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【梅雨明け前にやりたい】自分でできるバイクのオイル交換にチャレンジ!

梅雨を過ぎれば本格的なバイクシーズンの到来です。バイクに乗るのが楽しい時期を目前に、やはり気になるのは愛車の日常メンテナンスでしょう。先日の記事でもご紹介したように、若いライダーたちへのアンケートで彼らは愛車の日常的なメンテナンスについて高い関心を持っているという結果も得られています。

そこで今回は、数あるバイクの日常メンテナンスの中でも若いライダーたちの関心が特に高い「オイル交換」についての予備知識と一般的な手順をご紹介します。

アナタはなぜバイクに?若者40人突撃アンケート@東京モーターサイクルショー

 

なんでオイル交換が必要なの?

まず、なぜバイクはオイル交換が必要なのかについて解説します。

燃料(ガソリン)がエンジン内部に送り込まれ、シリンダー内で着火させて爆発を起こし、その爆発力を利用して後輪に駆動力を伝えます。その際に、密閉された状態であるエンジン内部では、精密な金属製の機械部品が激しく動作するのですが、こうした金属製の部品同士の摩擦を軽減し潤滑する役割を果たしているのがエンジンオイルです。したがって、エンジンオイル量が不足していたり著しく劣化(汚れなど)していると、エンジンの性能(パワーや燃費など)を低下させるほか、走行中に不具合を起こす原因となる可能性もあります。

一般的にオイル交換のタイミングは、走行距離3,000〜5,000kmごとに一度交換することが推奨されていますが、走行していなくても経年劣化が起こるため、上記の走行距離に達していなくても半年に一度の定期的なオイル交換が望ましいです。

なお、今回は2回に1回のオイル交換時に合わせて交換が推奨されているオイルフィルターの交換は行わず、オイル交換のみに焦点を当てて説明します。作業を始める前に以下の必要なものを確認しましょう。
※エンジンオイル中の不純物や異物をろ過する装置

 

実施前にスペース・オイル交換に必要なものを確認しましょう

まずは安全にバイクのオイル交換ができる環境、つまり作業中にバイクを動かしたりエンジンを始動させることを想定し、バイクの周りをヒト一人が移動できるほどのスペースは確保するようにしましょう。

そして、オイル交換を始める前にいくつかの情報を事前に調べておく必要がありますので以下に記します。

 

オイル交換前に確認すべきポイント

1. 自分のバイクに適合する純正オイルを把握する
純正オイルを用いれば間違いないと言われている理由は、いわずもがな各バイクメーカーの車両は基本的に自社製のエンジンオイルで開発されますので、おのずと純正オイルがベストマッチというわけです。カタログに記載する燃費なども当然純正オイル使用が前提となっています。

2. オイル交換時に何リットルのオイルが必要なのか
オイル量については一般的にオイル注入口の近くに記載があるので、そこを見るのが最も手っ取り早い確認方法です。インターネット検索で確認するのも便利ですが、車種によっては年式違いでオイル量が異なる場合もありますので注意が必要です。

3. ドレンボルトの位置を確認する
ドレンボルトとは、オイル交換時に古いエンジンオイルを抜くための排出口を塞いでいるボルトのことです。古いオイルの排出口なので、大抵のバイクはエンジン底部左側にあるのが一般的です。整備マニュアルなどを参照することもおすすめです。

 

オイル交換時に必要な工具&あると便利なアイテムリスト

右上からソケットレンチ、ソケット各種サイズ、エクステンション(ボルトまで届かない時に)、メガネレンチ、スパナ

1. 必要量の新品エンジンオイル
年間に複数回オイル交換をするという方は、1リットル缶よりも4リットル缶の方がお得です。

2. 廃油処理箱(オイル廃棄パック)
使用済みエンジンオイルは適切に廃棄処理する必要があるため、段ボールの中にオイルを吸い込む素材が入った廃油処理箱という商品が便利です。排出する使用済みオイルの量によって大きさを選択しましょう。間違っても使用済みオイルを下水道などに流さないでください。

3. ドレンボルトを外す際のメガネレンチもしくはソケットレンチ
ボルトの頭が見えている場合、メガネレンチもしくはソケットレンチを使いましょう。
スパナは、ボルトと接する部分が少ないため、滑ってボルトの頭をなめる(角を丸くしてしまう)ことがあります。

4. オイルジョッキ(1リットルのモノでもOK)
新品のエンジンオイルを注入するジョッキもあると便利です。注ぎ口を延長するノズルを装着すればオイル缶から直接注油することも可能ですが、オイルジョッキを使用すれば、オイルの量を計測しながら作業できるのがメリットです。

5. ゴム手袋とウエス(布)
排出されるオイルが高温である可能性があるほか、手指も汚れてしまう場合があるため、オイル交換作業に慣れない方はゴム手袋(キッチン用でもOK)を用意しましょう。
さらに、ドレンボルトやドレンボルト周りを拭くためのウエスに加え、手や工具を拭くウエスも用意しておくと重宝します。

6. トレイ
外したボルトを紛失もしくは汚さないようなトレイもあると良いでしょう。小さな缶や箱でもOKです。

 

作業1:なるべく汚れたエンジンオイルをたくさん出すために

エンジンオイルを交換する際には、なるべく汚れた使用済みのエンジンオイルを余すことなく排出したいものです。そこで、ドレンボルトを外す前に実施していただきたいのが、1分でも良いのでエンジンを始動させ暖機することです。これによりオイルの粘度が下がり、オイルが排出しやすくなります。

なお、ドレンボルトは一般的に反時計回りに回すことで緩められます。

 

排出されたオイルが黒ずみ汚れているのがわかります

ドレンボルトはしっかりと締まっているはずですので、まずはメガネレンチまたはソケットレンチで緩め、指で回せるくらいになったら、あとはドレンボルトを落下させてしまわないようにゆっくり緩めていきます。

 

流れ出てくる使用済みオイルを受け止めるために、しっかりと廃油処理箱を開いておきましょう。前回のオイル交換から4,000km程度走行したので、廃油はかなり黒ずみ汚れていることがわかります。

使用済みオイルの流れが止まりそうになったら、2〜3回セルを回してエンジンを動かし、車体を垂直にしてさらに残ったオイルを排出させます。

 

作業2:ドレンボルト周りのお手入れ

ドレンボルトやドレンボルト周りは普段あまり手入れができないので、再度締めこむ前に綺麗にしましょう。せっかくエンジンオイルを交換したにも関わらず、ドレンボルトに汚れが付着してしまっていたら元も子もないので、オイルクリーナーで吹き飛ばすかウエスで拭き取り、ドレンボルトの座面や銅ワッシャーなどにゴミがないことを確認してから締めこみましょう。

理想的にはトルクレンチ(決めたトルクに締め付けてそれに達するとカチッと音が出るレンチ)を使用して指定されたトルクでドレンボルトを締め込んだ方が良いので、今後もメンテナンスをするつもりであれば、トルクレンチの購入を検討しましょう。

 

作業3:まずは規定量よりも少量をジョッキにいれてオイル注入

使用済みオイルをきれいに抜ききったとしても、いきなり規定量のオイルを入れずに、まずは少な目の量の新品エンジンオイルを注入します。

オイル注入口のボルトを仮締めしてセルを数回まわし、車体をまっすぐにして点検窓のオイル量を確認。

 

作業4:規定量まで注ぎ作業完了

少なかったらまた少しオイルを足し同様にオイル量を確認。オイルが点検窓の上下の線に入るまでこれを繰り返して、規定量のオイルを入れます。

これでオイル交換作業は完了です。しかし、作業するスペースや工具の持ち合わせが無い場合、あるいはひとりで作業できる自信がない方などは、バイクを購入した販売店やバイクのメンテナンスサービスを提供している専門店に相談することをオススメします。

 

自分でメンテナンスできるようになれば自分のバイクにさらなる愛着が湧くほか、バイクの異常などにも敏感に気付けるようになりますので、今年の夏はぜひ一度、愛車のオイル交換に挑戦してみてください!

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