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1分でわかる!電動バイク普及ための実証実験「eやんOSAKA」

前回ご紹介した、電動バイクの普及について様々な角度から検証を進める「eやんOSAKA」。バイクに乗っていない方であればもちろん、バイクに乗っている方でも、少し難しい内容かもしれません。そこで今回は、「eやんOSAKA」の内容についてわかりやすくご説明いたします!

 

「eやんOSAKA」の概要

2020年9月より始まった「eやんOSAKA」は、交換式バッテリーの利便性検証、電動バイク普及と認知度向上、その活用による持続可能な都市交通戦略を目的とした産官学連携のプロジェクトです。

20名による3か月間の利用を1期とし、第4期が終了した2021年9月までに延べ80名の学生モニターの方々に利用してもらいましたので、交換式バッテリーの設置インフラだけでなく様々な課題が見えてきました。また、当初は実施期間を約1年間としていましたが、一部の課題対応として期間を半年間延長しました。第5期は10月からスタートしており、共通のバッテリーで利用可能なPCX ELECTRIC(原付二種相当)も追加されました。原付一種の学生モニターは初めてバイクに乗る方が多く、その結果ラストマイル領域を超える利用範囲のデータが多くなかったようです。このため、二輪車ユーザーが利用できる原付二種相当の電動車を追加することで、より広い行動範囲のサンプルデータを収集し、新たな課題が見つかると期待されています。

  • 対象:大阪大学の学生や教職員
  • 車両:「BENLY(ベンリィ) e:I」20台(原付一種クラス=50cc相当)、「PCX ELECTRIC 」5台(原付二種クラス=125cc相当)※第5期より追加
  • 実証実験エリア:大阪大学 吹田キャンパスから約20km圏を想定
  • バッテリーステーション1:大阪大学構内(吹田キャンパス、豊中キャンパス)
  • バッテリーステーション2:大阪大学吹田キャンパスの近隣にあるコンビニ(ローソン10店舗)

 

主に使用しているバッテリー交換式の電動バイク

実証実験で使用されている主なバッテリー交換式の電動バイクは「 BENLY e:I」です。配達バイクとしてお馴染みの業務用モデル「 BENLY 」の電動バイクバージョンで、車体の大きさはガソリンタイプのモデルの同様、重さもバッテリー重量を除けばほぼ同等です。

BENLY e:Iは、ガソリンエンジンのバイクでいうところの原付一種(排気量50cc以下クラス)という車両区分に属し、原付免許または普通自動車免許に付帯する原付免許で運転できます。

また、原付一種区分ですので、法定速度30km/h以下や二段階右折といったルールがあります。

 

第5期から原付二種の電動バイクも導入

2021年10月4日から第5期がスタートしており、今期から原付二種クラスの電動バイク「PCX ELECTRIC」も追加導入されました。

原付二種区分(ガソリンエンジンのバイクでいうところの排気量125cc以下クラス) にあたるPCX ELECTRICは、原付一種区分の BENLY e:Ⅰよりも高出力なモーターを搭載しており、AT小型限定普通二輪以上の二輪免許で運転できます。

 

使用している交換式バッテリーはこちら

そしてこちらが実際に実証実験で使用されている交換式バッテリー。大きさは300×180×160(mm)で、重さは約10kg。 BENLY e:I、PCX ELECTRIC共にバッテリーを2つ搭載できるモデルとなっています。

2つのバッテリーが満充電状態での航続距離は、ベンリィe:Iが約87km※1、PCX ELECTRICが約41km※2となっています。

※1:30 km/h定地走行テスト値、1名乗車時
※2:60km/h定地走行テスト値、1名乗車時

 

大学構内におけるバッテリー交換ステーション

大阪大学の吹田キャンパス構内と豊中キャンパス構内には、このような建屋の中に大型のバッテリーステーションがあり、同時に6個のバッテリーが充電・保管されています。

 

一部コンビニにもバッテリー交換ステーションが

また、大阪大学 吹田キャンパスから20km圏内にあるローソンの一部店舗には、省スペースで設置可能なポット型の専用充電器が設置されたバッテリー交換ステーションがあります。

計10店舗のローソン店内に設置されており、1店舗あたり4個(2台分)のバッテリーが充電・保管されています。

大学構内とローソン店内にあるバッテリー交換ステーションで、利用者は自由に満充電のバッテリーと交換することができます。

 

バイク初心者にとって“はじめの一歩”が大切

参加した学生の中には、本プロジェクトをきっかけに初めてバイクに乗るような方もいます。当然ですが運転歴が浅いためバイクの操作方法や乗車方法、交通法規などにも慣れていません。

そんなバイク初心者の学生たちの安全を守るためにも、“はじめの一歩”として安全運転講習会は非常に重要なのです。講習の初めではバイクに慣れずに両足を上げられなかった学生さんも、終わり頃にはとても心地よい表情で走行を楽しんでいるようでした。

利用者が入れ替わる期初めに毎回実施されるこの講習会では、バイクの基本操作や交通法規などを学ぶことで、安全に乗っていただくことを目的に実施されています。また、ガソリンエンジンよりも加速性能に優れた電動バイクの特性をきちんと理解していただく狙いもあります。

 

さらに第2回から安全運転講習の会場を学内から万博公園のお祭り広場へと移し、歴史上初となるバイク講習会が行われました。

さて、「eやんOSAKA」に参加した学生モニターは、実際に普段の生活の中でどのように電動バイクを利用するのでしょうか。

そして、実証実験によってどのようなデータを集積し、どのような解析によって、電動バイク普及に向けた課題や可能性を導き出すのでしょうか。

次回は、実証実験の途中経過から徐々に見えてきた電動バイクの課題点についてご紹介いたします。

 

電動バイクは普及するの?産官学ですすめる「eやんOSAKA」の狙いとは?

「eやんOSAKA」実証実験の結果を振り返る

見えた!交換式バッテリーによる電動バイク普及の可能性【eやんOSAKA】

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