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「きっかけは仮面ライダークウガでした」映画監督の中元雄さんがバイク映画にこだわる理由

バイクに興味を持つきっかけは様々ありますが、映画やドラマなどの作品に影響を受けて乗り始めた方も多いのではないでしょうか。
今回お話を伺ったのも、そんな映像作品に登場するバイクに憧れてバイクに乗り始めたという、30歳の新人映画監督・中元雄(なかもとゆう)さん。

気鋭の若手映画監督として映画ファンの間では既に知名度も高く、映画業界における期待値も高い中元さんにバイクに乗り始めたきっかけと、作中のバイク描写にこだわる理由について訊きました。

 

中元雄さんプロフィール

1991年生まれ。中学生の頃から自主制作映画を撮り始め、一度はサラリーマンになるが映画監督を志して広島から上京。2018年には、映画監督の登竜門である「ぴあフィルムフェスティバル」をはじめ、全国の映画祭で4冠を達成。

2020年には、「全裸監督」の監督・脚本を手掛ける内田英治監督と協業で配信ドラマを手掛けたほか、今年は清野菜名さん主演のアクション映画を撮影している。

 

バイクに興味を持ったのは「仮面ライダークウガ」

中元さんが初めてバイクに興味を持ったのは、9歳の頃にテレビで放送されていた「仮面ライダークウガ」とのこと。オートバイスタント役を演じたトライアル選手の成田匠さんによる本格的なバイクアクションは、中元少年に強烈なインパクトを与えたようです。

「子どもの頃から特撮ヒーローが好きで、その流れでクウガも毎週観てました。その時はさすがにバイクに乗りたいとは思っていませんでしたが、漠然と”バイク=かっこいい”という印象を持ったのは覚えています。」

 

憧れの成田匠さんと初めて会えた瞬間

中学生になると映画に傾倒し、ゾンビ映画やアクション映画を中心に、「MAD MAX」や「大脱走(The Great Escape)」といったバイクが登場する映画も数多く観ていたとのこと。その後、18歳で免許を取り、仮面ライダー1号の本郷猛が変身前に乗っているマシンと似た雰囲気(ヴィンテージオフロードタイプ)のバイクを購入。ずっと憧れていたバイクに乗る夢が実現することになります。

 

作中の主人公に自分を重ね、自由を手に入れた感覚に

映画・ドラマの影響でバイクに乗り始めたという中元さんに、初めて乗った時の感想を伺いました。

「ずっと憧れていた作中のヒーローたちと同じようにバイクに乗ることができた時は、目の前の彩度がグッと上がったような感覚といいますか、とにかく感動したのを覚えています。これさえあれば、退屈な日常から脱出でき、どこへでも行けるという気分にさせてくれました。狭い道などもバイクであれば全く気にならないですし、なにより開放感があって電車が苦手な自分には最高な乗り物だと思いました。」

ちなみに、映画監督として多忙な日々を送る中元さんは現在でもほとんどをバイク移動としており、打ち合わせや撮影にまでバイクで出向くほど。しかも、現在所有するバイクは、映画「マッドマックス」に登場するカワサキ・KZ1000、映画「彼のオートバイ、彼女の島」で主人公が乗るカワサキ・W3など、すべて映画作品に所縁のあるものとのことでした。

 

この感動を自分の作品でも表現してみたい

制作現場での一コマ

2018年の「ぴあフィルムフェスティバル」で観客賞、「カナザワ映画祭」ではグランプリを獲得した自身の映画作品では、終盤で主人公がバイクに乗って最終決戦に向かうシーンがあります。ただの移動シーンであれば、車などの選択肢もあったはずですが、なぜバイクでの描写にこだわったのでしょうか。

「”初めてバイクに乗った時の感動や高揚感”、”バイクが醸し出す逞しさや疾走感といったかっこよさ”を自分の作品でも表現したいと思っているので、どうしてもバイクのシーンを入れたかったんです。自分もそうでしたが、色々な作品でバイクシーンを観ることによって、気づいたらバイクが好きになるんですよね。だから、撮影が大掛かりになってしまうのも覚悟の上で、可能な限り毎回バイクシーンを描くようにしています。そこだけは譲れないですね。」

 

バイクシーンの撮影はとにかく大変。だからこそ”刺さる”!

「役者さんの安全確保(代役など)をはじめ、特殊な撮影機材の用意、撮影場所の走行許可、撮影予算の問題など、バイク走行シーンには本当に様々な負荷がかかります。それゆえに、最近の日本の映画やドラマには出てこないことが多いです。だからこそ、バイクシーンをしっかりと描いている作品には、”熱”がこもっているように感じます。自分が既にバイク好きだからそのように感じるのかもしれませんが、想いはきっと伝わると信じています。」

幼い頃に胸躍らせた仮面ライダーや、少年時代に憧れたバイク映画の主人公と同じように、今は自身もバイクに乗る中元さん。

「映画やドラマがバイクの楽しさに気付くきっかけをくれたように、自分の監督作を見てバイクに興味をもってくれたら最高ですね。」
そう語ってくれた中元さんからは、純粋なひとりのバイク好きとしての一面と、映画監督としてのプロフェッショナルな一面の両方を垣間見ることができました。

近い将来、中元さんの作品をきっかけにバイクへ興味を持つ若者が増えることを期待せずにはいられません。

中元雄監督 最新作「死霊軍団 怒りのDIY」出演:清野菜名、高橋文哉

https://www.divoc-12.jp/films/movie8/

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