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【バイクブームで活況の自動車教習所】果たしてコロナ禍は本当に影響していたのか?

2020年1月、大型クルーズ船での感染報道から一気に日本を震撼させた新型コロナウィルスは、その後何度も変異しては世界中に感染の波を起こし、終息の目処が立つこともなく現在に至っている。

感染経路として飛沫や接触といった経路が報じられると、人混みや対面による接触を避ける傾向となり、人と接触することなく移動ができるバイクに注目が集まり、バイク免許取得やバイク購入の声がそこかしこで聞かれた。

果たしてコロナ禍は本当に人々をバイク免許の取得に動かしたのだろうか。コロナが終息するとバイクは注目されなくなってしまうだろうか。そんな疑問を解決すべく、今回は神奈川県横浜市にある鴨居自動車教習所にご協力をいただき、バイク教習生20名のヒアリングを実施した。

 

きっかけは周囲の後押し バイクに否定的な意見の家庭が減少!?

取材に応じていただいたのは20代から60代までの男女20名。

免許取得を思い立ったきっかけから、バイクに乗り始めたら将来やってみたいことまで、いくつかの質問を投げかけた。

初めの質問は、「バイクに興味を持ったきっかけ、バイク免許を取得しようと思った理由」について伺った。
※(普)=普通二輪免許、(大)=大型二輪免許、(小)=小型限定普通二輪免許

  • 30代男性(普):元々いつか乗ってみたいと思っていた。YouTubeを観て興味が再燃。
  • 20代男性(普):父がバイクに乗っていて小学生の頃から乗りたいと思っていた。
  • 20代男性(大):親族が全員バイクに乗っているので、自分も乗るのはごく自然の流れ。
  • 40代女性(小MT):店で見たバイクに一目惚れし、乗らないと一生後悔すると思った。
  • 50代男性(小MT):元々興味はあったが最近125ccのマニュアル車を見て乗りたくなった。
  • 60代男性(大):退職して時間ができたのをきっかけに30年越しに大型二輪免許取得へ。
  • 60代男性(普):高校時代に原付に乗っていたが最近YouTubeを見て大きいバイクに乗りたくなった。
  • 50代男性(大):スクーターに乗っていたが仲間と乗りたくなり大型二輪免許取得に踏み切った。
  • 20代男性(普):昔からバイクもクルマも好きで憧れていた。資金ができて親も説得できたため。
  • 30代男性(普):バイク好きの友人に誘われてのバイク免許取得を決意した。
  • 20代女性(普):バイク好きの友達からツーリングに行こうと誘われて。
  • 50代女性(普):昔、バイクに乗る友人はいたが免許を取らずじまい。インカムなどで仲間と走れば楽しそうだと思い、免許取得を決意。
  • 20代女性(普):以前は乗車が怖かったが知人の後ろに乗ったときに楽しいと思えたため。
  • 40代男性(普):若い頃は親の反対で断念。タイで旅行している時にバイクを見てバイク熱が再燃。
  • 30代男性(大):仮面ライダーを見て乗りたいと思っていた。時間と資金に余裕ができたので。
  • 20代男性(普):自転車と違って遠くに行ける魅力。仕事のうえでも必要になった。
  • 20代男性(普):バイクに乗る母の影響で。友達にも誘われた。
  • 20代女性(小MT):転居し通勤時必要になった。50ccだとすぐに制限が多いと聞いたため。
  • 60代男性(小AT):10代の頃から乗りたかった。普通二輪は途中で断念した。
  • 30代男性(普):クルマ通勤していたが、渋滞や燃料代を考慮してバイクにシフト。

大きく分けると、家族(親族)や友人などといった身近な周囲の人からの影響が多いようだ。
また、一昔前は親の反対によって免許取得を断念したという意見も多かったが、最近では子どものバイクへの興味に背中を押してあげる親も増えている様子だった。

振り返ってみると、20年前は某TVドラマで人気俳優がバイクに乗り話題となったが、この頃バイクに乗っていたライダーたち(憧れていた人たち)が今は親世代となって、バイクに肯定的または中立的な家庭が増えているのかもしれない。少なくとも否定的な意見は減っているよう。

 

若年層はバイクへの想いが持つロマンチスト

次は20代と30代の若年層に向けて、現在教習中なので少し飛躍した質問だったかもしれないが「バイク免許取得後にしてみたいこと」について伺った。

  • 30代男性(普):バイクは注文済。まずは近場をツーリングしたい。伊豆スカイラインなど。
  • 20代男性(普):父親と一緒にツーリングするのが夢。他にも様々な土地を走りたい。
  • 20代男性(大):すぐ乗りに行こうと思っていた。海や山など。遠方へも行きたい。
  • 20代男性(普):全国各地のグルメを楽しみたい。普段行けないような田舎や北海道で海鮮やラーメンなども食べたい。
  • 30代男性(普):友達とツーリングに行ってみたい。
  • 20代男性(普):海沿いを走ってみたい。夏場は風が気持ちよさそう。TVで有名な俳優が乗っていたバイクもカッコよかった。
  • 20代女性(普):自然豊かな場所を走りたい。気持ち良い空気を直接感じたい。
  • 30代男性(大):サーキットを走ってみたい。バイク操作そのものが面白い。
  • 20代男性(普):ソロキャンプに行きたい。江の島にも行きたい。
  • 20代男性(普):ハワイなどへ旅行時に乗りたい。海にも走りに行きたい。

海・川・山といった自然とのふれあいや、その時感じる風(空気)などに惹かれている方、旅行、キャンプ、ツーリングなどに夢を抱く方など、皆一様に純粋無垢な回答が返ってきた。

自然との接点が希薄になりつつある現代人にとって、バイクに乗ることは自然環境に身を置くことと近似しており、至高の非日常体験として惹かれるのかもしれない。

 

果たしてコロナ禍とバイク免許取得の関係は?

※教習生20名にヒアリング

教習生の話を聞くなかで「あなたがバイクの免許取得に動いた背景にはコロナの影響があったのか」について尋ねてみた。

「関係している」と答えた方の具体的な意見としては「行きたい場所に密を避けて移動できるし時代に合っている」「バイク移動なら人と接触しないため感染リスクも低いだろう」といった回答があった。

しかし大半の方が「関係はない」と即答した。

また、実数こそ控えさせていただくが、今年に入ってからの鴨居自動車教習所の入校者数を特別に開示していただいたところ、2022年9月までの入校者数は2021年の同期間と比較すると減っているものの、2020年の同期間と比較すると増加している。

さらに遡ると、2016年から入校者数は右肩上がりに増えており、今年も増加率を維持したまま、その延長線上への着地見込みとなっている。2021年だけが少し突出して伸びた形だ。

3密回避やステイホームによる“おうち時間”、給付金などといったコロナ禍に起因する事象や思考が後押しとなって、一時的に数字が上振れただけではないかという仮説が立つ。

これも具体的な集計はされていないが、小型限定AT免許を持っていて、流行りのギア付き原付二種モデルに乗ろうと思う人は、マニュアルの小型限定免許を取得するのではなく、どうせならマニュアルの普通二輪免許を取得しようと考える人も少なくないそうだ。

 

若者ばかり着目されるが中高年層も忘れてはいけない

最後に60代男性にお話を伺った。

普通二輪免許を教習していたのだが、予想以上に自身の体力に衰えを感じ、小型限定AT免許から取得しようと計画を変更したのだという。また、免許取得の動機について尋ねたところ、実は10代の頃からバイクに乗りたかったとのことだった。

では、なぜ今バイク熱が再燃したのかについて伺うと「いや、そうじゃないんだ。」と、しばらく言葉を詰まらせた男性の目には涙が。男性の周囲にはリターンしてバイクに乗る人もおり、そんな知人と接するなかで、友人の記憶が蘇ったそう。「バイクに乗って走ったら一体どんな景色が見れるのだろう」と、退職を機に免許取得に挑戦しているとのことだった。

少しばかり、若者ばかりを追っていたことを反省させられた。バイクは若者だけのものでもない、昔を思い起こす年代にとってもロマンがあるのだ。

今回バイクショップの前で見たバイクに惚れ、それまで一切興味が無かったのに「あれに乗らないで一生を終わらせたくない」と言った女性もいた。

 

親と子を繋げる、友と友を繋げる、人生を彩る、時代を超えて思い出を繋げる、バイクがそんなに色んな魅力があることを教習生の皆さんから教えて頂いた。

鴨居自動車学校

https://www.kamoi-ds.co.jp