自宅で簡単セルフメンテ!愛車を安全で快適に保つためには定期的なメンテナンスが重要!
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今年も残すところあと数十日。人間だけではなくバイクも定期的な健診が非常に重要であり、普段からのお手入れ=メンテナンス(以下、メンテ)が行き届いてこそ、安全に末長く乗り続けることができます。
そこで今回は、セルフメンテのポイントについて、ライコランドTOKYO BAY東雲店の牧野裕和さん(以下、牧野さん)に、売れ筋(=人気)アイテムの紹介を絡めながら教えていただきました。
最近バイクショップで購入した方向けのセルフメンテ
まずは、最近バイクショップでバイクを購入した方のために、日常的なセルフメンテのポイントについてご紹介いたします。なお、ここでは新車・中古車を問わずバイクショップで購入した整備済みのバイクという前提で話を伺いました。
1:こまめな「エンジンオイル」交換
まず、最もポピュラーであり重要なメンテ箇所はエンジンオイルです。
新車の場合は“慣らし運転”といって、初回500km〜1,000kmまたは1ヶ月でエンジンオイルを交換する必要がありますが、それ以降は3,000kmまたは半年毎の交換が推奨されています。
交換用の新品エンジンオイル、廃油処理箱(汚れたオイルの処理箱)、ドレンボルト(エンジンオイル排出口のボルト) 用の工具、そして邪魔にならない作業場所さえあれば比較的簡単に交換できるため、ライダー自身で作業するケースも多いようです。
なお、高価なエンジンオイルに交換すれば、長持ちするというわけではありません。安価なオイルであっても、2,000km毎や4ヶ月毎など細かく定期的に交換する方がエンジンには優しいです。
2:できるだけ早い段階で車体を「コーティング」
新車でバイクを購入した際は当然のことながら汚れやキズはありませんが、バイクの走行距離に比例して、目に見えない汚れや細かなキズといった損傷は増えていきます。そのため、新車購入後のできる限り早い段階でコーティング※を施すことで、外装の劣化防止につながります。
コーティングはバイクショップでプロに施工してもらうこともできますが、ご自身でコーティング剤を購入して施工することも可能です。
ちなみに、現在バイク用品店で人気があるのは「CR-1パーソナル」というコーティング剤とクロスがセットになった商品。このセットで、汚れ取りからツヤ上げ、洗車キズなどの小キズ埋め、防汚コーティングができるのが特徴です。
※コーティング:油脂や樹脂やガラスなどといった成分の被膜でバイクを覆うことで、汚れやキズ、酸化から守るための施工で、中でもガラスコーティングとは100%ガラス成分の保護膜で形成されたコーティングで、費用が上がるものの、コーティングによってできる皮膜の持続時間が長くなると言われています。
3:外的ダメージから守る「バイクカバー」
バイクカバーといえば、風雨から守ることが主な目的ですが、日光から車体を保護する効果もあります。
日光(太陽光)には日焼けのもととなる紫外線も含まれており、この紫外線によって樹脂やタイヤの劣化が進みます。また、金属同士が接触しているチェーン周りなどもサビなどの影響を受けます。
日頃からバイクカバーを使用して、風雨のみならず紫外線から愛車を守ってあげることも、愛車を綺麗に保つメンテの一環と言え、さらにバイクカバーの利用により、防犯対策にも繋がります。
4:動力を伝える大事なパーツ「チェーン」
4つ目はチェーン※のメンテです。エンジンによって生まれた動力を車体に伝える大事な役割をするパーツの一つです。
チェーンメンテを怠ると燃費の低下や事故の可能性も高まるため、定期的な張り具合のチェックと、汚れ落とし+グリスアップでチェーンの動きを潤滑にさせつつサビを防止するメンテが非常に重要です。
なお、チェーンメンテのためのアイテムとしては、グリス、クリーナー、ブラシなどがセットとなった「EKメン(イーケーメン)」という商品が売れ筋とのこと。
※チェーン駆動のバイクに限ったメンテのポイントです
長期保有または個人売買で中古車を購入した方向けのセルフメンテ
次に、長期間保有している方や個人売買で中古車を購入した方に向けたセルフメンテのポイントについてご紹介いたします。
1:動力を地面に伝え、バイクを止める大事な役割を担う「タイヤ」
最も重要な箇所は、唯一地面と接するタイヤです。
まず、サービスマニュアル(バイクの取扱説明書)に記載されている適正な空気圧の数値であることを前提に、以下をチェックしましょう。
もし一つでも該当するようであれば、メンテナンスで済ませるのではなく、交換されることをお勧めします。
①最初に見て欲しいのは劣化を見分ける場所
車体の年式が新しくても、タイヤの山が残っていても、長期間置いてあった場合は劣化している可能性があります。
わかりやすいポイントはタイヤの側面です。
もし、そこにひび割れがあるようなら、使い始めてから長い年月が経っていることになります。オフロード用のブロックタイヤも、四角いブロックの間の表面にヒビが入っているケースもあるので確認をしましょう。
②次に減り具合やダメージ
タイヤ側面にある△マークの延長線上に、スリップサインというタイヤの摩耗を示すサインがあります。タイヤの溝内にある盛り上がった部分がそれであり、スリップサインまでタイヤが摩耗しているとタイヤの交換時期です。むしろ、スリップサインが現れるよりも前にタイヤ交換するよう心がけましょう。
もちろん、釘などが刺さった形跡はないか、減り方に偏りはないか、亀裂損傷は無いかなども同時に確認してください。
2:自分の視界と相手からの被視認性を確保する「灯火類(前後ライト&ウィンカー)」
まずはヘッドライトのハイ/ローそれぞれがしっかりと点灯しているか確認しましょう。
テールランプも、前後輪どちらのブレーキをかけても点灯するかチェックしましょう。さらに、ウィンカーもしっかりと点滅するか確認しましょう。もしも点灯/点滅しない場合は整備不良となりますので、必ず直してから走行しましょう。
3:出先で調子が悪くなると困るエンジン
最近のモデルではエンジンの電子制御化が進んでいるため、自分で行える範囲は限られますが、始動時やアイドリング時、走行時における異音や、スロットル開閉でスムーズに吹けあがるか、各部からオイルが漏れていないかなど、ご自身の目と耳を使ってチェックするというメンテナンスもあります。
何か異常かな思われる場合には、無理して自分で修理しようとせず、バイクショップに依頼した方が良いでしょう。
他にも定期的にメンテしてほしいポイント
前述のメンテ項目は、あくまでも代表的なポイントのみ記載しましたが、それ以外にもセルフメンテしてほしい箇所はたくさんあります。
- 冷却水の点検(水冷式エンジンのみ)=少なければ補充
- エアクリーナー=点検・洗浄もしくは交換
- スパークプラグ=点検・掃除(特に年式の古いもの)
- ブレーキ=ブレーキパッドの残量確認、ブレーキの効き具合点検
- クラッチ&ブレーキレバー=レバーの遊び確認、レバーのグリスアップ
本記事は、具体的なメンテ方法ではなく定期メンテの重要性について知っていただくべく概要的に記しましたが、各箇所・各パーツのメンテ方法については、メーカーや車種によって異なることが多いため、あらかじめバイクショップやバイク用品店、インターネットなどで調べたうえで把握しておくことも重要です。
また、日常的なセルフメンテを続けるなかで、ちょっとした異変や、手に負えないと思ったら、迷わずバイクショップに相談することをオススメします。
今年一年かなりバイクに乗った方は、来年も楽しく安全にバイクに乗るための準備として、上記ポイントをセルフメンテしてみてはいかがでしょうか。
番外編:セキュリティ強化もお忘れずに
定期的なメンテによって愛車をいつも万全な状態にしてあったとしても、愛車が盗難されてしまっては全てが水の泡です。そのため、後付けのバイクロックなどでセキュリティーを強化することも広義でメンテナンスと言えます。
なお、バイクカバーは防犯対策になるものの、盗難の抑止力が高いとは言い切れず、わざと見える場所にバイクロックするなどで施錠することも重要です。