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見えた!交換式バッテリーによる電動バイク普及の可能性【eやんOSAKA】

見えた!交換式バッテリーによる電動バイク普及の可能性【eやんOSAKA】

電動バイクの普及と認知向上、交換式バッテリーの利便性検証、電動バイクの認知・訴求と普及における課題洗い出しを目的として、”産官学”の連携によって2020年9月よりスタートした実証実験プロジェクト「eやんOSAKA」。

この実証実験によって見えてきた課題については、前回記事に記載した大阪大学の葉助教の意見のとおり、住民・企業・行政による理解や連携はもちろんのこと、各地域の実情に合わせた有効な使用方法をともに考える必要性が浮き彫りとなりました。

そこで本編では、「eやんOSAKA」にモニターとして参加してくれた学生のアンケート集計結果から見えてきた、本プロジェクトの今後の展望、そして交換式バッテリーによる電動バイク普及の可能性についてご紹介いたします。

 

eやんOSAKAの目的【復習】

  •  大阪府(官):大阪に多数の企業が立地する蓄電池関連分野の産業振興や大阪・関西万博が目指すSDGs達成の資する社会課題解決、ビジネス創出
  •  大阪大学(学):地域の活性化と府民生活の向上、社会問題の解決
  •  日本自動車工業会(産):街中でのバッテリー交換の利便性の検証と二輪EV普及の阻害要因の洗い出し、ならびに認知度向上により、二輪EVが多様な移動ニーズの1つとして「選ばれる」モビリティとなることを目指す

 

BT交換ステーションの設置場所は様々な視点での検討が必要

本実証実験では、街中でバッテリー交換できることで行動がどう変化するか、二輪EVの利便性が向上するかを調べるために大学構内と大学近辺のコンビニに交換設備を設置し、利用者が自由に交換できるようにしています。

 

実験終了後のアンケート結果によると、街中でのバッテリー交換システムは二輪EVの普及に役立つと思われるとなっています。

 

また大学・コンビニ以外にバッテリー交換ステーションがあれば便利だと思う設置場所については、公共交通機関の複合使用(乗り継ぎ)による利便性向上の期待からか、駅と回答した方が過半数を占めました。続いて、スーパー、公共機関(銀行・郵便局・役所等)、ガソリンスタンドと続き、必ずしも目的地付近だけでなくても交換できる環境を期待する声もあります。

今回の実証実験では、自宅での充電は出来ないため、自宅起点ではなくBT交換ステーションを起点とする傾向があり、行動範囲における心理的な制約となるとの意見もありました。

また、交換場所によっては、車両までバッテリーを持ち運ぶことが負担に感じるという意見もあり交換ステーションの設置環境についても、地域 (もしくは更にミクロなエリア) の実情に合わせなければいけないという課題が見えてきました。

例えば、駅に電動バイク専用駐車スペースを確保して交換ステーションを併設するなど。

普及に向けては一般ユーザーの利用だけでなく法人の利用も考えられるため、車両台数に合わせた十分な数のバッテリーを準備していく必要があります。街中で不安を感じず気楽に交換利用できる仕組みを社会全体でどうやって構築していくかが普及の課題となっていくでしょう。

 

所有することから利用への期待に変化

クルマのように誰もが満足する航続距離を確保するために大容量、大型のバッテリーを搭載することはバイクの構造上困難です。また、まだまだ二輪EVは高額なことも二輪普及のハードルになっています。

実験に参加したモニターへのアンケートによると、二輪EVを購入したいと考える意見は17%に留まる一方で、バッテリーを交換式とし、月額定額利用(サブスクリプション型)サービスや、共同利用するシェアリングサービスであれば利用してみたいと考える意見は全体の69%に上ることがわかりました。(ただ今まで二輪に関心がなかった人が少しでも興味をもったことは非常に有益であり、利用体験が二輪EV普及の一歩であることは間違いなさそうです。)

 

電動バイクの静音性や無臭であること、給油に相当する手間が減るなどのメリットを感じ、ガソリンバイクのコスト(車両本体+維持費+燃料代)に近い価格で利用できれば、十分に可能性があると参加モニターから複数意見が上がっていました。

このことはバッテリーや車両に対し補助金のような行政からのサポート次第では大いに普及する可能性を秘めていると言っても過言ではありません。

さらに、葉助教は以下のような見解も伺っています。

「大阪府は、バッテリーは地場産業なので、普及すれば大阪府自体の活性化にも繋がります。産業の活性化によって府民の生活向上に貢献し、さらに地域内の消費を活性化する移動具となり、様々な社会的課題の解決に繋がることが望まれます。そのためには、公共交通機関を補充するかたちで、いかに利用者を増やせるかがポイントになってきます。」

2021年10月4日に行われたメディアミーティングで、日本自動車工業会 二輪車委員会の日髙祥博委員長が発表したとおり、原付二種相当の電動バイクが追加された2022年3月までの実証実験で、より広い行動範囲のサンプルデータを収集し、新たな課題が見つかる期待をしており、電動バイク普及のための課題解決に向けて、取り組みが継続されることとなります。

二輪車とカーボンニュートラル - JAMA BLOG 一般社団法人日本自動車工業会

https://blog.jama.or.jp/?p=516