【手軽にガレージライフ】メーカー3社に伺う最新バイク用ガレージの動向とは?
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バイクはここ数年のあいだで、キャンプブームやコロナ禍による移動手段の見直しなど、さまざまな要因によって人気を集め、少しずつライフスタイルに馴染み始めています。決して安価ではないバイクを手に入れたなら、しっかりと愛車を保管したくなるのは当然でしょう。
また、コロナ禍による生活環境の変化からバイクなど趣味に当てられる時間も増えていることから、都市部だけではなく郊外でもバイクガレージの需要が高まっているようです。
しかし、ガレージ付きの注文住宅を建てるのは予算やスペースなどの様々な問題によって厳しいケースが多いため、比較的リーズナブルな価格で敷地内に後から設置できるタイプのガレージが注目されています。
そこで今回は、後から設置できるタイプのバイクガレージを商品展開する、株式会社デイトナ(以下、デイトナ)、株式会社稲葉製作所(以下、イナバ物置)、株式会社淀川製鋼所(以下、ヨドコウ)の3社にバイクガレージの需要動向を伺いました。
デイトナ:前年並みに推移するバイク市場の中、今後も安定成長が見込まれる
バイクパーツメーカーとして有名なデイトナの二輪事業部ガレージグループ 鈴木廣明さん(以下、鈴木さん)に、ここ数年におけるバイクガレージの動向について伺いました。
コロナ禍に伴うバイク需要の高まりによって昨年までは忙しい状況でしたが、コロナ第5類移行後は、お客様の行動が変化したことによって通年レベルにまで戻っています。
但し、新規バイク免許取得者数は増えているため、今後も需要の増加傾向は継続すると思われます。
バイク用ガレージのなかでも、一番の売れ筋はシャッタータイプのガレージ「BASIC」です。
ガレージを求める方にとって、やはり最も重要視されるのが“防犯性”です。昨今、バイクの新車価格はもちろん中古市場の価格(特に旧型車)も高どまりしているため、盗難抑止力の高いガレージで保管することは重要です。本タイプは、通常のシャッターキーに加え、シャッターガード&ラウンドロックの2重ロックで防犯性を高めております。
次に“収納性”ですが、ガレージの奥に棚板を標準装備しており、床に荷物や棚等を置いて可動スペースが狭くならないよう工夫しています。また、デッドスペースの有効活用もポイントです。バイクのパーツメーカーとしてライダー目線で専用オプションを用意しており、ミニラックやサイドラックブラケット、シャッターケース用ブラケットでデッドスペースの有効活用が可能です。ヘルメットラックやスロープラックも人気ですね。
なお、ガレージ設置の際は、アンカー固定工事が標準装備となります。もしアンカー固定を行っていない場合、衝突や台風による強風でガレージがずれてしまう恐れがありますのでアンカー固定工事をすることで、ガレージ設置後の不安も解消されます。
なかでも、クルマ駐車場1台分のスペースに収まり中型バイクを2台保管できるDBS-1830Hが一番人気ですね。「BASIC」は全18種類のサイズをご用意していますのでお客様の要望に合ったものをお選びいただけます。
バイクをしっかりと保管する機能はもちろん、ガレージ内でメンテナンスやカスタムなどの軽作業も想定して設計されており、老舗バイクパーツメーカーとしての知見が活かされていることが伺えます。
続いて、デイトナバイクガレージを購入されたユーザーの意見についても鈴木さんに尋ねました。
実際に購入したからのお客様のご意見を紹介します。
- 今まではバイクカバー保管だったが、走行後のクールダウン後にカバーを掛けるのが苦痛になってきた。また、防犯性も心配だったので購入した。[岐阜県/I様]
- ガレージのある生活が夢だった。新築と同時に購入。[三重県/M様]
- 過去にバイクを盗まれた経験があるので購入した。[愛知県/I様]
- 整備途中でもそのままにしておけるのが最高![静岡県・M様]
- ブログを見て後から内装DIYも楽しそうだったので購入を決めた。[岐阜県/K様]
お客様のご意見は、私たちに新たな気づきも与えてくれるため非常に参考になります。今後も横スライド扉タイプや、自分好みの色・サイズにオーダーできるタイプなどの取り揃えも拡充していきたいと思います。
いずれもバイク用ガレージとして販売していますが、バイク保管のみに留まらず、アウトドア、ロードバイク、釣り、サーフィン、スノーボードなどといった趣味用品の保管や、DIYでカスタムも楽しめるガレージとして、幅広くご使用いただければと思います。
バイク保管だけではなく、使い方次第で様々な趣味の方にもガレージ利用が広がる可能性を感じました。
イナバ物置:今後もバイク需要の増加に伴いガレージ人気継続
「100人乗っても大丈夫」のキャッチコピーで有名なイナバの営業部営業企画課 渡邊 陽介さん(以下、渡邊さん)にも、昨今のバイクガレージ需要動向についてお話を伺いました。
バイク用ガレージは発売当初から年々売上を伸ばしています。近年、コロナ禍の巣ごもり需要から趣味の時間を大切にされる傾向があり、今後もバイク用ガレージの需要は続くと期待をしております。
2023年9月に新たに発売した「アルシアフィット」は、シンプルなデザインで高級感のある内壁や自然光を取り込む窓、機能的には雨水や埃の侵入に配慮したシャッターケースなどを標準装備としています。また屋根裏には不快な結露の発生を軽減させるオプション(結露軽減材)も充実させています。
“防犯性”については、開口部のシャッター錠にピッキングに強いディンプルキーを採用し、2段錠を標準装備とすることで強化しています。また、防犯性をさらに高めるオプションとして、バイク本体と連結できるワイヤーロックバーや防盗バーもご用意しています。
最近では、バイクガレージ本体と同時に、ヘルメットやメンテナンス備品を置くための棚板をご購入される方が増えています。
続いて渡邊さんに、購入者からの要望について尋ねました。
お客様の多くは、バイクを収納するだけでなく休日にメンテナンスできる広さの本体サイズを選ばれる傾向があります。大半のバイク愛好家はご自身でメンテナンスをされると認識しており、キャスター付きの収納ボックスや、休憩時に座るベンチなどを置かれている方が多々いらっしゃいます。上記の製品にもユーザーからの要望を反映し、居心地の良い庫内空間を演出しています。
今後、まずは2023年9月に発売した「アルシアフィット」の販売状況を把握し、ユーザー様からの声に耳を傾け、製品開発を行っていく予定です。
確かにバイクガレージを購入するのであれば、工具やヘルメット置き場とともにメンテナンススペースも確保したくなるのがバイク愛好家の性でしょう。電源も引き込めば、週末のバイク弄りが捗りそうですね。
ヨドコウ:バイクガレージの需要は10年前の1.5倍
最後に、ヨド物置で有名な業界のトップランカーであるヨドコウのエクステリア商品グループ 古澤 純也さん(以下、古澤さん)にも、バイクガレージの手応えについて伺いました。
バイク用も含めてガレージ需要は近年増加傾向にあり、鋼製ユニットガレージは10年前に比べておよそ1.5倍程度の出荷となっています。
「エルモシャッター」というシャッター式の物置をバイク用ガレージとして用途提案しております。また、クルマ用として販売しているヨドガレージ「ラヴィージュⅢ」にバイク置場を併設して使用していただいているケースも多くあります。
どちらも、三方が壁に囲われており前面がシャッターとなっているため、雨風から大切なバイクを守る仕様となっています。シャッターにはピッキング対策としてディンプル錠を採用。シャッターを閉めると外からバイクが見えなくなることも、防犯面でガレージを支持いただいている理由となっています (バイクの盗難は事前に下見などをして入念に選ぶため、そもそもバイクを置いているとわからない事が防犯面でプラスになる)。さらに、短納期で設置できることも特徴です。
ヨド物置「エルモシャッター」には大がかかりな基礎工事が不要な床付きの“床タイプ”と、基礎の上に設置して土間仕上げを行う床無しの“土間タイプ”があり、バイクガレージとしては、雨天時の格納などを考慮して“土間タイプ”をご選択いただく場合が多いです。また、最近では、単にバイクを保管するだけでなく、バイクを整備するスペースやバイクと共に過ごすような空間を要望されるお客様も多く、ヨドガレージ「ラヴィージュⅢ」にユニットガレージの内外装をグレードアップできる“ドレスド・オプション”をご取り付けてガレージライフを楽しむ方もいらっしゃいます。
続いて古澤さんに、購入者からの意見について伺いました。
大型バイクを所有され、当社ガレージを購入頂いた方のご意見をご紹介いたします。
「お気に入りの大きなバイクも安心して格納でき、そのうえ出し入れが楽なので気に入っています。設置までの工期が短かったのですぐに利用することができました。」
さらに、今後のバイクガレージにおける展望について伺うと「バイクガレージは、ただ格納するだけでなくデザイン性やユーティリティ性を高め、今まで以上にガレージライフを楽しめる空間を提供することが必要になってくるのではないか。」とのことでした。
機能性やデザイン性はもちろん、ガレージ内で多様な楽しみ方の提案が鍵を握っているということですね。
また、設置までの時間がかからないというのは大きなメリットに感じました。
今回お話を伺った3社とも、ガレージを選ぶうえで「耐候性=耐水性、耐光性、防風性など」「防犯性=盗難抑止力の強化」「居住性=整備やカスタムなど軽作業のしやすさ」あたりを重要なポイントとしているようです。
手に入れた大切なバイクを、できるだけ安心・安全な環境でしっかりと保管し、メンテナンススペースも確保したい。こうした要望が年々高まりを見せており、ガレージ需要の増加へと反映されています。今後もバイクガレージ主要メーカーから機能性アップやバリエーション拡充などの広がりが期待できそうですね。
デイトナモーターサイクルガレージ - 株式会社デイトナ
二輪用バイクガレージ - 株式会社稲葉製作所
https://www.inaba-ss.co.jp/monooki/lineup/garage.html