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バイクの駐車場設置活動のその後に迫る!

都内では、江東区で条例が改正され、自転車駐輪場で原付二種の利用受け入れが可能になったほか、渋谷区では、都条例改正に伴う整備基準によって新設される大型商業施設において、バイク専用駐車場(以下、バイク駐車場)がかなり増えました。

全国的に見ると、いまだバイク駐車場は自動車駐車場と比較すると必要数の1/6であり、どこへ出向いても不自由なく停められるというレベルにまでは達していないものの、毎年着実に増えているのは事実です。

では、バイク駐車場はどのようにして増えているのか、またバイク駐車場の形態にどのような変化があるのかについて、バイク駐車場の設置推進活動を続ける日本二輪車普及安全協会(以下、日二普協)にお話を伺いました。

 

ご存知ですか?あなたの要望でバイク駐車場が出来る可能性が!

日二普協「全国バイク駐車場案内」に掲載されているバイク駐車場数の推移(日二普協調べ)

日本最大級のバイク駐車場情報ページである、日二普協運営の「全国バイク駐車場案内」には、2021年9月末日時点で全国に25,498箇所のバイク駐車場が掲載されています。また、掲載されているバイク駐車場の総数は、ページ開設から毎年増加傾向にあります。

さらに、日二普協のサイトには「バイク駐車場ここに作って!リクエスト」という駐車場誘致リクエストのフォームがあり、年間で約500件の要望が寄せられいます。

これらの要望は、日二普協によってデータ集積され、各自治体、駐車場関連団体、民間駐車場事業者に対して、要望を継続的に提供できるシステムになっているのです。

なお、2020年はコロナ禍の影響で要望数は月20件ほどに減りましたが、それまでは月約40件前後のペースで要望が届いていたとのこと。もしもバイク駐車場の設置を望むエリアがあるのであれば、日二普協のリクエストフォームに投稿されてみるのも良いでしょう。

 

バイク駐車場設置要望(ここにつくって)全国要望属性(日二普協調べ)

また、月極と時間貸しの比率は、月極の要望が年々増加傾向にある事から、所有としての駐車スペース需要が高まっていると推測されます。さらに排気量別でみると、駐車スペースに困ることが比較的少ない排気量50ccクラスのバイクでは、月極よりも時間貸しの設置を望む声が高く、対して排気量51cc以上では、月極バイク駐車場の要望が多くなっています。特に、趣向性の高い排気量126㏄以上のバイクでは、月極/時間貸し共に設置を望む声が非常に多く、駐輪場設置を望む声の実に8割を占めています。

 

バイク利用者増加に比例して高まるバイク駐車場の需要(日二普協調べ)

2017年頃までは、月極と時間貸しの割合がほぼ同等でしたが、2018年以降からは時間貸しバイク駐車場の掲載件数が急激に増加しています。一方、月極駐車場の掲載件数は2021年は2018年の2倍近くになっているものの、先の通り、新規バイク免許取得者数の増加や、昨今の教習所入所者数急増を鑑みると、月極バイク駐車場の大幅需要増に対する駐車場数不足となっており、結果的に要望に反映されているのかもしれません。

 

また、シェアリングエコノミーの波は、バイク駐車場にもイノベーションをもたらしており、スマホで簡単予約&支払いのできる予約制の駐車場シェアリングサービスが急増しています。

実際に日二普協のページでも、「予約制」と明記された駐車場が数多く掲載されており、掲載数の多さからこれらサービスへの需要の高さも伺えます。

 

「予約制駐車場」が需要に応える可能性を秘めている

世田谷区某所にある予約制駐車場の例

10月某日。実際に世田谷区にある予約制駐車場を見てみました。こちらの駐車場の場合、駐車スペースがクルマと共用でしたので、バイク利用の場合は広々と停められます。

また、この場所は最寄駅から少し離れた閑静な住宅街にあり、時間貸しバイク駐車場の不毛地帯でもあります。

一般的に、集合型の時間貸しバイク駐車場は、利用者数および利用率の見込める商業施設や繁華街の中心地といった場所への設置が多くみられますが、予約制駐車場の場合は、個人宅や集合住宅などにある空きスペースの有効活用を前提とした新設が多いので、繁華街よりも住宅地などへの設置が目立ちます。そのため、意外と目的地の至近に停められる可能性も高いのです。もちろん、事前予約制がゆえに満車で並ぶこともないため、スケジュールが狂うこともありません。

繁華街や駅周辺などへのバイク駐車場設置を望む声も高いですが、今後はこういった駐車場シェアリングサービスの拡大によって、よりニッチな駐車需要に応え、結果としてバイク利用者の要望を広くカバーできる可能性を秘めています。

 

バイク駐車場はどのようにして増えているのかについては、駐車場設置の要望を受け入れ自治体に展開する仕組み、そしてバイク駐車場の形態にどのような変化があるのかについては、駐車場のシェアリングサービスなどによって、バイク駐車場の選択肢がますます増えています。さらに利用環境改善により、バイク駐車場の利用率が上がることで、さらなる新設という好循環も期待できます。

とはいえ、大都市圏のバイク駐車場設置要望件数が全要望件数の過半数を超えており、それを裏付けるように駐車違反件数が多いのも実情です。バイクを取り巻く駐車場の問題は、ユーザーの利便性向上を目指し日々着実に改善されているものの、大都市を抱える自治体においては、より一層のバイク駐車場拡充をぜひ検討して頂きたいものです。

日本二輪車普及安全協会「全国バイク駐車場案内」

https://www.jmpsa.or.jp/society/parking/

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