MA-1にパーカーまで!? ぱっと見プロテクター内蔵に見えないライディングウェア
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過去50年にわたるバイクの歴史を振り返ってみると、ナナハンブームに始まり、レプリカブームやストリートバイクブームなど様々な流行によって変遷してきました。そしてまた、こうしたムーブメントによってバイクに乗るライダーのファッションも常に変わってきました。
先日MOTOINFOでもご紹介した、自工会主催の第三回メディアミーティングでも言及があったように、ライダーの考える価値観の軸足が、バイクそのものではなく各自のライフスタイルになったため、ライダーのファッション、つまりライディングウェアも非常にスタイリッシュで普段使いにも馴染むモノへと変化しています。
そんな時流でさらに、肘や胸部などにプロテクターが内蔵されたライディングジャケットの種類が非常に増えています。しかも、一昔前のような大きく重く逞しいシルエットのジャケットではなく、言われなければプロテクター内蔵だと気づかないほどにスリムでファッショナブルなのです。
そこで今回もライコランドTOKYO BAY 東雲店ご協力のもと、今もなおオシャレに進化を続ける“ぱっと見バイク用に見えないプロテクター内蔵ジャケット”をいくつか紹介いたします。
ジップアップパーカーかと思いきやライディングジャケット
まずご紹介するRSタイチ製のコーデュラフーディーオールシーズンジャケットは、その名の通り一見普通のジップアップパーカーのように見えますが、耐摩耗性・耐久性に優れた繊維”CORDURA(コーデュラ)”を生地に使用したライディングジャケットです。
ライコランドTOKYO BAY 東雲店の山田 淳司店長(以下、山田店長)によると
「強靭な生地でありながらも、しなやかな着心地を確保しているところが人気」
とのことでした。
画像では全く気づかないと思いますが、こう見えても各所にプロテクターが内蔵されており、肩・肘には優れた通気性と強度を両立したCE規格レベル1プロテクター、背中にはフォームパッドが内蔵されています。なお、胸部プロテクターは別売りですが、ジャケットの内側にポケットが用意されているので簡単に脱着できます。
オールシーズンジャケットという名の通り、あらゆる季節の着用を想定したモデルですが、気温が一段と下がるこれからの時期には、この上に防寒用のアウターシェルジャケットを羽織ると良いでしょう。
バイクを降りたときでも街に溶け込むファッションなのが嬉しい。
美しいシルエットのシングルライダースにもプロテクター内蔵
ライディングウェア不朽の定番といえば、やはりライダースジャケットでしょう。
“ザ・革ジャン”であるダブルのライダースジャケットも魅力的ですが、こちらのデグナー製カウレザーライダースジャケットのようにシンプルでスリムなシングルタイプに昨今人気が集中しているようです。しかも、最近流行りのスタンドカラーということもあり、様々なスタイルのバイクとの相性もバッチリです。
こちらのジャケットも一見プロテクターが入っているようには見えませんが、やはりしっかりと肩・肘・背中・胸部にプロテクターが内蔵されています。しかも胸部以外はCE規格レベル2プロテクターですので高い安全性を誇ります。
MA-1タイプのライディングジャケットにもプロテクター入り!
ヨーロッパ発のライディングウェアメーカーであるPAND MOTO(パンドモト)製のBOMBER COR 02ジャケットは、商品名の通りボンバージャケット(別名ボマージャケット)、いわゆるMA-1フライトジャケットをモチーフとしたバイク用のライディングジャケットです。
生地には12オンスのスーパーストレッチコーデュラデニムが使用されているため、耐摩耗性や速乾性に優れています。このジャケットもまた一見カジュアルなジャケットにしか見えませんが、肩と肘にしっかりとCE規格レベル1のプロテクターを内蔵しており、オプションで背中にもCE規格レベル2プロテクターの装着が可能です。
アウトドアで活躍するマウンテンパーカーにもプロテクターが!
最後にご紹介するこちらのオシャレなマウンテンパーカーも、プロテクターを内蔵したライディングジャケット。
しかもこのジャケットはモーターサイクルライフをスマートに楽しむことをコンセプトに掲げたライディングウェアブランド「urbanism(アーバニズム)」と、MOTOキャンパーに絶大の支持を集める小林夕里子さん(通称こばゆりさん)が手がけるMOTOアウトドアブランド「NOMADICA(ノマディカ)」のコラボレーションアイテム。
アウトドアウエアでは定番の60/40クロス生地に撥水・難燃加工を施した、耐摩擦性と通気性に優れたマウンテンパーカーです。肩と肘には CE規格レベル1プロテクターが内蔵され、背中と胸部にはメッシュプロテクターが標準装備されています。
山田店長によると、
「プロテクターもイノベーションがなされており、硬ければ強いということではなく、しなやかさと衝撃吸収力が両立されている」
とのことでした。
ライディングもキャンプもこなせる万能なジャケットなので、バイクでキャンプに出かけるライダーにとっては、夢のようなアイテムと言えましょう。
先の通り、昨今はキャンプやフィッシングなどといった自分の好きな趣味にバイクをプラスして楽しむ方が増えています。そんな潮流を汲み取り、世界的にバイク業界内外から様々なライディングウェアが発売され、それをユーザーが試し、互いに切磋琢磨しあっていく。そんなことが今市場で起きています。だからこそ、次々と新しい商品が生まれているのです。2023年は「バイク×(趣味)」というユーザーの楽しみ方により一層の変化が生まれ、さらにバラエティーに富んだライディングウェアが開発されるのかもしれません。
最後に山田店長から現在のライディングジャケットにおけるトレンドについて伺いました。
「現在のジャケットのトレンドとしては、カジュアルであり、なおかつ安全性がきちんと担保されているモノが主流です。そして、ロード、オフロード、スポーツ、クラシックなど、多種多様なスタイルのバイクが嗜好されるなか、それぞれのジャンルやシーンに合わせてファッションが楽しめるようになっています。」
この記事がこれからバイクに乗ろうと考えている方の参考に、もしくは久しくライディングジャケットを新調していなかったライダーがプロテクター内臓ウエアに買い替えるきっかけとなれば幸いです。