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バイク二人乗りで高速道路を走る際に知っておくべき点

2005年から条件付きで解禁された「高速道路の二輪車二人乗り」は、今ではすっかり利用者も多くなり、バイクライフにさらなる楽しみ方を与えて います。一方で、二人乗りでの走行が禁止されている路線 がいくつかあり、知らずに進入すると 違反行為になってしまうことはもちろんですが、走行ルートも変更しなければなりません。改めて今回は、高速道路での二人乗りを安全に楽しむための注意点や知っておきたい知識についてご紹介します。この記事を読めば、大切な同乗者 とのハイウェイツーリングをより安全に計画できるでしょう。

2005年から解禁された「高速道路での二輪車二人乗り」

かつて日本の高速道路では、バイクの二人乗りは禁止されていましたが 、2005年(平成17年)4月1日の道路交通法改正により、一定の条件を満たすことで解禁されました。

解禁の背景とこれまでの流れ

この解禁の裏側には、一般社団法人日本自動車工業会(以下、自工会)をはじめとする 二輪車関連業界団体の長年の働きかけがありました。自工会では、欧州での実態調査などを取りまとめ、高速道路での二人乗りが交通安全に与える影響や利便性について検討を重ねてきました。2001年には「高速道路の二輪車二人乗り実現に向けて ―欧州実態調査報告書」が公開されるなど、科学的な根拠に基づいた要望活動が行われた結果、現在の解禁に至っています。

バイク二人乗りの条件

一般道や 高速道路で二人乗りをするには、ライダー(運転者)と車両のそれぞれに明確な条件が定められています。

高速道路での二人乗り条件

項目条件
運転者の年齢20歳以上であること
免許保持期間普通二輪または大型二輪免許取得後、通算3年以上経過していること
免許保持期間 普通二輪または大型二輪免許取得後、通算3年以上経過していること
※一般道路での二人乗りは「免許取得後1年以上」ですが、高速道路では「3年以上」かつ「20歳以上」というより厳しい 条件が設けられています。

登録証の表記

車両についても、法律上二人乗りが認められている必要があります。車検証(または軽自動車届出済証)の「乗車定員」が2名と記載されている車両でなければなりません。

違反にあたる条件

条件を満たさずに二人乗り走行を行った場合、以下の処罰の対象となります。

  • 違反行為の種別: 大型自動二輪車等乗車方法違反
  • 違反点数: 2点
  • 反則金: 12,000円

該当する主な内容

以下のいずれかに該当すると違反となります:

  1. (排気量51cc以上で)乗車定員1名のバイクに二人乗りをした場合(一般道)
  2. 免許取得後1年未満(高速道路なら3年未満)で二人乗りをした場合
  3. 20歳未満で高速道路で二人乗りをした場合
  4. 二人乗り禁止区間で二人乗りをした場合

バイクの装備

二人乗りができるバイクには、構造上以下の3つの装備が必須となります。

  1. タンデムステップ: 同乗者が足を乗せるためのステップ
  2. タンデムシート(同乗者シート): 同乗者が座るための十分なスペースがあるシート
  3. タンデムベルト(またはグラブバー、タンデムバー): 同乗者が体を保持するためのベルトや取っ手
    これらの装備がない車両で二人乗りをすることはできません。

二人乗りで高速道路を利用する際の注意点

安全に走行するためには、事前の準備と 同乗者への配慮が欠かせません。

  1. 走行ルートの確認
    あらかじめ走る予定の高速道路の利用状況を確認しましょう。
  2. 標識の確認
    「大型自動二輪車及び普通二輪車二人乗り通行禁止」の標識がないか注意します。あわせて「夜間通行禁止」などの規制も確認しておくと、より安心です。
  3. 同乗者の体調管理
    走行中は風圧や振動により、後ろに座る 同乗者は想像以上に体力を消耗します。こまめに休憩を取り、常に様子を気にかけるようにしましょう。
  4. 二人乗りすることで、ブレーキング時などバイクの挙動や操作のポイントも変わってきますので、よく理解しておきましょう。

有識者に聞く、同乗者の心得

同乗者は何に気をつければ良いのでしょうか。乗るときに掴む場所やコーナリング時の体重移動など同乗者の心得を、モータージャーナリストでありライディングスクール「KRS」校長の柏 秀樹氏に聞きました。

「背もたれのない車両を前提とすると、背もたれがないということは、支えがないため加速すると後ろに置いていかれそうになるし、ブレーキをかけると前につんのめります。なので、乗車姿勢は、片方の手を運転手の腰部分(例:ジーパンのベルト)、もう片方の手は、グラブバーがあればグラブバーを持って、前後方向に支えるというのが基本になります。 サポートベルトやグラブバーは売っていますので、準備しておくことが大事です。

発進する時はこういうふうに身体が置いていかれそうになる、ブレーキをかけた時の身体の動きはこうです、という感覚を事前に掴むためにシミュレーションをしておくことが大切です。まず止まっている状態で確認した後、緩い加減速と完全停止を行い、身体がどう動くかを経験しておくと、高速道路でも安心です。

また、基本的に体重移動はやらなくていいです。体重が重い方ほど車体後方部分の動きに影響が大きく、運転はかえって難しくなります。後ろに乗る時は勝手に動いたりせず、荷物になりきることを心がけましょう。ただし、体重移動するかしないかという点に関しては、運転手によって好みがあるので、乗る前に確認しておくと安全です。

あと、物理的に、バイクというのは重心が後ろに行くほど操縦性が落ちるので、同乗者は運転手からあまり離れすぎないことが理想です。スーパースポーツなどの前傾車両になればなるほど離れるので、その認識をすり合わせておくことが大切です」

二人乗りで高速道路を利用する際の装備

二人乗りでは、 同乗者の安全確保がライダーの責任です。

同乗者の装備

  • ヘルメット: ジェットタイプまたはフルフェイスタイプを推奨します。シールドがない場合は、アイウェア などを使って目を保護しましょう。
  • ライディングウェア: 万が一に備え、ライディンググローブやプロテクターの装着またはプロテクター内蔵ウェアが必要です。

車両のセッティングとアクセサリー

  • サスペンション: 二人乗りでは荷重が大幅に変わります。プリロード調整ができるサスペンションであれば、適切に調整することで安定性が向上します。
  • バ ックレスト(背もたれ): バイクのタイプによっては、装着することで 同乗者 の疲労軽減と脱落防止に役立ちます。
  • インカム: 走行中も会話ができるため、体調確認がスムーズに行えます。
  • サポートベルト: ライダーの腰に取り付けて 同乗者 が使用するベルトで、加速時や制動時に同乗者 の乗車体勢維持を補助してくれる「タンデム用サポートベルト(例:デイトナ製「つかまりベルト」等 )」などの製品も有効です。選定の際は、日本の信頼できる用品メーカーのものを選びましょう。

首都高速道路の一部にある禁止エリア

全国的に解禁されたとはいえ、現在でもすべての高速道路で二人乗りができるわけではありません。特に注意が必要なのが、首都高速道路の一部路線・区間です。都心部の急カーブが連続する区間などでは、安全確保のために現在も「自動二輪車の二人乗り禁止エリア」が設定されています。進入前に必ず標識を確認し、ルートを計画する段階で把握しておくことが重要です。

高速道路でのバイク二人乗りは、条件を守り、適切な装備と準備を整えることで、非常に豊かで楽しいバイクライフの一部となります。しかし、二人で走るということは、ライダー一人の時以上に慎重な運転と責任が求められます。

正しい知識を身につけ、規制やマナーを守ることは、自分たちだけでなくバイク業界全体の安全な環境を守ることにもつながります。しっかりとした計画を立てて、大切な人と共に、風を感じるハイウェイツーリングに出かけてみませんか。

一般社団法人日本自動車工業会「高速道路の二輪車二人乗り実現に向けて―欧州実態調査報告書をとりまとめ―」

https://www.jama.or.jp/release/news/prev/2001/02/010221_0.html

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