fbpx

バイクライフを末長く楽しむためのきっかけづくり「ヤマハライダースカフェ」

2023年5月8日から、新型コロナウイルスの感染法上の分類が季節性インフルエンザと同様の「5類」に引き下げられました。これによりリアルイベントを開催することができなかったバイク販売会社・メーカー各社も、ようやくコロナ前の営業活動に戻りつつあります。

こうした制限緩和の流れも追い風となり、昨年よりヤマハ発動機販売株式会社(以下、ヤマハ発動機販売)が始めたYAMAHA Rider’s Café(ヤマハライダースカフェ)には、多くの人々が訪れています。そこで今回は、盛り上がりをみせるヤマハライダースカフェを調査すべく、ヤマハ発動機販売新関僚さん(以下、新関さん)にイベントの主旨や訪れるライダーについて取材しました。

 

試行錯誤の後に辿り着いたヤマハライダースカフェ

実は、ヤマハライダースカフェの前身である“RIDER’S CAFÉ”は2015年に誕生しました。当時、バイクを買うことよりも購入後の楽しみ方のほうが重要だという事に気付き、“モノ消費”から“コト消費”へと時代の変化に対応するために、このカフェを始めました。バイクはなかなか個々人のライフスタイルには浸透していませんでしたが、考え方を変え、バイクライフをより身近なものにしようという狙いを持っていました。そして2022年にコンセプトを改め、現在のスタイルへと生まれ変わりました

 

ちょっとしたきっかけ、“近すぎない距離”がポイント

ヤマハ発動機販売の思いは、以下の3つです。

  1. 全国のヤマハ製バイクオーナーに乗るきっかけを提供したい
  2. バイク購入後の楽しみ方や仲間との交流を多くとっていただきたい
  3. 販売店も含めたオーナーとのコミュニケーションを深めていただきたい

これらの思いは功を奏しており、新関さんによれば、昨年は全国10カ所でヤマハライダースカフェを開催し、総来場者数は6,000人を超えたそうです。

参加者は、My YAMAHA Motor Web会員証(ヤマハファン向けのポータルサイトのWEB会員証)を提示するとオリジナルコーヒーとステッカーのプレゼントを受けることができます。さらに、会場に展示された話題のモデルに跨ることができるほか、アンケートに答えるとオイルのサンプルをもらうことができます。さらに、ヤマハカフェオリジナルTシャツやケミカル商品も購入することができます。

 

“集まるきっかけ”だけではなかった

会場を見渡すと、いくつかの傾向が見受けられました。

来場者の割合として多いのは、モデルの新旧に関係なく同じ車種に乗るオーナー同士がSNS上で連絡を取り合って集合し、互いの再会を喜びつつ会話に花を咲かせていました。

また、台数としては少ないものの注目を集めていたのは、希少なレアモデルや旧型車でした。そして、どちらにも共通していたのは、愛情を持ってバイクを大事にしており、きれいな状態に保たれていることはもちろん、細部のメンテナンスにも手が行き届いていることでした。

ヤマハライダースカフェは、多くのライダーにとってツーリングするための動機となり、モーターサイクルクラブの集まるきっかけや未経験者のツーリング目的地(または経由地点)となっていました

 

デビューライダーのきっかけとしても

東京からヤマハライダースカフェに参加していたA.M.さんは今回が2回目の参加。一年半前に普通自動二輪免許を取得したという彼女は、以前までは原付バイクに乗っていましたが、様々な制限が自身の用途に合っていないと感じ、思い切って250ccのバイクに乗り換えたと言います。

現在では、月に2〜3回はツーリングに出かけるほどバイクにハマっており、納車から一週間後には東京から島根県まで遠出したほどです。関東近辺の道の駅のスタンプラリーは制覇したため、今後は北海道などの遠方まで足を延ばしたいと目を輝かせていました。

晴れた日にはバイクでツーリングに出かけ、それ以外の日には編み物を楽しんでおり、うまくインドアとアウトドアの趣味を使い分けているそう。

 

静岡市から新しいバイクでヤマハライダースカフェに参加していたMさんは、SNSでヤマハライダースカフェの存在を知り、初めて訪れたそうです。彼は知人のバイクに同乗させてもらったことをきっかけにバイク特有の爽快感にハマり、4年前に普通自動二輪免許を取得し、昨年に大型自動二輪免許も取得したと言います。

今はまだ新しいバイクに慣れることが最優先だと話していますが、将来的には西の遠方までツーリングに出かけることを目標にしているとのことでした。

 

多くのライダーが集まるカフェの未来

ライダーが立ち寄る“きっかけづくり”として、1998年から開催しているカワサキ主催のカワサキコーヒーブレイクミーティング(KCBM)や、ライディングウェアブランドKUSHITANI(クシタニ)のコーヒーブレイクミーティングなど、以前からこうしたイベントの取り組みはありました。

内容としては無料でコーヒーを提供することに加え、主催社のカタログが置いてあり、ライダーから話かけられればスタッフが応対するという、至ってシンプルなものです。

しかし、この少しのブレイクタイムが、クールダウンの良い機会としてみなされ、道の駅などライダーが多く集まる施設から開催を要望されるほどになっています。

バイク用品メーカーが続ける地道なライダーとのタッチポイント作りとは?

 

これらのカフェに参加することで、同じ趣味を持つ同士とのコミュニケーションに楽しさを見出し、それぞれの想いに共感し、思い出を共有するだけでなく、しばしの休息を取ることで心身ともにリフレッシュも図っているようです。

ヤマハライダースカフェも今後も継続的に続けて欲しいものですが、ずっと今のままが良いかどうかは参加して頂いたライダーからのコメントを参考に考えていることでしょう。これからの展開も楽しみです。

RECOMMEND

あなたにオススメ