二輪専門誌の編集長に聞く、おすすめ道の駅10選

全国各地でロケや取材を重ねるバイクメディアの編集長たちは、これまで数えきれないほどの道の駅を訪れてきた“道の駅通”でもあります。本連載「バイクメディア編集長に聞く」第3弾のテーマは、ツーリングで立ち寄りたいおすすめ道の駅。休憩やご当地グルメ、地域ならではの名物を楽しめる道の駅は、単なる中継地点ではなく、それ自体が愛車で目指したくなる目的地にもなります。今回は「モトツーリング」「BikeJIN」「MotoMegane」「ヤングマシン」「Off1.jp」の編集長5名に、それぞれ2カ所ずつ、計10カ所を選んでいただきました。

「モトツーリング」神田英俊編集長が選ぶ、おすすめ道の駅

ツーリングライダーのための情報誌「モトツーリング」の神田編集長は、自ら実走しながら道の駅を巡ってきた一人。今回は、王道の一駅と、ひとクセある個性派の一駅を紹介します。

道の駅 おたり

神田編集長があげるのは、長野県北安曇郡小谷村にある「道の駅 おたり」。源泉かけ流しの温泉を併設し、ツーリングの疲れをそのまま癒せます。

地酒も豊富。銘酒「小谷錦」もここで購入できます

さらに、小谷村の特産品の品揃えが充実しており、神田編集長が太鼓判を押すのが、「小谷杜氏」の流れを汲む地酒「小谷錦」です。

「温泉が併設されているのはツーリングライダーにとって嬉しいポイントではないでしょうか。小谷村の特産品の品揃えも非常に良くて、そば粉やお米など地元産の食材を使った食事ができます。2つのうち一つをここに決めた理由になったのが、『小谷錦』という日本酒。小谷村は歴史的にこのお酒で名を馳せてきた村で、小谷杜氏のグループには大雪渓や大信州酒造といった名だたる蔵元も名を連ねています。一升3,000円台とお手頃価格ながら、名酒中の名酒。これを買うためだけに訪れる人も多いんですよ」

住所長野県北安曇郡小谷村北小谷1861-1
営業時間・定休施設・時期により異なるため、公式サイトを確認
公式サイトhttps://www.michinoeki-otari.com/

道の駅 針テラス

奈良県奈良市にある「道の駅 針テラス」は、西日本最大級の道の駅として知られています。多くのライダーが訪れる道の駅としても有名ですが、神田編集長が注目したのはそのすぐ足元。名阪国道・針インターチェンジの旧ランプウェイの廃墟が今も残っているという点です。

旧針インターは比較的簡易な規格で建設され、出入口直近まで分離帯が存在していません。現在の常識で考えると非常に簡素なイメージですが、これが当時の常識でもあり、当時のままの時間が感じられると言います

「選んだ理由は、廃墟があって、面白いからです。名阪国道・針インターのランプウェイの廃墟が、針テラスのすぐ近くって本当に歩いて行ける距離にあって、当時の遺構や看板もがっつり残っています。針テラス自体がこの針インターを改造して作られた施設のため、当時の遺構や看板が随所に残り、現役の道の駅と廃墟が同居する独特の景観に惹かれますね。古い歴史やその背景ごと楽しめる、最高に面白い道の駅だと思います」

※旧ランプウェイ周辺には立入禁止区域があります。現地の案内や規制に従い、立入禁止区域には入らないでください。

住所奈良県奈良市針町345
営業時間各店舗を確認
公式サイトhttps://hari-trs-northlily.com/

「BikeJIN」盛岳郎編集長が選ぶ、おすすめ道の駅

全国各地のロケを重ねる中で道の駅を巡ってきた「BikeJIN」の盛岳郎編集長。取材で鍛えた“道の駅通”が選んだのは、印象的な2カ所です。

道の駅 ちくら・潮風王国

「道の駅 ちくら・潮風王国」は、太平洋を望む房総半島南端に位置し、目の前に広がる海と、千倉港に水揚げされたばかりの新鮮な海鮮が楽しめる場所。海沿いを爽快に走れる「房総フラワーライン」沿いに位置し、房総半島ツーリングのルートに組み込みやすい立地も魅力です。中でも盛編集長が印象に残っているのは、肉厚な「アジフライ」だそうです。

「太平洋を望む抜群のロケーションと、千倉港直送の新鮮な海鮮が楽しめる、房総ツーリングの鉄板スポットです。ここで食べたアジフライがとにかく大きくて、『自分史上一番大きくて美味しい!』と衝撃を受けました。潮風を感じながら食べるあの味とボリュームは、今でも強烈に印象に残っています」

住所千葉県南房総市千倉町千田1051
営業時間9:00~17:00 水曜定休(1~3月、8月は無休。店舗により異なる)
公式サイトhttps://shiokaze-oukoku.jp/

道の駅 雫石あねっこ

岩手県岩手郡雫石町にある「道の駅 雫石あねっこ」は、橋場温泉を引いた日帰り温泉を併設し、「走る・食べる・浸かる」がこの1カ所で完結する、旅の締めくくりにぴったりの道の駅です。旨味の詰まった雫石牛のグルメも見逃せません。盛岡方面から田沢湖・角館や八幡平へと抜けるルート上にあり、東北のワインディングを楽しむツーリングの拠点・ゴールとしても重宝します。

「本格的な温泉を併設していて、『走る・食べる・浸かる』が1カ所で完結する非常に優秀な道の駅です。雫石牛でしっかり腹ごしらえをしてから併設の温泉に入るのが最高のルーティン。ひと風呂浴びてサッパリしたあとは、火照った身体を休めつつ帰路につくのも良いですし、近隣でゆっくり宿泊するのもおすすめです」

住所岩手県岩手郡雫石町橋場坂本118-10
公式サイトhttps://www.anekko.co.jp/

盛編集長が語る、道の駅と地方活性化への期待

「ライダーにとって道の駅は、単なる休憩所ではなく“その土地のカルチャーや食に触れる最初の玄関口”です。風や匂いを全身で感じて走ってきたからこそ、現地で味わうローカルフードや温泉、景色がより強く心に残ります。ライダーが全国の道の駅を訪れ、その土地のものを楽しみ、消費することが、持続可能な地方活性化の大きな推進力になると信じています」

「MotoMegane」上田慎一郎編集長が選ぶ、おすすめ道の駅

全国のツーリングルートを取材で巡ってきた「MotoMegane」の上田編集長。景色と味、両方の観点から、2つの道の駅をおすすめいただきました。

道の駅 美ヶ原高原

1つ目に選ばれたのは、長野県上田市にある「道の駅 美ヶ原高原」。日本一標高の高い場所にあるといわれる道の駅で、夏の避暑ツーリングに最適な涼しさが魅力です。天気の良い日には八ヶ岳や南アルプス、富士山まで見渡せるツーリングに最適な場所にあり、オリジナルスパイスを使った手作りカレーや、長野の郷土料理「おやき」はぜひ味わいたい一品とのこと。

「日本一標高の高い場所にあるので、夏の避暑ツーリングに最適です。周辺を走る『ビーナスライン』は、茅野市から白樺湖までの高原リゾート地、白樺湖から霧ヶ峰にかけての標高約1,400mの高原地帯を抜ける全国屈指の絶景ロードで、山の尾根を走るワインディングは周辺の山を一望できる絶好のロケーションです。景色と走り、どちらも楽しめる人気のツーリングルートです」

住所長野県上田市武石上本入2085-70
営業期間9:00〜17:00 例年4月下旬~11月中旬(冬期休業あり)
公式サイトhttps://m-utsukushigahara.jp/

道の駅 東松島

2つ目は、宮城県東松島市にある「道の駅 東松島」。2024年11月にオープンした比較的新しい施設です。航空自衛隊松島基地のお膝元という立地を活かし、ブルーインパルスのイメージカラーである青と白を基調にしたデザインが目を引きます。

高台からは太平洋の眺望とともに、松島基地所属のブルーインパルスの訓練飛行を見渡せるのが最大の魅力。ご当地グルメの東松島海苔ラーメンや、ブルーインパルスグッズも充実しています。日本三景・松島や牡鹿コバルトラインにも近く、三陸方面ツーリングの中継地点として便利です。

「ブルーインパルスの飛行訓練を見ることができる壮観な道の駅です。東松島市は国内有数の海苔の産地で、東松島海苔ラーメンは必食。飛行訓練は平日に実施されることが多いので、観覧目的で訪れる場合は平日狙いがおすすめです」

住所宮城県東松島市小松字上二間堀112-5
公式サイトhttps://www.michinoeki-higamatsu.com/

上田編集長が語る、道の駅と地方活性化への期待

「道の駅は、その土地ならではの景色や食、特産品、人とのふれあいを通じて、地域の魅力を気軽に体感できる貴重な拠点だと感じます。ツーリングで各地を巡ることが地域への来訪機会を増やし、観光や地元消費の促進につながることで、持続的な地方活性化に貢献することを期待したいですね」

「ヤングマシン」山形悠貴編集長が選ぶ、おすすめ道の駅

全国各地で取材を重ねてきた「ヤングマシン」の山形編集長。おすすめの2つに選んだのは、美肌の湯で知られる一駅と、北信エリアツーリングの拠点となる一駅でした。

道の駅 きつれがわ

栃木県さくら市にある「道の駅 きつれがわ」は、場内に「日本三大美肌の湯」に数えられる喜連川温泉を併設し、気軽に立ち寄れる足湯も用意されています。お土産には、喜連川温泉の湧出を記念して名付けられた「温泉パン」が人気です。

「場内にある日本三大美肌の湯に浸かれるのが一番の魅力です。足湯もあるので、ちょっと立ち寄って疲れを癒すのにもぴったり。お土産には温泉パンがおすすめです。また、周辺には、時代の記憶を今に伝える『喜連川スカイタワー』の廃墟や、喜連川藩の城下町の面影を伝える用水路『御用堀』もあり、ツーリングルートに組み込みやすいスポットです」

住所栃木県さくら市喜連川4145-10
公式サイトhttps://michinoeki-kitsuregawa.jp/

道の駅 おがわ

長野県上水内郡小川村にある「道の駅 おがわ」は、北信エリアのツーリングの拠点に最適な立地。地元の郷土料理「おやき」などが味わえるほか、周辺の見どころも充実しているそうです。

「北信エリアツーリングの拠点にもってこいの道の駅です。手打ちの信州そばやおやきなど、地元の味も充実しています。小川アルプスラインや鷹狩山、松川河川公園など、周辺の見どころも多いですよ」

住所長野県上水内郡小川村大字高府1502-2
公式サイトhttps://www.vill.ogawa.nagano.jp/kankou/spot/michinoeki/

山形編集長が語る、道の駅と地方活性化への期待

「道の駅は気軽に地元料理を味わえるのがいいですよね。針テラスなどのように、多くの道の駅がツーリングコミュニティの核となっていくことを期待しています」

「Off1.jp」稲垣正倫編集長が選ぶ、おすすめ道の駅

オフロードバイクの祭典やレースの遠征で全国を飛び回ってきた「Off1.jp」の稲垣編集長。以下の2カ所は、遠征の合間に立ち寄ってきた思い出の道の駅です。

道の駅 能生(マリンドリーム能生)

1つ目は、新潟県糸魚川市にある「道の駅 能生」。愛称は「マリンドリーム能生」。日本海側最大級のベニズワイガニ直売所「かにや横丁」が並び、カニ小屋が軒を連ねる光景は圧巻です。

「道の駅能生にはカニ小屋がずらっと並んでいて、ベニズワイガニをたらふく食べられます。カニだけじゃなくて、イカなどの海産物も豊富。オフロードレース(JNCCや全日本エンデューロ選手権)の遠征で何度も立ち寄った、思い出深い道の駅です」

住所新潟県糸魚川市能生小泊3596-2
公式サイトhttp://www.marine-dream.net/

道の駅 ゆうひパーク三隅

2つ目は、島根県浜田市にある「道の駅 ゆうひパーク三隅」。日本海に沈む夕日を一望できるフォトジェニックな景観が魅力です。ここでしか見られない、とっておきの景色を楽しめます。

「三隅は素晴らしい景色が見えます。国内外のさまざまな場所で取材をしてきましたが、ここは本当にフォトジェニックな場所だと思います。同じ浜田市内に『道の駅 ゆうひパーク浜田』もあり、そちらもすさまじい夕日が望めるのですが、三隅では、日本海の景色と山陰本線を走る列車が重なり、さらに旅情を感じさせます。その圧巻の景色を見るためにぜひ寄っていただきたいです」

住所島根県浜田市三隅町折居220-1
公式サイトhttps://kankou-hamada.or.jp/guidepost/6175

今回登場した5誌の編集長が選んだ道の駅は、道路の歴史を感じられる個性派スポットから、地酒も目当てになる一駅、海の幸を堪能できる港町、高原の絶景ロード、ブルーインパルスを望む新スポット、鉄道と夕日が重なる名所まで、エリアも魅力も実に多彩でした。それぞれの道の駅には、休憩やご当地グルメだけでなく、その土地ならではの歴史や文化、人との出会いが詰まっています。

ツーリングプランを立てるときは、走るルートを起点に考えるだけでなく、今回のような“立ち寄りたい道の駅”から逆算してルートを組んでみるのもおすすめです。愛車で目指したくなる目的地を見つけることが、その土地を訪れ、地域の魅力に触れるきっかけとなり、地方活性化の一助にもなるはずです。

モトツーリング(Xアカウント)

https://x.com/mototouring

BikeJIN

https://www.bikejin.jp/

MotoMegane

https://www.motomegane.com/

ヤングマシン

https://young-machine.com/

Off1.jp

https://www.off1.jp/

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