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マフラーに刻印されているEマークってなんの意味があるの?

バイクのマフラーをよく見てみると、”E1”や”E2”といった刻印があることに気づいた方も多いのではないでしょうか。

これは「Eマーク」と呼ばれ、そのバイクとマフラーの組み合わせが世界共通基準に適合していることを示しています。マフラーの他にも、ヘッドライトやテールライト、バイクのフレームにも付いている場合が多いです。

ここでは、そんなEマークの成り立ちと意味をご紹介します。

 

Eマークってそもそもナニ?

Eマークとは、国連の欧州経済委員会の自動車基準調和世界フォーラム(UN ECE/WP29と呼ばれる)が制定した基準に合格したもの(以下、適合という)に付与されるマークのことです。”ECE”の頭文字をとって大文字のEがつきます。

日本で新型モデルのバイクを販売する際に、メーカーは事前に車両認可を得る必要があり、定められた保安基準に適合するための試験を行ったうえで、書類を国土交通省に提出します。また、試験が正しく行われているかを確認するために審査官が立ち合う場合もあります。

その際、他の国で車両認可を取得していた場合、日本が認めている世界共通基準に適合していれば、認可証明の提出によってその認可試験を免除されます。

マフラーのEマークは騒音基準(R41)の適合を示すので、日本においては騒音試験を実施しなくても承認されることになります。逆に、日本で幾つかの世界共通基準の認可を取得した場合、その基準を採用している他の国においては認可の試験は免除されます。(これを相互承認といいます)

このように、世界共通基準が増えると共に、採用する国が増えれば、各国での車両認可の試験を減らすことが可能となり、メーカーでは認可を得るための手間と費用が少なくなるだけでなく、認可取得までの時間短縮も期待できます。

 

ライダーにとってのメリットは?

ここで述べている基準は日本では保安基準といわれ、安全性の確保と公害の防止の観点から、バイクの構造や装置及び性能に関して国が定めた技術要件で、試験方法と判定基準で構成されています。

また、バイクの安全・公害防止基準は、日本における交通事故、交通環境のほか、自己責任、製造物責任(PL)などの社会環境等を考慮して制定されるため、日本特有の基準でした。そして、欧州や米国といった輸出先でも独自に基準が制定されていました。さらには市場が拡大したアジアなどでは、欧州、米国、日本のいずれかの基準を選択して採用されているため、基準が多岐に渡るようになりました。

国連での世界共通基準は多くの国が陸続きである欧州で1958年に始まり、日本は1998年に加入し世界共通基準の相互承認に向けた取り組みを行っています。

世界共通基準の数と採用する国が増えると、製品や部品の仕様が少なくなり、製造コストや調達コストも節約でき、かつ車両認可の試験も減るため、結果として販売価格も下げることが出来ます。

また、海外モデルとの仕様差が少なくなることで日本に導入されるモデルが増えることにも繋がりやすくなり、ユーザーの選択肢が増えるというメリットも出てきます。

 

世界共通基準はどうやって決定されるのか?

世界共通基準は、自動車基準調和世界フォーラム(UN ECE/WP29)の会議で採択され、この会議には、協定に加入している56か国(2021年7月現在)と欧州連合(EU)、そして各産業界の団体代表が参加しています。

バイク産業の代表はIMMA(International Motorcycles Manufacturers Association)です。また、基準には規格も引用されるため、国際規格(ISO規格)を制定する欧米の団体も参加しています。

参考までに自動車やバイクに関する世界共通基準一覧を示しますので、興味のある方はEマークを探してみてください。ちなみに、Eマークの数字は認可を与えた国を示します。例えば、E1はドイツ、E43は日本、写真にあるE13はベネルクス3国の一つ、ルクセンブルグです。

 

世界共通基準を作り上げるということは、それぞれの国、業界において事前に何度も協議を重ねた上で草案を練り、対案も作成するため非常に長い期間を要します。それだけ世界共通の基準作りは難しいのです。

実は他にも、バイクの車体には様々なマークが隠されています。MOTINFOではそのマークに隠されている意味を紐解いていきたいと思います。

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