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バイクで町おこし。小鹿野町の今

秩父郡の小鹿野町は、2007年から「オートバイによるまちおこし事業」を立ち上げて以来、長いあいだバイクを小鹿野町に受け入れるためのさまざまな取り組みを行い、バイクの聖地に数えられるようになったまちです。また、今年9月に「BIKE LOVE FORUM(バイクラブフォーラム)」(以下、BLF)が開催されるとあって、さらなる盛り上がりを見せています。そんなバイクの聖地でありBLF開催前の小鹿野町で、担当者にライダー誘致のためのさまざまな取り組みをご紹介いただきました。

バイクのまち小鹿野のこれまで

小鹿野町は、埼玉県西部に広がる山間部の地域・秩父郡にある人口9,951人(令和7年4月1日現在)の小さな町です。日本百名山に数えられる両神山がそびえ、日本の滝百選に選ばれた丸神の滝や秩父多摩甲斐国立公園、県立西秩父自然公園を有する自然豊かな地域として親しまれています。

1999年から2010年にかけて行われた“平成の大合併”により、2005年に旧小鹿野町と両神村が合併して現在の小鹿野町が誕生し、さらなる町の発展が期待されましたが、町の人口は減少の一途を辿っていました。

小鹿野町の合角ダムと倉尾橋

「活性化のために町おこしを」という声から、官民一体となって新たな取り組みが始まりました。「新しいものを外から取り入れるより、小鹿野にある魅力を押し出そう」と、町の魅力に目を向けたのです。

わらじカツ丼

そこで取り上げられたのが、「わらじカツ丼」でした。草鞋(わらじ)のような大きいトンカツが載った小鹿野町の名物は、当時ブームだった“B級グルメ”としてバイク専門誌などに取り上げられており、わらじカツ丼を目当てに訪れるライダーが増えていました。ただ、都心から長野県や群馬県へと抜けられる通り道として走り去られていたので、「バイクによる町おこし」に取り組み、ライダーに立ち止まっていただいて小鹿野町を満喫してもらうことにしたのです。

画像提供:ウエルカムライダーズおがの

道の駅や町営施設での屋根&ヘルメットロッカー付きのバイク駐車場の設置、協賛店でのライダー特典など、ライダーを歓迎する取り組みやインフラ整備が進められました。その流れにともなって、さまざまなバイクイベントが小鹿野町で開催されるようになり、多くのライダーが訪れる町へと変貌していきました。

バイクによる町おこしを始めた当初は、町内から安全面などを心配する声も出たそうですが、いざ始めてみるとマナーの悪いライダーはほとんどいなかったと言います。小鹿野警察署が全面的に協力する安全運転を推進する取り組みやイベントが数多く開催されたことから、ルールやマナーが町全体に浸透し、2025年6月17日には小鹿野警察署管内における「交通死亡事故ゼロ」が5,000日に達しました。

小鹿野町が「バイクのまち」として町おこしをスタートして15年以上が経ちました。現在では関東周辺のライダーに広く認知され、ツーリングの目的地として訪れるライダーも少なくありません。今年はBLFを開催することでその知名度は全国に知れ渡ることでしょう。日本を代表するバイクのまちとして、今後、小鹿野町への注目度はますます高まっていくに違いありません。

小鹿野町の魅力

小鹿神社

小鹿野町を横断する国道299号を走ると、高さ15mはあろうかという巨大な鳥居が目に飛び込んできます。その鳥居をくぐった先にあるのが、元祖バイク神社として知られる「小鹿神社」です。その昔、東京モーターサイクルショーのメインステージで安全祈願をしたことがキッカケとなり、多くのライダーからバイク神社として親しまれるようになりました。こちらではバイク用交通安全シールやお守りを手に入れられます。

二輪車専用駐車場や立ち寄り温泉施設がある道の駅 両神温泉薬師の湯

ライダーにとって居心地の良い空間が約束されているのが、「道の駅 両神温泉薬師の湯」です。雨に見舞われても安心して愛車を停められる屋根付きの二輪車専用駐車場があり、ツーリングの疲れを癒してくれる立ち寄り温泉も備わっています。道の駅本館では、地元の食材を用いたフードがメニューに並んでいて、小鹿野町を存分に堪能できます。旅の休憩ポイントとして活用してみてください。

小鹿野町からライダーの皆さんへ

(左から)町おこしプロジェクト「ウエルカムライダーズおがの」の加藤 悟副代表、強矢立家代表、小鹿野町まちづくり観光課 主事の山中 澪氏

2025年のBLF開催地に選ばれた小鹿野町が思い描くこれからの取り組みや想いについて、バイクのまちとしての活動を推進する町おこしプロジェクト「ウエルカムライダーズおがの」の強矢立家(すねやたつや)代表(以下、強矢代表)と加藤 悟副代表(以下、加藤副代表)、小鹿野町 まちづくり観光課 主事の山中 澪氏(以下、山中氏) が、BLFに向けての意気込みを語ります。

「2024年の東京モーターサイクルショーに出展した際、BLFの開催地として打診いただきました。小鹿野町の『バイクで町おこし』に、 BLF主催団体の一つである一般社団法人日本自動車工業会が興味を持ってくれていて、BLFの新たな開催地とする話になりました。バイクでの町おこしを始めてからさまざまな企業や団体、メディアの方々と交流を重ねてこられて、また新たなご縁をいただけたと思っています」(加藤副代表)

2024年の「8月19日はバイクの日 HAVE A BIKE DAY」の「地方自治体プレゼンテーション」で小鹿野町の魅力を伝えた山中氏

「小鹿野町でのBLF開催が決まってから、『ウエルカムライダーズおがの』の強矢代表、加藤副代表とともに、二輪車産業政策 ロードマップ2030をはじめとするBLFの取り組みについて学ばせていただきました。地方公共団体連携はまさに小鹿野町が求めるもので、その他の取り組みも小鹿野町が共感できるものばかりでした。

今年の開催に向けて、2024年の『8月19日はバイクの日 HAVE A BIKE DAY』、そして今年の東京モーターサイクルショーの会場で、BLFの開催地として小鹿野の魅力をお伝えさせていただきました。小鹿野町はライダーの皆さんを歓迎いたします」(山中氏)

「BLFの取り組みをより詳しく知りたかったので、宮崎県で開催された2024年のBLFにも視察に行きました。小鹿野町で開催するとなるとどうなるか、イメージしながら会場を巡りました。『バイクで町おこし』によって小鹿野町は主に関東圏のライダーに広く知ってもらえるようになりましたが、BLFの開催は全国のライダーに知ってもらう良い機会になるかもしれない、という期待を抱いています。

BLFと合わせて開催される、ライダーに楽しんでもらうスタンプラリー形式のイベント『寄ってけ〜な!おがのツーリングキャンペーン』の準備を着々と進めているところです。小鹿野町を中心に、秩父地域を満喫いただける内容になっています。

ツーリングキャンペーンでは、いろいろなお店に寄ってほしいですね。美味しいものを食べたり、お土産を買ったりはもちろんですが、お店の主人やスタッフと話をしてほしい。そして小鹿野や秩父の人の良さを知ってほしいのです。小鹿野町はライダーを歓迎する町なので、ぜひ積極的にコミュニケーションを取ってみてください。そして町をあげての『ウエルカムライダーズおがの』をぜひ堪能してほしいですね」(強矢代表)

今年の夏〜秋は小鹿野へ行こう!

毎年、全国各地で開催されてきたBLFが、いよいよ「バイクで町おこし」の小鹿野町で開催されます。これまでに小鹿野町を訪れたことがあるライダーも、BLFとツーリングキャンペーンが開催される期間(8月1日~11月30日)で新たな小鹿野町の魅力を発見できるのではないでしょうか。ライダーを歓迎してくれるまち・小鹿野で催されるBLFではどんな議論が交わされ、そしてどんなコンテンツで私たちライダーを楽しませてくれるのか、今から期待が膨らみます。BLFの詳細情報はMOTOINFOで随時お知らせしていきますので、今後にご注目ください。

第13回 BIKE LOVE FORUM in 埼玉・おがの
開催日時:2025年9月19日(金) 12:00~16:30
開催場所:⼩⿅野文化センター ホール
住所:埼玉県秩父郡⼩⿅野町⼩⿅野167-1
内容: 開催テーマ 『バイクの力で地域を盛り上げよう』 ライダーを歓迎する小鹿野町の取り組み、二輪車産業振興策の取組状況発表、バイクツーリズムによる地域振興の考察、議論など
実施形式 :現地参加 / オンライン視聴(YouTube ライブ)
主催 : BIKE LOVE FORUM 開催実行委員会

BIKE LOVE FORUM 公式サイト

https://www.bikeloveforum.jp/

ウエルカムライダーズおがの:埼玉県小鹿野町

https://www.bike-ogano.jp/

ウエルカムライダーズおがのFacebookページ

https://www.facebook.com/welcomeogano/

OMG おがのモトガールズTwitterアカウント

https://twitter.com/oganomotogirls

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