2006年６月に改正道路交通法が施行され、二輪の路上駐車取り締まりが厳しくなってはや15年。

様々な環境変化により昨年は二輪免許取得者数もわずかに増加し、今後自転車と共にバイクは、今の時代に向いたパーソナルモビリティーとして見直されています。

バイクという乗り物が再注目を集める中、やはり切っても切れないのが、バイク駐車場不足に関する問題でしょう。

そこで今回は、バイク駐車場の現状と今後の可能性について、利用率の高い実例や調査結果を交えてご紹介したいと思います。

バイク駐車場さえ充実すれば約６割のライダーがもっとバイクを使うと回答

「どこに行くにもバイクを使うようになる」が東京都64.8％、地方都市圏58.8％、「日常の用事をこなすのが便利になる」がそれぞれ49.4％と48.3％と半数近く、駐車場の拡大次第ではバイクの利用拡大が期待出来る数字になっています。

このことから、やはりバイク駐車場のニーズはいまだ高いといえます。

利便性の高いバイク駐車場なら多少料金が高くても許容する!?

全体的な傾向としてはやはりバイク専用駐車場が支持されており、便利と認識されているのは「コインパーキング」や「路上駐車場」になります。

駐車料金「１日500円」を許容する二輪ユーザーの割合は、東京都で59.3％、地方都市圏でも45.1％と半数前後に近い数字になっていて、少しずつ二輪の有料駐車場の存在が認められつつありますね。

バイクに乗っていない人に聞きました「バイク駐車場数が充実したらバイク利用を検討しますか？」

このアンケートでは、東京都で44.9％、地方都市圏でも52.7%と、約半数のノンユーザーがバイク利用を検討すると、予想以上の関心度の高さが伺われます。

更に利用検討をする人の中で、東京都は27％、地方都市圏は38.3％がバイクの購入にも関心を持っている事がわかりました。

ここまでで、バイク駐車場の充実は、１：バイクの利用率を高め、２：便利であれば、今では有料利用も認知が進み、そしてコロナ禍の中、３：ノンユーザーもバイクの利用が視野に入り始めている事が判りました。

今後のバイク駐車場設置ポイントを、利用率の高い実例からいくつかあげてみます。

実例１：原付（二種含む）が多い例：福岡市明治公園自転車駐車場

出入り口スロープにもバイコレーターが設置され、近年はピンクナンバー（原付二種＝125cc）の利用が増え、満車になる事も多いそうです。

実例２：駅近くの大型駐車場：箕面駅前第一駐車場

箕面駅から近く、新築で２階から４階建てに。24時間営業でセキュリティも向上、

駐車場の再生によって駅周辺の回遊性創出につながっているそうです。

免許取得者も増加、各社モデルも豊富な125ccは今後も需要拡大の期待が大きく、スペース的に可能な所から駐車区分の見直し（50cc➡125ccまで）や、125cc迄に特化して増やすだけでも、二輪利用の加速に繋がる可能性があります。

実例３：利用率の高い駐車場：三宮中央通り駐車場

ここは市役所に隣接していますが、駅にも徒歩７〜８分。満車に近い状況になる事もあるそうです。

実例４：年間利用一万台を超える：神戸市三宮中央通り駐車場

元町と三宮の間にあり、元々は自動車の駐車場でしたが、デッドスペースなど空きスペースを活用し、年間利用台数は2019年で１万6,958台にのぼっています。

この二つの駐車場は仕事、観光、ショッピング、駅にも近く、さまざまな目的で利用できる事が多くの利用に繋がっています。

また、数字には出ていませんが、多くのノンユーザーも目にする場所で「二輪の駐車が安全に出来る」と認識できる事は、下の調査結果からも潜在ユーザーの気持ちを動かす可能性があるでしょう。

◆駐車場が充実したら二輪の利用に関心があるノンユーザーは、７割以上「趣味/遊び」で、４割が「通勤」でもバイク駐車場を利用していと想定しています。

今までは、どうしても駐車場の数ばかりに目が行ってしまいがちでしたが、街の問題解決（放置車両等）や利用率の活性に加え、ウィズコロナの時代の中、需要動向やノンユーザーのポテンシャルも意識した取り組みが期待されます。