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予約制駐車場が慢性的なバイク駐車場不足の問題解決につながるのか?

バイクを楽しむためには、何よりも停める場所の確保が重要です。しかし、都市部では駐車場は増えているものの、まだまだ慢性的なバイク駐車場不足が問題となっており、東京都もバイク駐車場の整備には前向きに取り組んでいるけれども場所によっては足りていない状況のためバイクを利用することを躊躇ってしまう人も少なくないのが現状です。そんな中、新たな解決策として急速に広がっているのが「予約制時間貸しバイク駐車場」です。今回の記事では、このシェアリングビジネスという新しい形態の駐車場がどのようにバイク駐車場不足の解決に寄与するのか、その現状と可能性について、日本最大級のバイク駐車場案内サイトを運営している一般社団法人 日本二輪車普及安全協会(以下、日本二普協)にお話を伺いました。

 

慢性的なバイク駐車場不足とその背景

akippa株式会社によるアンケート調査より(全国有効回答数288、対象:過去に「オートバイ」を車種選択して駐車場を予約したユーザー、調査対象期間:2022年7月25日〜8月1日)

主に都市部でバイクに乗るライダーの多くが感じている問題、それは「バイク駐車場不足」です。慢性的に時間貸しバイク駐車場の空きがないため、街中に気軽にバイクを停めることができず、バイクに興味こそあるものの購入を躊躇させる要因のひとつにもなっています。

この問題は、2006年6月の改正道路交通法によって放置駐車車両確認事務の民間委託が始まったことが一因とされています。これにより駐車監視員による放置駐車違反の取り締まりが急増し、時間貸しバイク駐車場が不足する一方で、バイクの販売台数にも大きな影響を及ぼしました。政令指定都市への二輪車駐車場の附置義務条例制定・改正の要請や警察庁への取り締まり緩和などに関する陳情は続けられていますが、数年のうちにバイク駐車場が劇的に増える可能性は低いと見られています。

 

趣味としてのバイク利用増加とオンライン決済の普及

コロナ禍によりバイクを趣味の一つとして楽しむユーザーが増えました。また、様式の変化に伴い、非接触型の会計、つまりオンライン決済への抵抗が和らいだことも助け、新たな駐車場サービスの普及にもつながりました。

具体的には、自宅の軒先や集合住宅の空きスペースなどを、個人や法人が駐車場として貸し出す予約制の時間貸駐車場が急激に増えているのです。主な事業者としては、例えば「akippa(あきっぱ)」や「特P」などのサービスが挙げられます。

 

予約制時間貸しバイク駐車場の現状と利点

全国バイク駐車場案内 掲載内容種別別推移(資料提供:日本二普協)

 

全国バイク駐車場案内 掲載内容予約制推移(資料提供:日本二普協)

日本最大級の掲載件数を誇るバイク駐車場案内サイト「全国バイク駐車場・駐輪場案内」を運営している日本二普協の調査によると予約制時間貸しバイク駐車場の掲載件数は2017年頃から急速に物件数を伸ばし、2023年6月末時点では、同サイトに掲載されているバイク駐車場の総数32,883件のうち、予約制時間貸しバイク駐車場が20,404件と半数以上を占めるにまで拡大しました。

 

筆者自身が実際に予約制時間貸しバイク駐車場を使ってみて感じたのは、その利便性の高さです。事前精算済みであるため小銭の心配がなく、何より予約制なので確実に停められる点が魅力的です。また、バイクにスマホを装着してナビとして使用するライダーが多い昨今、ナビアプリに駐車場の場所をあらかじめセットしておけば迷うこともないでしょう。さらに、駐車場には大抵の場合、予約制駐車場サービスのロゴマークなどの看板が貼ってあるため、見つけやすいです。

 

なぜ予約制時間貸しバイク駐車場は増加傾向なのか?

それでは、なぜ予約制時間貸しバイク駐車場は年々増え続けているのでしょうか。この疑問を解消すべく、予約制の時間貸駐車場の先駆け的存在であるakippa株式会社の広報担当 森村優香さん(以下、森村さん)にお話を伺いしました。

akippaでは、バイクで利用できる駐車場の数も増えています。それに伴い、バイクでの駐車場予約数も増えてきており、2019年5月と2023年5月の「バイク利用時の予約数」を比較してみると、約2.2倍になっています。

そのためakippaでもバイクが停められる駐車場需要が高くなってきていることを如実に感じています。

駐車場を提供してくださるakippaオーナーさまも「クルマおよびバイクが利用可の駐車場」として貸し出されることはもちろん『遊休スペースはあるものの、クルマを止めるほどのスペースがない』という方が“バイク専用駐車場”として貸し出すケースもございます。

また、akippaは事前にユーザー情報を登録した上で駐車場を利用していただくため、一般的なコインパーキングのように匿名利用ではありません。

そのため、きちんとマナーを守り利用される方が大半を占めます。さらに、万が一駐車場で何かトラブルが発生した場合に備えて、24時間365日対応のサポート窓口も設置しているため、駐車場オーナーさまも安心してお貸しいただいております。

なるほど、クルマを駐車させるほどスペースに余裕はないものの遊休地を活用したい、そういったオーナーに対する安心のサポートも万全であることが、バイク用の駐車場の登録につながっているようです。

 

予約制時間貸しバイク駐車場の課題と可能性

さらに、予約制時間貸し駐車場を利用されるユーザーの声についても森村さんにお伺いしました。

ユーザーさまからはバイクが止められる駐車場が少ないなか、事前に目的地周辺の駐車場を検索・予約できるため、安心してお出かけができるといった声もいただいております。

確かに、外出先で時間貸しのバイク駐車場を探すのは非常にやっかいなものです。

全ての予約制時間貸しバイク駐車場が、駅周辺などの公共交通機関から近い場所や繁華街の至近にあるわけではありません。しかし、必ずしもそうした人流の多い場所に用事があるわけではないため、これが課題とは言えません。

むしろ、これまでバイク駐車場が少なかったエリアに駐車場が新設されることで、新たなバイクライフが開かれるかもしれません。そして、この予約制時間貸しバイク駐車場が、慢性的なバイク駐車場不足問題の解決策になるとなり、バイク需要拡大の後押しともなる可能性があります。

 

ライダーにとって、予約制時間貸しバイク駐車場の活用は、今後ますます重要となるでしょう。その需要が加速すれば、一層ビジネスモデルとしてwin-winな生態系が築け、バイク環境がより良くなる可能性もあります。

バイク駐車場不足問題の解決策として私たちライダーが取るべきアクションは、政府や自治体による駐車場の拡充を待つよりも、予約制時間貸しバイク駐車場を積極的に利用することが有効なのかもしれません。

全国バイク駐車場・駐輪場案内 – 一般社団法人 日本二輪安車普及安全協会

https://www.jmpsa.or.jp/society/parking/

akippaバイクユーザーへのアンケート結果(2022年) – PR TIMES

https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000364.000016205.html

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