fbpx

バイクのメンテナンスが楽しくなる!工具の揃え方

愛車を良い状態で維持するためにこまめなメンテナンスは欠かせません。そのメンテナンスに不可欠なのが、工具です。一口に工具といっても種類はさまざま、どの工具がどんな名前でどんな役割を担っているのか、詳しくは知らないという方も少なくないでしょう。これからバイクのメンテナンスをやってみたいライダーに、揃えておきたい工具や買い揃え方をご紹介します。

揃えておきたい基本的な工具一式

工具にはさまざまな種類のものがあります。まずは整備をおこなう際に揃えておきたい基本的な工具をご紹介します。

ドライバー(+・−)

手動でネジを締め付けたり緩めたりするための作業工具で、プラスやマイナス形状などのネジの頭の溝の形状に対応したさまざまな種類のドライバーがラインアップされています。各ネジのサイズに合ったドライバーが必要となりますので、各3本ぐらいは用意するのが良いかもしれません。

コンビネーションレンチ

柄の両端に二つの工具がついているものとなり、一般的にはスパナとメガネレンチがセットになっているものです。ボルトとナットを素早く回せる、一方が開放になっているスパナの機能と強い力をかけることができるようにリング状になっているメガネレンチという2つの工具の良い部分を合わせた便利な工具です。8、10、12、14mmがよく使うサイズなので揃えておきましょう。

六角レンチ・ソケット

六角レンチは、六角穴付きボルトの固定や六角穴付き止めねじ(イモネジ)の着脱に使われる専用の工具です。工具とボルトの接触面が大きいので、少ない力で確実に締め付けることができるのがメリットです。また、狭い場所でもアクセスしやすいよう先端がボールポイントになっているタイプもあります。

ヘキサゴンソケット

六角柱の形をしたヘッドをもつソケットレンチのソケット部分に使用する工具の一種で、六角穴付きボルトを締めたり、緩めたりする際に使用するものとなっています。

トルクレンチ

トルクレンチは、ボルトやナットなどを特定の値まで締め付ける際に使用する工具で、締め付けトルクを測定することが可能となっています。直読式(ダイヤル型&プレート型)やシグナル式(プレセット型)、デジタル式等があり、いくつかの種類から選ぶことができます。

ハンマー

対象物に打撃を加える工具で、打刻で他をあまり傷つけないように、当たり面を少しだけ丸くしてあるのが特徴です。主にシャフト系の打ち抜き&打ち込みの際に使用する場合が多いです。おすすめは小さな力でしっかりと力を伝えることができる無反動ハンマー (ショックレスハンマー) です。

プラグレンチ

点火(スパーク)プラグの交換の際に使用する工具です。種類が多いので、自身の車両に使用されているスパークプラグに適合したサイズを把握して選びます。ソケットのみのものとハンドル付きのものの2種類があり、ソケットのみの場合は、追加でエクステンションバー(延長棒)とハンドルを用意しなければいけません。またプラグの保持の仕方として、バネ式、ゴム式、マグネット式があります。

ペンチ

細いもの、薄いものを掴む、挟む、線材を切るなど、多目的に使うことができる工具です。他にニッパーやプライヤーと呼ばれる似た工具もあります。線材や用途によって多くの種類に分かれます。

モンキーレンチ

ボルトを掴む部分の幅をウォームギアによって自由に変えることができるレンチの一種で、1本で複数のサイズのボルトを回すことができて便利な反面、ボルトを掴む部分の固定が甘くなり、ボルトを痛めてしまうこともあります。

トルクス

アメリカの会社が開発した六角星形のねじの頭部形状の規格のことを指し、ヘックスローブまたはヘクスローブとも呼ばれています。そのメリットはトルクの伝達効率の良さや専用工具が必要となるので防犯性も高く、摩耗や割れにも強く、耐久性も高いところです。

あると便利な用具

(左上)タイラップ、(右上)プライヤー、(左下)カッターナイフ、(右下)ビニールテープ

上記の工具以外で備えておくと便利なのが、「タイラップ + ニッパー」「バイスプライヤー」「カッターナイフ」「ビニールテープ」などです。通常の整備時よりも、ツーリング先でのトラブル時の応急処置用アイテムになります。バイクで外出する際に車載しておくのがオススメです。

メンテナンスに際しては上記のほか、作業中に手を傷つけないための作業用グローブ、取り外した部品をなくさないためのトレー、油汚れを拭くためのウェスやロールペーパーを用意しておくと便利です。

また、工具は生産国によって規格が異なります。現在工具の大半はミリ規格ですが、アメリカなどはインチ規格になっているので、購入する際は注意して選びましょう。さらに国産車両は8、10、12mmの偶数値のネジやボルトを使用することが多いのですが、外国産車両は11、13、15mmと奇数値のものを使用することが多いので、愛車のネジやボルトのサイズを確認してから工具を購入しましょう。

使い方に合わせて保管方法を選ぼう

工具の保管方法は大きく分けて3つあります。

  • 車載用工具
  • 工具箱
  • 工具キャビネット

車載用工具はバイクに積載するコンパクトにまとめられた工具キットで、最小限のサイズで最低限の工具を一式揃えたものです。バイクを新車で購入した際に付いてきて、出先での簡単なメンテナンスや補修ができるよう取り揃えられています。

工具箱は、前項「揃えておきたい基本的な工具一式」でご紹介した工具がほぼ一式揃ったもので、サイズは大小ありますが持ち運べるバッグ型になっています。自身の愛車をしっかりメンテナンスしたい人にちょうど良い工具キットです。

工具キャビネットは、同じく前項「揃えておきたい基本的な工具一式」でご紹介したもの以外の専門工具まで取り揃えた、プロのメカニックや整備士が使う工具キットです。写真のようにキャスターが付いている移動式と、固定設置する据え置き型があります。プロ仕様な上に設置場所も必要になるため、一般的にはここまで用意せずとも大丈夫です。オイル交換やバッテリー交換ぐらいなら前述の工具箱があれば十分ですし、それ以上のメンテナンスに及ぶ場合は工具だけでなく専門知識も必要になるので、日頃メンテナンスをお願いしているバイクショップにお願いしましょう。

単品買いとセット買いのメリットとデメリット

工具を購入する際、悩んでしまうのが「単品で必要なものから徐々に買い揃えるか」「まとめてセット買いするか」の2択です。それぞれのメリットとデメリットをまとめてみました。

単品買いセット買い
メリット・費用が抑えられる
・場所を取らない
最初からすべて揃っていて取りこぼしがない
デメリット・自分で考えて買い揃える必要がある・初期購入時の価格が高い
・場所をとる
・収納場所(ケース等)が必要
・使わないものもある

それぞれ一長一短あるので、ご自身のバイクライフに合った買い方を検討してみてください。

また工具の購入に際して注意して欲しいのが、安価な工具や無銘の工具はなるべく避けることです。安価な工具の中には耐久性や精度に問題があり、メンテナンスに用いた場合にナットやネジをダメにしてしまったり、怪我をすることがあります。信頼できるメーカーの工具を、必要に応じてひとつずつ揃えていけば、その工具にも愛着が湧いてバイクとの絆も深まることでしょう。

どこで買った方がいいの?

現在はインターネットでも工具が購入できます。工具はある程度の数になるとかなりの重さで、それが宅配便によって自宅まで届けてもらえるのは大変便利です。ただ、ヘルメットなどバイク用品と同じく、実際に実物を確認してから購入することをオススメします。近年ではインターネット通販を利用したら「実物と違うものが届いた」というトラブルもありますし、何より使用用途に合った工具か、専門知識を持ったお店の方に確認して購入するのが間違いないからです。

購入する実店舗としては、

  • 工具専門店
  • バイク用品量販店
  • ホームセンター

などになります。バイク用品量販店やホームセンターは複数の工具メーカー製品を取り揃えているので、好みの工具を選べます。地域最大級のホームセンターに行くと、海外製品を含め豊富な品揃えとなっているので、選ぶ楽しさを求めるなら是非足を運んでみてください。ただし、バイク用品店のほうがバイクの使用に適したサイズや素材の工具を見つけられます。

一方でメーカー直営の工具専門店だと単一ブランドに限定されますが、その分「こんな工具まで?」と言うような工具まで並んでおり、店員さんも量販店よりも高い専門知識を持っているのでより深く、より詳しく教えてもらえます。

愛車との語り合いに不可欠な工具ライフ

エンジンオイルやバッテリー交換といった初歩のメンテナンスでも純正の標準工具だけでは難しいので、出先のトラブルなどで使用する車載用の最小限のものと、自宅でメンテナンスするためのものとを揃えておくとよいでしょう。普段はバイクショップにお願いしているメンテナンスに自分で挑戦してみることで、工具の魅力に触れるとともに愛車の状態が分かるようになり、より愛着が湧いて長く付き合っていけるでしょう。工具は決して安い買い物ではないので、無理せずに自分の整備内容に合った工具を順に揃えながら愛車との絆を深めていってください。

自宅で簡単セルフメンテ!愛車を安全で快適に保つためには定期的なメンテナンスが重要!

【習慣化してほしい】バイク用タイヤの定期的な点検とメンテナンス

RECOMMEND

あなたにオススメ