そういえば自動車免許で原付に乗れる!基礎知識と広がるライフスタイル
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二輪車用の運転免許はもちろん、普通自動車免許にも原付免許が付帯していることをご存知の方も多いでしょう。実技試験がなく、すべての免許に共通する学科試験を受講できていれば自動的に付与されるので、取得と同時に気軽に乗れるのが原付の大きな魅力です。
ただ、付帯していることは知っていても、「長らく原付に乗る機会がなかったところで急に公道を走るのは怖い」「どんな準備をすればいいかわからない」という方もいらっしゃるかと思います。
改めて原付に乗ってみようと思われている方、せっかく付帯されているなら乗ってみようと興味を抱かれている方に、事前準備などの基礎知識のほか、原付に乗ると広がる新しい世界についてもご紹介します。
原付バイクの基礎知識
まずは原付とはどういうものか、定められている条項に沿ってご説明いたします。
原付とは?
原付とは「原動機付自転車」の略称になります。日本で原付が登場したのは太平洋戦争後と言われていて、その名のとおり原動機(エンジン)が自転車に搭載された乗り物のことを指しての呼称となり、現在まで用いられています。排気量が50cc以下のものを原動機付自転車、それ以上は普通自動二輪車、または大型自動二輪車となっています。
上の表にあるように、道路交通法と道路運送車両法によって区分が異なっており、道路運送車両法では50cc以下を「第一種原動機付自転車」、51cc〜125cc以下を「第二種原動機付自転車(原付二種)」と定めています。
原付免許の取得方法
原付免許の魅力は、取得可能年齢が16歳であり、合格すれば即日免許証が交付されることです。原付免許を単独で取得する流れは以下になります。
- お住まいの地域にある運転免許センターにて受験の予約
- 上記センターにて適性試験と学科試験を受ける
- 合格したら原付講習を受ける
上記3の原付講習を終えると、その場で免許証が交付され、すぐに原付に乗ることができます。受験費用はおおよそ8,000円前後です。各都道府県によって受付時間などが異なるため、必ず事前に確認しましょう。
受験に際しては、16歳以上であることを証明するための健康保険証やマイナンバーカード、パスポートなどを持参する必要があります。また、講習に際しては長袖・長ズボンなど講習に適した服装で参加することが必要です。ヘルメットなどの装備は免許運転センターで貸し出しを行っていますが、合わせて事前に確認しましょう。
原付免許以上のバイク運転免許証(普通自動二輪[小型限定含む]、大型自動二輪)や普通自動車免許などクルマを運転するための免許にもこの原付免許が付帯しているので、これらの免許をお持ちの方は改めて原付免許の取得をせずとも原付に乗車可能です。
原付に乗るうえで知っておきたいこと
自動車や51cc以上のバイクとは異なる原付特有のルールや気をつけておきたいことをご紹介します。
AT限定でも原付に乗れるの?
運転免許にはオートマチック車限定の免許「AT限定」があります。このAT限定免許にも原付免許は付帯されているので、ギアチェンジを要する原付であっても運転が可能です。
いきなり公道を走ってもいいの?
原付免許の付帯する運転免許証を持っていれば、原付でいきなり公道を走ることは可能です。
原付にはギアチェンジ操作が必要な車両と、ギアチェンジが不要なスクータータイプの2種類があります。後者の方が操作が簡単で容易に乗れそうですが、初めて二輪車に乗る方がいきなり公道を走ってしまうと、思いもよらない動作に驚くこともあると思います。実際に公道を走る前に、教習所でもらった教本を読み返したり、エンジンがかかっていない状態で押し歩きしてブレーキやハンドル操作の確認をしてみたり、クルマ通りの少ない安全な場所で発進・停止など少し練習をしてから公道に出ましょう。
原付特有の交通ルールってあるの?
原付には、他の自動車とは異なる特有の交通ルールがあります。
1, 法定速度は時速30キロまで
原付は法定速度が時速30キロまでとされています。実際の原付バイクは、緊急時に回避を行うなどのため時速30キロを超える速度が出るようになっていますが、法定制限速度の時速30キロを守った運転をしましょう。
2.原則的に一番左の車線を通行する
原付は原則、片側二車線以上の道路では一番左側の車線を走行しなければなりません。
3.二段階右折
原付に乗車している際は、走行している道路の進行方向の車線が三車線以上の多通行帯道路で、さらに信号や警察官により交通整理されている、二段階右折禁止の標識が出ていない交差点を右折する場合、「二段階右折」することが義務付けられています。
二段階右折とは、排気量50cc以下の第一種原動機付自転車は通行帯が3車線(片側、一方通行とも)以上ある道路の交差点を右折する場合に「二段階右折」という右折方法を取ることが道路交通法第34条において義務付けられています。
4.二人乗り禁止
原付の乗車は基本的に1人とされており、2人乗りは禁止されています。
原付に乗る際に必要なものは?
バイクで走行する際の着用義務があるのはヘルメットのみですが、クルマや自転車などが混合する交通環境で運転する際は、安全上グローブや長袖のウェア、胸部プロテクター、長ズボン、シューズなど素肌が出ないような服装を心がけましょう。
またヘルメット着用時はアゴ紐を必ず締めるようにしましょう。万が一の転倒時、ヘルメットが脱げてしまうことがあります。
収納スペースのあるバイクの場合は、レインジャケットやレインスーツを備えておくと良いでしょう。万が一の雨天時に大変役立ちます。
講習会とかあるの?
「公道を走る前に一度練習したい」という方のために、各地の警察や教習所で原付の安全運転講習が実施されています。詳しくは最寄りの警察署や教習所にてご確認ください。下記ウェブサイトから各地の教習所の情報が得られるのでご活用ください。
原付から広がるライフスタイル
原付に乗ると、どんな世界が広がっているのでしょうか。原付の楽しみ方をご紹介します。
原付ならではの機動力で街を走れる!
スクータータイプであれば自転車同様に両手によるブレーキ操作ができるので、初めての運転でも操作がしやすいというメリットがあります。車体も比較的軽量に作られているので、街に出かける際も気軽に乗っていけるでしょう。
駅やスーパーマーケット、娯楽施設がある繁華街には原付を停められる駐輪場や駐輪スペースが多く確保されているので、駐輪に困るケースがほとんどありません。安心してショッピングや食事を楽しむことができます。
ライディング特有の風が気持ちいい!
バイクで走ると、操作する楽しさに加えてバイク特有の疾走感や四季折々の風と薫りを体全体で感じられます。排気量の大きなバイクで感じるものとはまた違ったロースピードな原付ならではの流れゆく街の景色や気持ちいい風を楽しんでみてください。
レンタルやシェアリングでも利用できる!
クルマと同じように、原付のレンタルサービスやシェアリングサービスが広まっています。原付免許はもちろん、普通自動車免許をお持ちの方なら利用できるので、レンタルやシェアリングといったサービスから原付に乗ってみるのもいいでしょう。お目当てのモデルがあれば、少しのあいだオーナー気分を味わうこともできます。
ファミリーバイク特約が活用できる!
自家用車を保有されている方なら「ファミリーバイク特約」という費用負担の軽いクルマの付帯保険があるので、契約者本人あるいは家族であれば原付の付帯保険契約が可能です。
これまでとは違う景色を見せてくれる原付でお出かけ!
たった1日の試験と講習で免許取得できるのはもちろん、普通自動車免許には自動的に付帯されている原付の楽しみ方はまだまだあります。「まだ乗ったことはないけど、乗ると楽しそう」と興味を持っている方は、レンタルやシェアリングといったサービスもご活用のうえでぜひ原付という乗り物に触れてみてください。間違いなく今まで見たことがない風景、感じたことがない風を味わわせてくれるでしょう。