
Vストロームを愛するファン約1,000人が浜松に集結!
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2025年11月9日(日)、「KATANA」や「Hayabusa」、「GSX-R/S」と並ぶスズキのスポーツアドベンチャーシリーズ「Vストローム」のファンイベント「Vストロームミーティング」が、11回目の開催を迎えました。当日はあいにくの秋雨模様でしたが、約700台ものバイクが、その故郷であるスズキ浜松工場に集結。Vストロームを愛するファンで大いに賑わいました。本記事では、見どころ盛りだくさんのイベントの模様をお届けします。
Vストロームミーティング2025 イベントレポート
会場の模様

イベントの開場時間の9時に合わせて、さまざまな年式や排気量のVストロームが全国各地から続々と集まり始めました。二輪車専用駐車場は、あっという間にVストロームの展示会のような状態となりました。


車両展示コーナー

会場内で多くの来場者の注目を集めていたのが、車両展示コーナーです。「Vストローム1050」、「Vストローム1050DE」、「Vストローム800」、「Vストローム800DE」、「Vストローム250」、「Vストローム250SX」と、現在ラインアップされているVストロームシリーズの全モデルが展示され、自由に触れたり跨ったりできました。気になる車両の足つきやライディングポジション、スイッチの感触などを熱心に確かめる来場者の姿が印象的でした。



スズキ浜松工場を見学!

今回のイベントの見どころのひとつは、普段は見ることのできない工場見学です。工場内の「第1ライン」「第2ライン」の2つの製造ラインが公開され、この日は、第1ラインではVストローム800DE、第2ラインではVストローム800が製造されていました。参加者は工場スタッフの説明を聞きながら、車両の組み立て過程を見学。Vストロームが完成していくさまを目の当たりにしました。


メッセージボード

車両展示コーナーの奥には、「Vストロームと一緒にかなえたいこと」というテーマが掲げられた大きなメッセージボードが用意されました。来場者はそれぞれの想いを黄色いメッセージカードに記し、ボードに貼り付けていました。
グッズ販売コーナー

会場内には、イベント限定グッズやスズキオリジナルグッズの販売ブースをはじめ、サスペンションやタイヤなどの足まわり商品、バッテリー類、ケミカル用品、バイク用電子機器、ツーリングバッグなどを取り扱うメーカーブースが軒を連ね、大変盛況でした。


スズキ食堂のインドカレー

「スズキビジネス」と名付けられたブースでは、スズキ公式のフードブランド「スズキ食堂」のレトルトカレーが販売されていました。スズキに勤務するインド人従業員や研修生のために生み出されたもので、一般的なレトルトカレーには宗教上の理由により食べられない食材が用いられていることから、ベジタブルカレーとして手がけられました。
各種製品のパッケージはスズキのデザイナーによるオリジナルデザインで、スズキの人気4機種が描かれた「二輪スペシャルパッケージ」(上の写真)はスズキが開催する二輪車の各ユーザーミーティングを記念して発売されました。お味は、レンズ豆とトマトを用いた北インドの煮込み料理「トマトレンズダール」です。

開会式・鈴木社長ご挨拶

開会式を飾ったのは、鈴木 俊宏社長(以下、鈴木社長)からのご挨拶です。
「Vストロームミーティングは2024年に10回の開催を迎え、今後もますます盛大になることを期待しています。
今回大きく変わったのは、これまでスズキ本社の敷地内で行われていたものをスズキ浜松工場にしたことです。工場見学会などコンテンツもご用意していますので、ぜひ楽しんでいっていただきたいと思います。
これからもVストロームミーティングを継続していきたいと考えており、皆様との交流を通して、期待されている部分や改善すべき部分などを得られればと思っております。短い時間ですが、是非楽しんで行ってください!」
Vストローム開発者によるトークショー

大のVストローム好きで知られるモータージャーナリスト ノア セレン氏をMCに、1050・800・250というVストロームシリーズのチーフエンジニアを務められた東郷 隼也氏(以下、東郷氏)、加藤 幸生氏(以下、加藤氏)、鈴木 一立氏(以下、鈴木氏)の3名が登壇、Vストロームにまつわるトークショーが行われました。
ただいま話題となっている「SV-7GX」や「DR-Z4S」、「DR-Z4SM」の開発者が加藤氏ということから話が膨らみ、開発者3名がそれぞれ開発に携わったVストロームの魅力を語りました。東郷氏からは排ガス規制に関する話が、鈴木氏からはバイオエタノール燃料に関する解説があり、来場者は真剣に聞き入っていました。
名前に「二(漢数字)」が入っているVストローム乗りの方抽選会

特別ゲストとして、Vストローム250のオーナーである鈴鹿8耐ライダーの津田 拓也選手がステージに招かれ、名前に「二(漢数字)」が入っている方の抽選会が開催されました。
「Vストローム250に初めて乗ったときに『コレだ!』と思い、手に入れてからずっと乗り続けている大好きなモデルです。個人的にも楽しみにしていたイベントなので、今日は皆さんと一緒に満喫できればと思います」

Vストロームの「V」を数字の「2」に置き換え、名前に「二(漢数字)」が使われている来場者に景品が当たるVストロームミーティングならではの抽選会が実施されました。MCの浜崎 美保さんからの「名前に数字の“二”が入っている方はいらっしゃいますか?」という問いかけに、会場から続々と挙手が。幸運な当選者は景品を手にしていました。

バイク旅の達人とツーリングマップル編集長によるトークショー

午後の部では、冒険家の賀曽利 隆氏(以下、賀曽利氏)とツーリングマップルの編集長を務める舛木 信太郎氏(以下、舛木氏)がステージに登壇。イベント前日に帰国したばかりという賀曽利氏から、体験したばかりのアフリカ大陸縦断ツーリングについて語られました。
ツーリング期間は約1カ月、総走行距離が約8,000kmという壮大なアフリカ大陸縦断ツーリング企画。ルートの詳細をはじめ、立ち寄った国々の風景や食事、現地の人々との交流、さらにはトラブルまで、動画と写真を交えて紹介されました。今回のトークショーのために現地写真の手配や情報収集、帰国した同氏を空港まで迎えに行くなど賀曽利氏を陰ながらサポートした舛木氏からは、道中のこぼれ話や裏話も披露され、会場からは笑い声が上がる和やかなトークショーとなりました。
じゃんけん大会

ステージのノア セレン氏を相手にじゃんけんし、勝ち残った人に豪華な景品が当たる恒例のじゃんけん大会も実施されました。ライダーならぜひ手に入れたいグッズが並び、会場は真剣な空気で包まれていました。

雨にも負けない!Vストロームオーナーに聞いた

「今回で通算9回目の参加で、今日は途中で彼女をピックアップしてきました。参加し続けている理由は、ここで知り合った仲間と年に一度会えることと、開発者の話が楽しいことですね。賀曽利さんのアフリカの話も面白かったですが、やっぱり開発者の話が一番良かったかな。
このバイクには6年乗っていて、長距離乗っていても疲れないのが一番の魅力。週末のツーリングでの使用がメインで、SSTRには毎年参加しています」

「このイベントはVストロームのオープンチャットで知って、興味があったので友達の伊福くん(後述)を誘って一緒に来ました。一番の目的は、他の人のVストロームがどんなカスタムをしているのか見ることですね。以前はカワサキ『Z900RS』に乗っていたのですが、身長200cmの僕には小さくて、それでシート高の高い車両を探して、見つけたのがVストローム800DEでした。大きさもちょうど良くて、一目惚れでしたね。今は街乗りからツーリングまでフル活用しています」

「イベントのことは以前から知っていましたが、なかなか行くキッカケがなかったんです。今回、大西くんに誘ってもらえて念願を果たせました。こういうイベントへの参加は初めてで、楽しいですね。
今の愛車には1年ちょっと乗っています。最初はスポーツバイクに興味があったんですが、今やっているカートレースの会場まで荷物を載せていけるバイクが良かったので、Vストローム250を選びました。使い勝手も良くて、長距離走っても全然疲れません。本当に良いバイクだと思います」
Vストロームミーティング主催者の声

木下 博之氏
「このVストロームミーティングはスズキの車種別イベントの始まりで、2014年11月に第1回を開催しました。当時はVストロームというシリーズにあまり知名度がなかったので、Vストロームというブランドを構築していくにあたり、皆さんにVストロームというものを知っていただくこと、さらにはオーナー同士での繋がりを持ってもらいたいという意図から企画しました。
Vストロームミーティングは他の車種別イベントとは少し雰囲気が異なっていて、柔らかい感じのオーナーの方が多い気がします。それでいて、今日のような雨の日でも『絶対に行くぞ!』という熱い部分も感じるのです。今年で11回目と長く続けてきていることもあって、イベント以外でも仲間同士でミーティングが行われたりしていて、いろいろなところで輪ができているんですよね。
今回の見どころは、Vストロームミーティングとしては初めての浜松工場開催であることです。ここでVストローム800やVストローム1050が作られていることから、工場見学を通じてVストロームのより深い魅力を皆さんに感じていただけるのではないかとも思います。
Vストロームシリーズは、スズキのラインアップでもっともバリエーションが多く、初心者でも乗りやすい250ccモデルから、より一層バイクライフを盛り上げてくれる800ccモデル、1050ccモデルまで、機種ごとに魅力を持っているのが特長です。このイベントは、Vストロームに乗る人、興味を持つ人たちが集う場であり、年に一度はここに集まって、Vストロームというモデルを仲間とともに愛でる、楽しむための場所になったらいいなと考えています。私も第1回開催から携わっているので思い入れもあり、今後もVストロームというモデルを良く知ることができ、楽しんでもらえるような場にしていきたいと考えていますので、ご興味をお持ちの方はぜひ足を運んでみてください」
日本中のVストローム愛がここに集結


あいにくの空模様に見舞われたにもかかわらず、日本全国から大勢のVストロームファンが集結したVストロームミーティングには、参加者だけでなくスズキのスタッフの表情にも笑顔が溢れ、そしてVストローム愛が会場に満ちていました。Vストロームを生み出す浜松工場が会場となったことで、Vストロームにさらに魅了されたオーナーもいることでしょう。来年以降のイベントの発展が今から楽しみです。








