【新たな選択】EVバイクバッテリー シェアリングの今を知る!
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2022年10月25日に、「ゼロエミッション東京」の実現を目指す東京都との共同事業である『EVバイク等利活用促進事業』の一環として、EVバイクのバッテリーを自由に交換できるステーション(以下、Gachacoステーション)の1号機を東京都庁前にオープンし、バッテリーシェアリングサービスを開始しました。
そこで今回は着々と地盤を固めているGachacoに、バイクにも対応を迫られる“ゼロエミッションの課題”における取り組みについて、これまでの経緯と現在の状況を伺ってみました。
Gachaco設立の狙いは?
バイクの場合、クルマと違ってバッテリーを積載するスペースには限界があります。しかしその反面、クルマよりも使い勝手が良いので使用頻度としては高くなります。こうした利用環境の課題解決のために注目されたのが、バッテリーのシェアリング、そして交換できるインフラ環境でした。
こうした環境意識の高まりの中、より環境にやさしく利便性の高いモビリティとしてのEVバイク普及に向けた、EVバイクにおける交換式バッテリー共通仕様の合意、そして、共通利用環境整備の検討を進めている、ホンダ、カワサキ、スズキ、ヤマハ発動機。そこにエネルギー供給事業者であるENEOSを加え、電動モビリティの普及という共通目標を有する5社が連携し、EVバイクの共通仕様バッテリーのシェアリングサービス提供と、シェアリングサービスのためのインフラ整備を目的として2022年4月1日に設立されたのが、Gachacoでした。
電動モビリティをはじめとするバッテリー循環利用の仕組み「BaaS(Battery as a Service)プラットフォーム」構築を通じて、電動モビリティ普及の課題である“長時間充電の面倒さ”や“外出時のバッテリー充電切れへの懸念”を、エネルギー供給事業者であるENEOS社は、循環型社会の実現に貢献することを目指しています。
利用環境やステーションの配置を検証
2022年11月30日には、一般社団法人次世代自動車振興センター「クリーンエネルギー自動車・インフラ導入促進補助金(電動二輪交換式バッテリー整備・運用モデル構築実証事業)」の一環として、東京都港区南青山にあるホンダ青山ビルにGachacoステーションをオープン。また、大阪府豊中市にあるHonda Dream豊中においても、関西地区で初となるGachacoステーションを同日オープンし、東京・大阪の2地域で実証事業※が開始しました。本実証事業では、EVバイク向けバッテリーシェアリングサービス利用時のデータを収集・分析することで、ステーションの最適配置を目的とするガイドラインの策定していくことが目的となります。
※現在は東京と大阪で実施している実証実験に参加する「法人のみ」が利用できるサービスとなっています。
EVバイクの普及に向けて、OpenStreet株式会社とも業務提携をし、同社が提供するシェアモビリティサービスのプラットフォームである「HELLO MOBILITY」にGachacoステーションを展開することで、EVバイクの導入、利用からバッテリー交換まで一連のサービスの提供を可能にしています。
また、ラストワンマイルの移動における変革を目指し、複数の電動モビリティのシェアリングサービスを実装し、それらの楽しさや利便性を提供する「ENEOSマルチモビリティステーション」(東京都世田谷区駒沢)にも、バッテリーシェアリング環境の理解を深める事を目的にGachacoステーションを設置しました。
EVバイクのバッテリーを自由に交換できるステーションを街中に設置する事で、サービス利用者都合の良いタイミングでバッテリー交換が行えるため、充電待ち時間が解消され、移動距離が延長でき、業務の効率化が可能になります。
利用方法はだれにでも使いやすいように
サービス利用者はGachacoステーションにICキーをかざすだけで、セルフサービスで素早くバッテリーが交換できます。
利用者メリットとしては、バッテリー及び充電器の費用負担が無いことにまた、バッテリーを個人で充電する手間が省け、業務で使う利用者にとっては業務効率の向上が期待できます。
さらなる展開が進むGachacoステーション
利用した方からは、
「バッテリー交換の時は、IDカードをかざすだけで液晶パネルのガイダンスと、LEDランプによる交換可能なバッテリーの位置がすぐわかるので、初めてでも判り易かった」
をいう声を頂いたそうです。
一方で、
- 臨時休業等で、利用できないときは、メール等で通知して欲しい。
- バッテリーステーションの設置場所をもっと増やして欲しい。
- 災害時(停電等)であっても、利用できるようにして欲しい。
等、今後の利便性を期待する声もありました。
現在Gachacoでは、2023年度末(2024年3月末)までに東京都23区内(約630㎢)の70か所(9㎢=3km×3kmに1か所の想定)にGachacoステーション70か所(9㎡=3km×3kmに1か所イメージ)設置を目標として活動を活性化させていて、EVバイクの社会における利用が本格的になっていくと思われます。