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【夢をかなえ、華ひらく】姉妹で今日も白バイ発進!

白バイ隊員は、大型自動二輪免許を保有し、かつ”白バイ要員養成専科”という研修を受けながら、人柄を含む心技体の適性が認められた者のみが就くことのできる特別な業務です。また、白バイは重量が重く、体格では男性の方が恵まれているため、白バイ隊員の男女比は圧倒的に男性の割合が高いのは周知の事実。

しかし昨今、女性白バイ隊員は増加傾向にあり、活躍も目立っています。

そこで今回は、今年3月の「名古屋ウィメンズマラソン」で先導を務め全国的に知られることとなった”姉妹白バイ隊員”、愛知県警交通機動隊に所属する新田華乃(にったはなの)巡査長(右:姉)と、長澤夢乃(ながさわゆめの)巡査(左:妹)に、白バイ隊員を目指したきっかけとライダーへのメッセージを伺いました。

 

初バイクは白バイ!まさに白バイひと筋の姉妹

全国白バイ安全運転競技大会で走行中の姉 華乃さん

まず初めに、姉妹で白バイ隊員を目指すきっかけについて伺ったところ、お二人とも口を揃えて「白バイに乗っている母親に憧れたから」と語ってくれました。そう、彼女たちの母・早苗さんも元は白バイ隊員。実家に飾られている一枚の写真、早苗さんが白バイに跨りマラソン先導役として映る姿に憧れ、姉妹とも同じ道を目指したのです。

姉の華乃さんは、元々バイクに乗ったことも触ったことすらなかったものの、大型自動二輪免許を持っていれば憧れの白バイ隊員になれるかもしれないと考え、警察学校入校前に大型自動二輪免許を取得。そして、白バイ隊員(交通機動隊)の道へと進みました。姉が白バイ隊員になってから2年後、2歳年の離れた妹の夢乃さんも、後を追うように警察学校へと入校したのでした。

意外にも、二人揃ってバイクは白バイ以外に乗ったことがないとのことで、”バイク”そのものではなく”白バイ”に、いや”白バイ隊員である母”に強い憧れがあったようです。

 

母の背中を追い、厳しい訓練も乗り越える

全国白バイ安全運転競技大会で走行中の妹 夢乃さん

白バイ隊員は、300kg超えの車体を自由自在に操り職務にあたるため、体格も重要な素質のひとつです。それゆえに、比較的線の細い華乃さんが白バイ隊員を目指すことに対して、母親は相当に心配していたそうです。

白バイ隊員になるための登竜門である“白バイ要員養成専科”において、厳しい訓練にも挫けることのなかった華乃さんは、白バイ隊員になった今でも、転回(Uターン)や急制動といった敷地内での自主訓練を欠かしません。そこにはすでに、憧れの職業から夢を実現したという驕りなど微塵もなく、プロとして職務に役立てるため、安全運転技術向上のために日々鍛錬しているのです。

愛知県警では毎年数十人が白バイ要員養成専科の研修を受けます。その中から技量や人柄といった適性を認められた数人のみが交通機動隊に配属されるわけですが、非常に狭き門となっています。

しかし、同県警の女性白バイ隊員の比率は高くなっており、現在では一割近くを女性が占めています。強い意志のもと白バイ隊員を志願する女性警察官も多く、愛知県警が女性の活躍を推進する取組を図っていることもあり、比率が高まっています。

先日開催された「第51回 全国白バイ安全運転競技大会」で、愛知県から出場できた女性白バイ隊員はわずか二人、それはまさに彼女たちでした。

 

交通安全を切に願う強い正義感とプロ意識

300kgを超える白バイを自在に操る華乃さん(右)と、夢乃さん(左)

実のところ、白バイ隊員になる以前まで、華乃さんのバイクに対するイメージは良くなかったそうです。大きな音を出して、集団で走るような人たち……。ところが実際に白バイ隊員としてパトロールに出てみると、しっかりと交通ルールを守りながら純粋にバイクを楽しむライダーが大半であったことに気づいたそうです。

また、妹・夢乃さんの周囲には、バイクでツーリングに出かける知人も多いらしく、いつかは自分のバイクでツーリングに行ってみたいと笑顔で答えてくれました。

最後に、現役白バイ隊員であるお二人から一般のライダーへ、特に気をつけて欲しいことを伺いました。

「バイクはクルマに比べてサイズが小さく、クルマのドライバーからは実際よりも遠くにいるような錯覚をおこす場合があります。決して、右折待ちのドライバーから自分の姿や速度が正しく認識されているだろうと過信しないでください。”相手は自分に気づいていない”くらいの気持ちで、特に交差点周辺では十分な減速や周囲の車両との車間距離を多めにとるなど、事故を未然に防ぐための予測運転に十分心がけてください。」と、切なる思いを語っていただきました。

人馬一体ならぬ人車一体となって走り去る姉妹の後ろ姿は、街の安全を切に願う白バイ隊員としての頼もしさに満ち溢れていました。

なお、お二人には年上の兄(長男)がおり、兄もまた警察官。さらに、現在高校に通う年下の弟(次男)も同じ道を目指しているとのこと。家族の大半が警察官とは、なんとも頼もしい限りです。

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