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本日9/21から10日間「秋の全国交通安全運動」スタート!今秋の重点項目を3分で知る!

秋の風が心地良いこの季節、エンジンの鼓動を感じながら紅葉の道を駆け抜けるのはライダーにとっての至福の時間です。一方で、日没時間が急激に早まる秋口以降、夕暮れ時や夜間に重大交通事故が増加することから、今年も交通安全意識向上を目的に、2023年9月21日(木)から30日(土)までの10日間「令和5年秋の全国交通安全運動」が行われます。

そこで今回は、令和5年秋の全国交通安全運動の目的や重点項目についてご紹介します。

秋のバイクシーズンを満喫すると同時に、安全運転について再認識してみてはいかがでしょうか?

 

秋〜年末にかけて夕暮れ時や夜間に交通死亡事故が増加

警察庁「令和4年中の月別交通事故死者数推移」

警察庁の発表した令和4年中の交通事故統計の月別交通事故死者数推移を見てみてると、昨年もそれ以前の過去平均でも秋口以降は交通死亡事故が増加傾向にあります。令和4年の月別交通事故死者数の平均値(218人)をピンク色の線で記しましたが、ご覧の通り秋〜年末にかけて交通事故死者数が平均値を上回っていることがわかります。

一方で、過去10年の交通事故死者数平均値(緑色の折れ線)と比較すると、全ての月で減少しているものの秋口以降に死者数が増加する傾向に変化はなく多くの尊い命が交通事故で奪われており、引き続き交通事故死者数減少に向けた取り組みが求められています。

 

交通事故死者数削減:第11次交通安全基本計画

交通事故死者数削減日本国内における交通安全に関する計画を取りまとめた「第11次交通安全基本計画」(令和3年3月29日作成)の一節に「24時間死者数を2,000人以下とする」という目標が掲げられています。

ちなみに、10年前にあたる平成24年(2012年)の交通事故死者数は年間4,438人でしたが、昨年 (2022年)は2,610人と約1,800人います。しかしながら、第10次交通安全基本計画で掲げた交通事故死者数2,500人以下の目標の達成には至っていないため、私たちライダーも一層の安全運転に努めるよう心がけましょう。

第11次交通安全基本計画については、下記の記事をご覧ください。

1分でわかる!国が作成する交通安全の基本計画「第11次交通安全基本計画」とは?

秋の全国交通安全運動の重点項目は3つ

1:こどもと高齢者を始めとする歩行者の安全の確保

(1)歩行者の交通ルール遵守の徹底

  • 歩行者に対し、横断歩道を渡ること、信号機のあるところでは、その信号に従うこと等の基本的な交通ルールの周知に加え、自らの安全を守るための交通行動として、運転者に対して横断する意思を明確に伝え、安全を確認してから横断を始めること、横断中も周囲の安全を確認すること等を促す呼び掛けの推進
  • 歩行中幼児・児童の交通事故の特徴(飛び出しによる死者・重傷者が多いなど)等を踏まえた交通安全教育等の推進
  • 安全に道路を通行することについて、日常生活や教育現場における保護者や教育関係者からの幼児・児童への教育の推進
  • 高齢歩行者の死亡事故の特徴)65歳未満と比較して横断中が多いなど)を踏まえ、高齢者自身が、加齢に伴って生ずる身体機能の変化(例えば、認知機能の低下、疾患による視野障害等の増加、反射神経の鈍化、筋力の衰えなど)を理解し、安全な交通行動を実践するための交通安全教育等の推進
  • 反射材用品等の視認効果や使用方法等の周知と自発的な着用の促進

(2)歩行者の安全の確保

  • 通学路、未就学児を中心にこどもが日常的に集団で移動する経路等における見守り活動等の推進
  • 「ゾーン30プラス」の整備を始めとする生活道路対策の推進
  • 通学路交通安全プログラム等に基づく点検や対策の推進

交通事故死者数全体のうち、歩行中の子どもや高齢者の割合が最も高く、歩行者側にも走行車両の直前・直後横断や横断歩道外横断、信号無視などの法令違反が目立ちます。

特に歩行中の子どもの通行目的では登下校が約4割を占めるなど、依然として道路においてこどもが危険にさらされています。さらに、歩行中の交通事故による死者数のうち高齢者の占める割合も高いため、こどもと高齢者を始めとする歩行者の安全の確保を図る必要があります。

 

2:夕暮れ時と夜間の交通事故防止及び飲酒運転等の根絶

(1)夕暮れ時と夜間の交通事故防止

  • 夕暮れ時と夜間における死亡事故の特徴(日の入り後1時間の横断中歩行者の死亡事故が多いなど)を踏まえた交通安全教育等の推進
  • 夕暮れ時における自動車前照灯の早めの点灯の励行
  • 夜間の対向車や先行車がいない状況におけるハイビームの活用促進
  • 自動車運送業を始めとする事業者による従業員への夕暮れ時と夜間の運転時の注意喚起

(2)運転者の歩行者等保護意識の向上

  • 交通ルールの遵守と歩行者や他の車両に対する「思いやり・ゆずり合い」の気持ちを持って通行する交通マナーの呼び掛け
  • 横断歩道等に歩行者等がいないことが明らかな場合を除き、直前で停止可能な速度で進行する義務や横断歩道等における歩行者等優先義務等の遵守による歩行者等保護の徹底
  • 運転者に対し、歩行者等保護の徹底を始め、安全に運転しようとする意識及び態度を向上させるための交通安全教育や広報啓発の推進
  • 運転中のスマートフォン等の使用や注視の危険性についての広報啓発の推進

(3)飲酒運転の根絶

  • 交通事故被害者等の声を反映した広報啓発活動等のほか、飲食店等における運転者への酒類提供禁止の徹底やハンドルキーパー運動の促進など、地域、職域等における飲酒運転根絶への取組を推進し、「飲酒運転を絶対にしない、させない」という「飲酒運転を許さない社会環境」の醸成
  • 運転者の点呼時におけるアルコール検知器の使用促進や業務に使用する自動車の使用者等における義務の遵守の徹底

(4)妨害運転等の防止

  • 妨害運転等の悪質・危険な運転についての広報啓発の推進
  • 「思いやり・ゆずり合い」の気持ちを持った運転の必要性、ドライブレコーダーの普及促進等に関する広報啓発の推進

(5)高齢運転者の交通事故防止

  • 高齢運転者に対する加齢等に伴う身体機能の変化が運転に及ぼす影響等を踏まえた交通安全教育及び広報啓発の推進
  • 衝突被害軽減ブレーキ等の先進安全技術を搭載した安全運転サポート車の普及啓発とサポートカー限定免許制度についての広報啓発の推進
  • 身体機能の変化等により安全運転に不安のある運転者等に対する安全運転相談窓口の積極的な周知及び利用促進並びに運転免許証の自主返納制度及び自主返納者に対する各種支援施策の広報啓発による自主返納の促進

(6)後部座席を含めた全ての座席のシートベルト着用とチャイルドシートの正しい使用の徹底

  • 全ての座席におけるシートベルト着用とチャイルドシートの使用義務の周知・指導の徹底及びその必要性・効果に関する理解の促進
  • シートベルトの高さや緩みの調整、チャイルドシートの確実な取付方法やハーネス(肩ベルト)の締付け方等、正しい使用方法についての広報啓発の推進
  • 高速乗合バスや貸切バス等の事業者に対する全ての座席におけるシートベルト着用を徹底させるための指導・広報啓発の推進

(7)二輪車運転者に対する広報啓発【ここ重要!】

  • 二輪車の特性の周知やヘルメットの正しい着用とプロテクターの着用による被害軽減効果に関する広報啓発の推進
  • 若者層のみならず、中高年に対する二輪車安全運転教育・広報啓発の推進

 

例年、日没時間が急激に早まる秋口以降は、夕暮れ時や夜間に重大交通事故が多発しており、死亡事故の多くが歩行者による道路横断中に発生しています。そのため、夕暮れ時は早めにクルマのライトを点灯や、歩行者やほかの車両に対する「思いやり・ゆずり合い」の気持ち、歩行者が明らかにいない場合を除いて横断歩道などでは直前で停止可能な速度で進行する義務と歩行者等優先義務を守ること、こうした点に留意しましょう。

さらに、妨害運転(いやゆる「あおり運転」)など危険な運転による交通事故や、75歳以上の運転者のハンドルやブレーキの誤操作による事故も依然として多いです。

また、いまだに飲酒運転による悲惨な交通事故も発生しており、夕暮れ時と夜間の歩行者事故などの防止、そして飲酒運転の根絶を推進する必要があります。バイクやクルマなど乗り物を運転する全ての運転手は「飲んだら乗るな、乗るなら飲むな」を今一度肝に銘じましょう。

そして、(7)にもある通り、わたしたちライダーひとりひとりが心がけるべきは、ヘルメットの正しい着用とプロテクターの着用、そして、正しい安全運転知識を身につけ、常に心がけることです。すでに実行されている方にとっては当たり前のことですが、“ライダーの自助・共助”として、ライダー仲間への周知も積極的に行いましょう。

 

3:自転車等のヘルメット着用と交通ルール遵守の徹底

(1)自転車利用者のヘルメット着用と安全確保

  • 全ての自転車利用者に対するヘルメット着用の必要性・効果に関する理解の促進と努力義務化を踏まえた着用の徹底に向けた広報啓発の推進
  • 夕暮れ時の早めの灯火点灯と反射材用品等の取付け促進による自転車の被視認性の向上
  • 幼児を幼児用座席に乗車させる際のシートベルト着用及び幼児二人同乗用自転車の乗車・降車時における転倒等の具体的な危険性の周知や安全利用に関する広報啓発の推進
  • 自転車利用者の安全を確保するための定期的な点検整備の促進
  • 自転車事故被害者の救済に資するための損害賠償責任保険等への加入促進

(2)自転車の交通ルール遵守の徹底

  • 「自転車安全利用五則」の活用による車道通行の原則、車道は左側通行、歩道は歩行者優先等の通行方法や自転車通行空間が整備された箇所における通行方法の周知と遵守の徹底
  • 信号の遵守や交差点での一時停止・安全確認のほか,夜間の無灯火走行,飲酒運転,二人乗り,並進の禁止等交通事故防止のための基本的な交通ルールの周知と遵守の徹底
  • スマートフォン等使用時や傘差し等の片手運転,イヤホン等を使用した運転の危険性の周知と指導の徹底
  • 自転車を用いた配達業務中の交通事故を防止するため,関係事業者等に対する交通安全対策の働き掛けや自転車配達員に対する街頭における指導啓発,飲食店等を通じた配達員への交通ルール遵守の呼び掛け等の推進

(3)特定小型原動機付自転車のヘルメット着用と交通ルール遵守の徹底

  • 特定小型原動機付自転車に関する新たな交通ルールの周知と遵守の徹底及び被害軽減のためのヘルメット着用の徹底
  • 特定小型原動機付自転車の利用者に対する販売事業者,シェアリング事業者等と連携した安全利用についての広報啓発の推進

 

自転車乗用中の交通事故死者数は減少傾向にある一方で、自転車関連事故件数は2年連続で増加し、全事故に占める自転車関連事故の割合も増加傾向にあるほか、自転車乗用中の交通事故死傷者数のうち10歳から25歳未満の若年層の割合が高いです。また、自転車乗用中におけるヘルメット非着用時の致死率は、着用時と比較して高く、自転車乗用中死者の人身損傷主部位は、頭部が半数以上となっています。さらに、自転車乗用中の死亡事故では、自転車側の多くに法令違反が認められます。加えて、道路交通法の一部を改正する法律(令和4年法律第32号)の施行により、2023年7月1日から特定小型原動機付自転車(いわゆる電動キックボードなど)に関する新たな交通ルールが定められ、ヘルメットの着用についても努力義務となっています。そのため、自転車等のヘルメット着用と交通ルール遵守のさらなる徹底が必要です。

MOTOINFOでは、ライダーひとりひとりの安全意識向上を目指し、これまで様々な記事を掲載していますので、この機会にぜひご覧ください。

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令和5年秋の全国交通安全運動の実施要綱

期間:令和5年9月21日(木)から30日(土)までの10日間

交通事故死ゼロを目指す日:令和5年9月30日(土)

目的:本運動は、広く国民に交通安全思想の普及・浸透を図り、交通ルールの遵守と正しい交通マナーの実践を習慣付けるとともに、国民自身による道路交通環境の改善に向けた取組を推進することにより、交通事故防止の徹底を図ることを目的とする。

運動重点(全国重点):

  1. こどもと高齢者を始めとする歩行者の安全の確保
  2. 夕暮れ時と夜間の交通事故防止及び飲酒運転等の根絶
  3. 自転車等のヘルメット着用と交通ルール遵守の徹底

主催:内閣府、警察庁、総務省、法務省、文部科学省、厚生労働省、農林水産省、経済産業省、国土交通省、防衛省、都道府県、市区町村、独立行政法人自動車技術総合機構、独立行政法人自動車事故対策機構、独立行政法人日本高速道路保有・債務返済機構、自動車安全運転センター、軽自動車検査協会、(一財)全日本交通安全協会、(公財)日本道路交通情報センター、(一社)全日本指定自動車教習所協会連合会、(一社)日本二輪車普及安全協会、(一社)日本自動車連盟、(公社)日本バス協会、(公社)全日本トラック協会、(一社)全国ハイヤー・タクシー連合会

内閣府「交通安全対策」

https://www8.cao.go.jp/koutu/index.html

内閣府「令和5年秋の全国交通安全運動推進要綱」

https://www8.cao.go.jp/koutu/keihatsu/undou/r05_aki/youkou.html

警察庁「令和4年中の月別交通事故死者数推移」

https://www.npa.go.jp/publications/statistics/koutsuu/toukeihyo.html

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