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【高まるバイクの安全意識】バイクの利用および安全に関する意識調査

2023年9月9日、第11回 BIKE LOVE FORUM(バイク・ラブ・フォーラム) in 静岡・浜松の開催を記念して、浜松出世パーク葵広場(静岡県浜松市)で催された「静岡をバイクで巡るツーリングキャンペーンオープニングセレモニー&ミニ・バイクのふるさと浜松」

先日公開した記事の通り、本イベントでは静岡をバイクで巡るツーリングキャンペーンオープニングセレモニーのほか、国内二輪 4メーカーによる車両展示やバイクにまつわる女性インフルエンサーによるトークショーなどもあり、多くのライダーが訪れていました。

今回MOTOINFO編集部は本イベントの特設バイク専用駐車場で、来場したライダー47名を対象に、バイクの利用および安全に関する意識調査を行いました。

なお、ご協力いただいたライダーの年齢層は10代から60代の方々、そのうち過半数を30 代後半以上が占めました。

第11回バイクラブフォーラム in静岡・浜松が9/8に開催!翌日には開催記念イベントも!

 

ゲリラ豪雨や猛暑などの異常気象が不安の上位に

まず「バイクに乗っていて困ることや不安なこと」について質問したところ、やはり外出先でのバイク駐車場確保(有無)がトップでしたが、それに迫る勢いで天候に対する不安の意見が多く出ました。

  •  山の天気のように急に天候が変化する
  •  夏は暑すぎるし冬も寒い
  •  ゲリラ豪雨は降りはじめから本降りまでが早すぎて雨宿りすらできない
  •  日差しが強い など

外気温よりも気温の高い真夏のトンネル内で渋滞に巻き込まれると、バイクのエンジン熱も加わり、本当に命の危険を感じることすらあります。

また、身体をむき出しにして走るライダーは、雨が降れば当然ながら濡れます。たとえレインウェアを携行していたとしても、降りはじめと同時に停車できない場合も多いため、着用するころにはずぶ濡れになってしまうこともあります。

天候をこまめにチェックするとともに適時休憩や装備品の充実など、今後さらなる自衛手段を考えておくことも重要です。

 

駐車場増設と高速料金値下げに対する要望が根強い

次に「今後バイク関連で改善して欲しいこと」について質問したところ、多くのライダーたっての願いでもある高速道路料金の値下げに関する要望が1位でした。さらに次点ではバイク駐車場の増設が票を集めました。

クルマとバイクを両方所有している方からは、クルマと同等にどこへ行ってもバイク駐車場のある環境を望む意見もありました。

一方で少数意見でしたが、バイクで走って楽しい道の情報や、バイクの楽しさをもっと知って欲しいなどといった意見もありました。

原付二種(排気量50cc超え125cc以下)モデルの人気も高まっていることから、ツーリングの楽しみ方も“行き先(目的地)重視型”だけではなく、道の駅や観光地などの立ち寄りを楽しむ“寄り道型”も増えていることを反映しているのかもしれません。

 

高まるバイクの安全意識

意識調査を実施したここ静岡県浜松市は、本田技研工業や鈴木織機(現:スズキ)、ヤマハ発動機など、多くのバイクメーカーが誕生した日本におけるバイク文化発祥の地であり、バイク産業と密接な関係にあります。

そんな浜松市を中心とする周辺地域には、もちろんバイク関連の企業が身近にあり、実際に家族・親族が勤務されているケースも多いため、安全意識については想像以上に高い結果がでました。

 

一般社団法人 日本自動車工業会、公益財団法人 交通事故総合分析センター「二輪車事故の特徴分析による事故・死傷者数の低減研究 -二輪車の単独事故の特徴-」より

バイクにおける交通死亡事故の人身損傷主部位別統計を見てみると、1位が頭部損傷、2位が胸部損傷と、このワースト1・2は10年以上変わっていません。次の質問では、こうした統計結果の実情と安全意識について尋ねました。

 

まず、バイクの交通死亡事故の原因となる損傷主部位として、頭部損傷が約半数を占めるという事実については80%近くのユーザーが認識していました。

前記のとおりバイクと縁の深い土地ですので、日頃からバイク交通事故についての情報が耳に入りやすい環境にあるのかもしれません。

 

また、二輪車交通死亡事故のうち3割がヘルメット離脱(外れる)であることについても、半分以上のユーザーが認識していました。

バイク関連企業においてはバイク通勤者も多いことから、企業側からも安全運転や安全意識向上の啓発がしっかり行われているものと思われます。

若年層と高齢層に多い交通事故時のヘルメット離脱…ヘルメットのアゴ紐を締めないと事故時の死亡リスクが8倍にまで高くなることが判明!

 

胸部保護の重要性認知についても好結果

続いて、バイクの交通死亡事故の原因となる損傷主部位として約28%が胸部損傷であることの認知について尋ねたところ、66%ものユーザーが認識していました。

 

さらに「胸部プロテクターを所有・利用していますか?」という質問をしました。

以前の記事 で、中高年ライダーの胸部プロテクター所有率が非常に低い(最も所有率の高い年齢帯が16〜29歳の28.1%に対し、ライダーの平均年齢前後となる50〜59歳の所有率が14.7%、60〜79歳では12.5%)ことを取り上げましたが、今回の調査では実に57%のライダーが所有・利用していると回答しました。

今こそ中高年(オヤジ世代)に着けて欲しい「胸部プロテクター」

 

なお、胸部プロテクター保有・利用の理由としては、以下のような安全に対する高い意識を持っていました。

  • 安全安心のため
  • 怪我をしたくない
  • 死亡事故の損傷主部位として高い割合を占めていることを知っている
  • 万が一のため
  • 交通事故時のリスクを軽減したい

 

一方で、胸部プロテクターを保有・利用していない方の意見としては、ある意味でベテランライダーゆえの理由も上がりました。

  • 運転しづらい
  • 購入したものの着ていない
  • まだ購入したことがない
  • 購入したものが古い
  • 価格が高価
  • 必要ない/気にしていない  など

バイク関連団体および経済産業省、地方自治体によって策定された「二輪車産業政策ロードマップ2030」では、“胸部プロテクター有用性の認知度向上”や“バイク事故死者数半減(2020年比)”などをゴールイメージとして掲げています。そして、今回の意識調査を通じて実際にライダーたちのあいだで安全意識の高まりを感じることができました。

もしかすると、バイク産業と密接な関係にある土地柄、他の地域と比較してバイクにまるわる楽しさやリスクなどバイクの情報に触れる機会が多いことも考えられます。ただし、特に胸部プロテクターの所有・利用率の向上は、バイク業界関連団体や警察などが絶えず啓発活動を続けてきた努力の結果と言っても過言ではありません。

まだ道半ばではありますが、これからもリスクに対する正しい知識や事故防止のためにどのような対策をすべきか、などといった啓発活動を継続することによって、ゴールイメージが現実になる日も近いかもしれません。

二輪車事故防止に向け「梅本まどかと宮城光のセーフティライディング!」動画を公開!

公益財団法人交通事故総合分析センター「二輪車事故の特徴分析による事故・死傷者数の低減研究-二輪車の単独事故の特徴- (令和4年3月) 」

https://www.itarda.or.jp/materials/report/free

警視庁 - 二輪車利用者に対するヘルメット及び胸部プロテクターの着用状況調査結果

https://www.keishicho.metro.tokyo.lg.jp/kotsu/jikoboshi/nirinsha/heru_pro.html

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