
2026モーターサイクルショー徹底レポート
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2026年のモーターサイクルショーは、大阪・東京・名古屋の3会場で開催され、国内外メーカーの最新モデルや多彩な体験型コンテンツで来場者を魅了しました。さらに、電動化や新技術に関する展示に加え、初心者や若年層へのアプローチも一層強化されるなど、バイク業界の「いま」と「これから」を体感できる場となりました。本記事では、各会場の特徴とともに、注目のトレンドや主要メーカーの動向を振り返ります。
2026年モーターサイクルショーの全体像とトレンド
今年のモーターサイクルショーでは、名車の系譜を継ぐリバイバルモデルやバラエティに富んだ新型車の発表、電子制御技術や電動マシンなどが話題となりました。また、単なる車両展示にとどまらず、試乗会や参加型企画などの「体験型イベント」も充実していました。バイクに乗る楽しさを多角的に伝える工夫が随所に見られ、特に若年層や初心者を意識したフレンドリーな雰囲気づくりが印象的でした。
国内4メーカーの動向:独自の個性が光る展示
カワサキ:ライフスタイルの提案
テーマは「乗るカワサキ」「着るカワサキ」。最新モデルへの跨り体験を中心に据えつつ、カワサキ正規取扱店「カワサキプラザ」でしか手に入らないアパレルやグッズの展示・販売コーナーを設置。生活にカワサキが溶け込むような、ライフスタイル全般をプロデュースする構成でした。

カワサキブースの主役を飾ったのは多様な車種の跨りブースです。新型Z900RSシリーズをはじめ、2月に発売されたNinja 500は誰でも跨ることができ、今まさに旬な一台として高い関心を集めました。さらに、カワサキ公式SNSのフォロワー限定で、2026年夏の国内導入を控えたNinja ZX-10Rに実際に跨って写真撮影ができるという特別な体験企画も用意され、憧れのマシンを間近に体感しようとするファンが集まり、絶え間ない行列ができていました。
車両展示では、ハイブリッドモデル「Ninja 7 Hybrid」から、レトロな「W230」「MEGURO K3」、オフロードの「KLX230 SHERPA」まで、幅広いカテゴリーの最新車に直接触れられる「体験の密度」が非常に高いブースとなっていました。

また、「着るカワサキ」を象徴するコーナーでは、普段は店舗でしか購入できないウェアや小物をその場で販売。バイクをファッションの一部として楽しむ現代的なスタイルを提示しました。さらに、Z900RSと老舗ブーツブランド「RED WING」のコラボブーツが抽選で当たるキャンペーンも実施され、会場に展示された製品の質の高さが大きな話題を呼んでいました。
スズキ:ファンが集う「ガレージ」
スズキは「SUZUKI FAN’S GARAGE(スズキ ファンズ ガレージ)」をテーマに、秘密基地のような親しみやすいブースを展開。最新ラインナップを身近に見て・触れることができる演出で、ライダーの憧れを形にした遊び心あふれる空間を提案していました。

展示のなかでも熱い視線を浴びていたのが、800ccクラスの新たな中核を担う「GSX-8T」と「GSX-8TT」です。最新の775cc並列2気筒エンジンと先進的な電子制御システムを搭載。それでいて、親しみやすい丸型LEDヘッドライトを採用したどこか懐かしさを感じさせるデザインに仕上げられており、高性能な走りとクラシックな様式美を絶妙なバランスで両立しています。ブースの入り口付近に展示されており、スズキを象徴する注目の一台として多くの来場者を惹きつけました。
また、長らく復活が待ち望まれていたデュアルパーパスモデル「DR-Z4S」とスーパーモトモデルの「DR-Z4SM」も展示。軽量でタフな走行性能を予感させるその姿は、オフロードファンのみならず、ストリート層からも大きな期待を寄せられていました。

ブース内では、スズキを代表するモデルである「Hayabusa」や「KATANA」が圧倒的な存在感を発揮し、ブランドの伝統と存在感を示していました。その一方で、未来を見据えた技術展示も充実しており、参考出品の新型「SV-7GX」や「GSX-R1000R」といった車両に加え、サステナブルなモータースポーツへの挑戦を続けている「GSX-R1000R(CNチャレンジ)」が展示され、スズキらしい技術志向と次世代のモータースポーツを見据えた姿勢を強く打ち出していました。
※CN=カーボンニュートラル
さらに、都市型移動の未来を提案する「次世代モビリティ」として、ペダル付き折り畳み電動バイク「e-PO」やEVスクーター「e-Address」など、より身近で軽快なライフスタイルに寄り添うモデルが並び、バイクの可能性がさらに広がっていくことを予感させました。


大手VTuber事務所に所属する、人気VTuber輪堂千速さんとのコラボブースでは、その世界観を表現した空間に、本人がデザイン原案を手掛けたコラボ車両が展示されていました。輪堂さんのファンに加え、若年層も多くコラボブースを訪れており、フォトスポットとして賑わいをみせていました。

また、東京会場で実施されたトークショーではスズキブースを埋め尽くすほどのファンが来場していました。
これらの多彩な車両が「ガレージ」を模した親しみやすい空間に配され、多くのファンが実際に触れながらスズキの魅力を深める場となっていました。

例年よりスペースを拡大した物販コーナーは、「木組み」をアレンジした温もりのあるデザインで、定番グッズから、モーターサイクルショーオリジナルグッズまで幅広く販売していました。
ホンダ:次世代への挑戦


ホンダブースでは「Next Stage」をテーマに掲げ、内燃機関のさらなる深化と、次世代の電動バイクの可能性を同時に提示。ステージコンテンツも豊富で、技術と走りの楽しさを多角的にアピールしていました。

会場でひときわ大きな注目を集めたのが「CB400 SUPER FOUR E-Clutch Concept」。伝統を受け継ぎつつ現代のスペックを纏ったその姿は、世代を超えたファンから熱い視線を集めていました。また、次世代を象徴する「Honda WN7」は、ホンダ初となる「FUNモーターサイクル」タイプの電動ネイキッドとして登場。単なる実用的な移動手段に留まらない、EVならではの「走る楽しさ」を追求した姿勢に、新しい時代のバイクライフを期待させる注目の一台となりました。

他にもコンセプトモデルとして「V3R 900 E-Compressor Prototype」も展示されました。電子制御過給機を搭載したV型3気筒エンジンという、まさに「技術のホンダ」の真骨頂ともいえる独創的なアプローチで来場者を魅了しました。
さらに、クラッチ操作を不要にする新機構を搭載した「CBR400R FOUR E-Clutch Concept」も展示。スポーツライディングの門戸を大きく広げるこの次世代技術は、ベテランからビギナーまで幅広い層から高い関心が寄せられていました。

そして、ホンダのレーシングスピリットを示す展示が、二輪ロードレースの最高峰、MotoGPで戦う「Pro Honda LCR」のRC213Vや、JSB1000に参戦する「Astemo Pro Honda SI Racing」のCBR1000RR-Rの展示です。実戦マシンたちが放つ究極の機能美や、最先端技術が注ぎ込まれたマシンの迫力を間近で体感できる、密度の高い空間となっていました。
ヤマハ:遊び心の追求

ヤマハブースでは、「ヤマハで楽しもう」をテーマにデザイン性の高い車両とモータースポーツの熱量を融合させた展示を展開。洗練されたスタイルの中に、バイク本来の「遊び心」を詰め込んだ空間となりました。

往年のストロボカラーを纏った「XSR900 GP(USインターカラー)」が入り口付近に展示され、ベテランライダーには当時の記憶を呼び覚ます懐かしさを、若年層には洗練されたレトロを感じさせました。

大阪モーターサイクルショーで日本初披露され、話題をさらったスポーツスクーター「新型 エアロックス155」は、迫力ある140幅のワイドなリヤタイヤと、新世代変速ユニット「YECVT」を搭載。走る楽しさを追求した仕様が、来場者たちの注目を集めました。


「MT-09」の跨り展示も行われ、そのアグレッシブなライディングポジションを体感しようとする多くのライダーで賑わいました。さらに、MotoGP参戦マシンの「YZR-M1」も展示。世界最高峰の舞台で戦う純粋なレーシングマシンは、ヤマハが長年培ってきたレーシングテクノロジーの極致を示していました。

さらに、ライフスタイルを彩る多様な提案も充実。軽量で扱いやすいオフロードモデルの「WR125R」や、マイルドハイブリッドを搭載したポップなスタイルの「Fazzio」など、生活に寄り添いながら「遊び」の幅を広げてくれる原付二種クラスの展示も多く見られ、一人ひとりの好みに合わせたバイクの楽しみ方を幅広く提案する空間となっていました。

なお、東京モーターサイクルショーでは、全日本ロードレース、全日本モトクロス、全日本トライアルの2026年参戦体制発表会を開催。ファクトリーチームのライダーたちが登壇し、今シーズンにかける意気込みを語るなど、モータースポーツファンにはたまらないイベントとなりました。
3会場の特徴
【大阪】最速お披露目の熱気があふれる会場

2026年の国内モーターサイクルショーの幕開けを飾った大阪会場では、注目モデルやコンセプトモデルがいち早く披露されました。会場には、実車を自分の目で確かめたい熱心なファンが初日から多く訪れ、開幕会場ならではの高揚感に包まれていました。

また、多くのブースで最新鋭の新型モデルに実際に触れて、跨ることができるコーナーが設けられており、スペック表やネットの画像だけでは分からないライディングポジションや質感を自分の体で確認しようとするライダーたちが行列を作っていました。
さらに、今回大きな話題となったのが、人気アプリ「モンスターストライク」とのコラボレーションです。会場を巡るスタンプラリーや撮影ブースに加え、大阪会場限定の「コラボ豚まん」が販売されるなど、バイクファンのみならず、友人同士やファミリー層も楽しめる、お祭りムード満載の3日間となりました。
【東京】最大規模で業界の未来を可視化

国内最大規模を誇る東京会場では、情報の密度も随一。業界全体の方向性を示すシンポジウムなども行われ、二輪業界の未来を可視化する場となりました。

新型車種や製品の展示はもちろん、特設ステージでは最新の技術解説からモータースポーツの舞台裏まで、多岐にわたるトークショーやセレモニーが行われました。さらに、MFJブースでは競技車両の跨り体験も行われるなど、知的好奇心を満たすコンテンツが充実していました。

また、若年層や新規ユーザーへのアプローチも充実しており、特に人気アプリ「モンスターストライク」とのコラボレーションでは、タケウチリョースケ氏描き下ろしのビジュアルが会場を彩り、スタンプラリーや限定グッズ付きチケットの販売など、デジタルとリアルを融合させた施策が展開されました。これにより、既存のライダーだけでなく幅広い層が会場を訪れ、バイク文化の裾野を広げる象徴的なイベントとなりました。
【名古屋】地域密着型、ファミリー層への訴求も手厚い

名古屋会場は、国内外のメーカーの出展はもちろん、地元企業や中部・東海地方を拠点とするメーカーの出展が多く見られました。さらに、愛知県県産品PRコーナーにて、愛知県を中心とした地元物産の販売が行われるなど「地元密着型」の運営が大きな特徴です。バイクの魅力と愛知県の魅力、両方を楽しむことができる雰囲気が来場者を惹きつけました。

また、屋外エリアでは、迫力満点のスタントバイクデモンストレーションや、プロの技に息を呑むトライアルショー、さらには白バイの華麗な走行披露などが行われ、多くの観客で賑わいました。さらに、次世代のライダーやファミリー層への配慮が手厚いのも名古屋の特色です。子どもたちがバイクの楽しさに触れる「キッズバイク体験」をはじめ、伝統ある英国ブランドの世界観を楽しめる「ACE CAFÉ LONDON」も初出展しました。さらにはツーリングラリー企画など、初心者からベテラン、そしてその家族まで一日中遊び尽くせる充実のプログラムが展開されました。
ステージ&屋外イベント
各会場では、車両展示だけでなく、ステージ企画や屋外イベントも充実していました。

安全運転啓発活動を行う「JAPAN RIDERS(ジャパンライダーズ)」のスペシャルステージも開催されました。このステージでは、2020年から5年間にわたりアンバサダーを務めた梅本まどかさんの退任と、新たに就任した平嶋夏海さんの紹介が行われ、新旧アンバサダーによるバトンタッチセレモニーが実施されました。梅本さんはこれまでの活動を支えてくれたファンや関係者への感謝を述べ、その想いを受け継ぐ形で壇上に上がった平嶋さんは、自身がバイクに乗り始めたきっかけやバイクへの深い情熱、そして「安全に、そして楽しくバイクに乗り続けることの大切さを、等身大の言葉で伝えていきたい」と、新アンバサダーとしての抱負を力強く語りました。また、JAPAN RIDERSステージ「安全・安心・快適 楽しいバイクライフの心がけ」として、ゲストを迎えたトークショーも開催。すべてのライダーが安全運転を誓う「ジャパンライダーズ宣言」への参加が呼びかけられたほか、平嶋さん自身の今後の活動予定なども紹介されました。


また、「BIKE LOVE FORUM in 熊本・おおづ 告知ステージ」も行われました。BLFとは、官民が一体となってバイク産業の振興やバイク文化の創造を議論する場です。ステージでは、2026年9月11日(金)に熊本県大津町で開催される「第14回 BIKE LOVE FORUM in 熊本・おおづ」に向けての開催告知と、阿蘇地方の自然を満喫するツーリングキャンペーンの紹介も行われ、開催に向けて大きな期待が寄せられました。

一方、屋外特設会場では、バイクの機動性とエンターテインメント性を体感できるプログラムが満載でした。警視庁白バイ隊によるデモンストレーションでは、女性白バイ隊「クイーンスターズ」が華麗なドリル走行を披露。寸分違わぬ正確なマシンコントロールは来場者を圧倒しました。

さらに、「MFJトライアルデモンストレーション」では、国際A級スーパー(IAS)クラスのトップライダーが、持ち前のテクニックを披露。まるで空中に舞うようなライディングに来場者の視線は釘付けとなりました。会場中に響き渡る歓声と拍手は、これらのイベントが単なる「移動手段」としてのバイクを超え、磨き抜かれた「技術」と「安全への意識」、そして人々をつなぐ豊かな「文化」であることを改めて印象づけるものとなりました。
2026年のモーターサイクルショーは、最新技術や新型車を披露する場であると同時に、バイクを「誰でも楽しめる文化」として再提示する場でもありました。若年層へのアプローチ、地域ごとの特色ある企画、そして安全啓発や体験型コンテンツの充実は、これからのバイク業界が進むべき方向を示していたといえるでしょう。
第42回大阪モーターサイクルショー2026公式サイト
https://www.motorcycleshow.jp/
第53回東京モーターサイクルショー2026公式サイト
https://www.motorcycleshow.org/

















