらの法律について多くの方が誤認しているようで、まだまだ違法電動キックボードユーザーをよく見かけます。販売店は売ってくれるかもしれませんが、使って罰則を受けるのはご自身ですので、くれぐれも注意してください。
※1:電動キックボード…キックボード(車輪付きの板)に取り付けられた電動式のモーター(原動機[定格出力600W以下])により走行するもの
※2:産業競争力強化法に基づく新事業特例制度により、経済産業省から認定を受けた事業者の電動キックボードは運転時のヘルメット着用が任意となります

 

最後にポイントをまとめます。

歩行者横断中は、運転者・歩行者共に、十分に気をつける必要があります。

特に夕暮れ時など、周囲が見えにくい道路や、幼児・児童が往来する道路は要注意です。

また、ご家族に高齢者の方が居る場合には、徹底した横断歩道の利用や反射材用品の着用を促しましょう。

運転者は、早めの灯火点灯や、適切なハイビームの活用をこころがけましょう。

バイク、自転車、電動キックボードを運転する際には、道路交通法をしっかりと守り、ヘルメットのアゴ紐を正しく締めて、バイク運転の際には常にプロテクターを着用するよう心がけましょう。

令和4年秋の全国交通安全運動推進要綱 - 内閣府

https://www8.cao.go.jp/koutu/keihatsu/undou/r04_aki/pdf/youkou.pdf

秋の交通安全運動 - 警視庁

https://www.keishicho.metro.tokyo.lg.jp/kotsu/jikoboshi/torikumi/safety_campaign.html

令和3年における交通事故 の発生状況等について - 警察庁交通局

https://www.npa.go.jp/bureau/traffic/bunseki/nenkan/040303R03nenkan.pdf

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