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我が子を想う親心:家族それぞれの想いが交錯する「親子でバイクを楽しむ会」モビリティリゾートもてぎ

バイクを趣味に持つ親は、自分たちが初めてバイクに乗ったときの感動や楽しさを我が子にも味わってもらいたいと願うもの。そんなバイクの魅力を知る親たちが、子どもたちと共に特別な一日を過ごすため、2023年7月23日(日)にモビリティリゾートもてぎで開催された“親子でバイクを楽しむ会” セカンドステージに参加されていました。

今回はその場に足を運び、参加された家族それぞれの特別な想いや動機、そして主催者の思いお話を伺いました。

 

バイクを通して子どもの成長を実感

今回お話を伺ったのは、主催であるホンダモビリティランド株式会社 モビリティリゾートもてぎ事業企画課の上野圭美(うえのますみ)さん(以下、上野さん)と、同交通教育センターもてぎ インストラクターの吉原廣修さん(以下、吉原さん)。

まずは、“親子でバイクを楽しむ会”のコンセプトについて上野さんに尋ねました。

上野さん:“親子でバイクを楽しむ会”は、バイクの体験を通してお子さまとふれあうなかで、交通ルールやマナーの大切さを身につけていただくためのスクールというのがコンセプトです。

保護者の方々もこの会では先生となり、親子で楽しみつつ、お子さんにもいろいろなことを伝えることができる場とさせて頂いています。もちろん最初はバイクに自信のないお子さんも、お父さん、お母さんが居る安心感のなかでアドバイスを受けつつ、経験豊かなインストラクターのサポートで、安全にバイクを楽しむことができます。

バイクを通じて、お子さんの成長を親として実感して頂ける素晴らしい時間を過ごしてほしいと願っています。

バイクに乗るための知識と技術、交通ルールやマナーを身につけ楽しく安全に乗る会であることはもちろんですが、バイクを通じて親子のコミュニケーションを深めるという側面もあるようです。

 

その場にいる全ての大人が先生

柔軟体操で懸命に背中を押すお子さんと「痛い~」と悲鳴を上げるお父さん

会のスタートは教室でのオリエンテーションから。そこでインストラクターの説明されていた「親子でバイクを楽しむ会」始まった時以来の、以下の言葉に耳を傾けると、参加家族への気遣いだけではなく、親心に近い印象を受けました。

  1. 先生の言うことをしっかりと聞くこと。ただし、今日は隣のお父さんお母さんが先生であり、守ってくれる人でもあります。
  2. 決められた服装でバイクに乗ること。保護者の方々はヘルメットやプロテクターなどが正しく装着できているかどうかの確認をお願いします。
  3. 他の人に迷惑を掛けないこと。自分だけが楽しくならないよう、みんなで楽しむことを心がけましょう。
  4. 疲れたら、無理をしないで先生(お父さんお母さんやインストラクター)に言って休憩しましょう。

“親子でバイクを楽しむ会”セカンドステージは、基本走行に加えバランス走行がメインのプログラム。そのため、一つ間違えれば事故やケガのリスクもあります。

バイクに乗ることの楽しさや感動を味わってほしくても、一回のミスで子どもたちに嫌な思い出を残してしまうこともあるため、インストラクターも保護者も全員集中して子どもたちを守ろうという雰囲気が感じられました。

 

各自が自分なりの言葉で子どもにバイクの操作説明をしている

なお、“親子でバイクを楽しむ会”はファーストステージ、セカンドステージ、サードステージと、技量と経験に応じてステップアップできるプログラムがあり、サードステージでは実際に林道コースを走行したり、ロードコースの走行が体験できるスペシャルステージも用意されています。しかも、すべて親子で参加できるプログラムとなっており、我が子の成長をダイレクトに実感できるため、バイク好きの親にとってはこの上ないサービスと言えます。

 

それぞれの親子にそれぞれの想い

埼玉県在住のNさん親子は、バイクが大好きなお父さん主導で、息子さんと一緒に参加されていました。

ご自身は高校一年生で原付免許を取得し、大学一年生のときに普通二輪、大学三年生で大型二輪免許取得と着実にステップアップしていきました。バイクに乗るきっかけは、高校生のころバイクで通学している友人がおり、自分も親の手を煩わせたくないと思いバイク通学を始め、そこからバイクにのめり込んでいったとのこと。

子どもにもメカと考え、機械がどのように動くことで走行でき、そしてヒトはそれをどのように操るのか、また機械はどのように反応するのか。こうした体験を通して創造性を育むことができればと思ったそうです。

「一回目は自転車と違う速さに驚いた」「二回目は転んだけど怖くなくなった」と、息子さんは屈託のない笑顔を見せてくれました。

 

こちらのお父さんはバイク関係の仕事をされているそうで、お母さんも付き添って参加されていました。

 

お母さんと小学五年生の娘さんとで千葉県から来られたIさんは、今日で2回目の参加。

お子さんがひとりで自転車に乗れるようになり、正しい交通ルールを身に着けて欲しいという想いから参加されていました。

親にとって一番嬉しいことは、一緒にいて子どもの成長を目の当たりにできることで、ついでに自分自身もバイクの練習ができて一石二鳥とのこと。むしろ娘の方が恐怖心が無いせいかグイグイ走るので、その光景を見ることで勇気を貰っていると言います。

娘さんにも話を伺うと「前回は八の字走行がうまくできなかったけど、今回は乗ったまま自由に回れるようになって嬉しい!」と話してくれました。

 

同じく千葉県から小学六年生の息子さんと来られたYさんは、16歳でバイク免許を取得し、自分のバイクを持てるようになったのは24歳のころ。それから4~5年は乗っていたものの、その後17年間はバイクから遠ざかっており、約2年前に自身の好きだったバイクが生産終了になると聞いてリターンしたと言います。

公式サイトでこの会を知り、親子でファーストステージ、セカンドステージと参加を重ねました。前回のセカンドステージで息子さんが転倒してしまったものの「そこで終わらせたくない」という息子さんの強い意志で、再びセカンドステージに参加したとのことでした。

お父さんは「息子がバイクに乗れる年齢になって、いざ乗り始めたときにケガをして欲しくない」という想いを語ってくれましたが、そんな親の願いを知ってか知らずか「ジグザグ走行以外は上手くいったよ~」と無邪気に答える息子さんでした。

 

バイクを体験して楽しそうな笑顔を見せる親子

 

それぞれが感触をつかみはじめてきたキッズたちの勇姿

 

家族でバイクの楽しさや感動を共有することのできる特別な場所

これまで多くの親子を見守ってきたインストラクターの吉原さんに、参加された親子からどのような声が届いているのか聞いてみました。

一番多いのは、子供の成長を直接感じることができて嬉しかったという意見ですが、我が子の成長スピードの速さに目を見張るものがあったという声もよく耳にします。
また、一緒に居て毎日見ているのに、子どもの新しい一面を垣間見ることができて非常に感動したというお話も聞きます。新しいことにチャレンジし、困難を乗り越えて逞しく成長する我が子の姿に驚かれるご両親も多いです。

バイクを通じて、それぞれの親子が思い思いにかけがえのない時間を過ごしていることが十分に伝わってきます。そんな貴重な体験を提供し、バイクに乗ることの楽しさや感動を伝え続けている吉原さんをはじめ、会に携わるスタッフさんたちには、本当に頭の下がる思いです。

 

最後に、今後目指している会の展望についても聞いてみました。

ステージが上がればスペシャルステージがあり、林道へトレッキングに行けたり、ロードコースを走行できたりと、ここは日本でも有数のバイクに乗るための環境が揃った施設になっていると思います。
その反面、かなり広大な土地を要するため交通の便が良い好立地とはいかず、現在は70%をリピートの参加者が占めています。今後は、もっと広く認知していただくための活動を増やし、初めての方でも気軽にご参加いただけるように努めていきたいと思います。

モビリティリゾートもてぎで開催される“親子でバイクを楽しむ会”は、単にバイクの技術や知識を学ぶ場ではなく、親子の絆を深め、子どもたちの成長を間近で感じることができる特別な時間となっています。

参加された家族の笑顔や感動の声、そしてインストラクターやスタッフの情熱が、この会の魅力と価値を高めています。今後も多くの家族がこの経験を通じて、バイクの楽しさとともに、家族の絆を再確認し、新しい思い出を作ることを期待しています。バイクを通じて、家族の絆や子どもたちの無限の可能性を感じることができるこの場所は、これからも多くの家族にとって、心に残る場所となることでしょう。

モビリティリゾートもてぎ「親子でバイクを楽しむ会」

https://www.mr-motegi.jp/tecm/moto_school/oyako/

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