オトナの泥遊びが人気!?仲間でわいわいオフロードレース(WEXイースト@クロスパーク勝沼)
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昔から、オフロードレースに新たに参戦するのはいくつかのハードルがあると言われています。
1つ目の理由は、開催場所が山間部など離れたところに あり人目に触れる機会が少ないという点です。また、遠方などの場合、エントリーするバイクを運搬するためのトランスポーターが必要になることもあります。
2つ目は、オフロード競技の種類が細分化されており、どのクラスに出るべきか(出られるのか)を知る機会が少ないということもあげられます。
3つ目は、オフロードレース用のコンペティションモデル(競技専用モデル)を一例に選択肢が少ないほか、中古車選びも難しく、外装だけでは前所有者の使用歴が判断しにくいことがあります。
また、専用の装備(ボディープロクターやオフロードブーツなど)も必要になります。
こうした様々なハードルがあるにも関わらず、現在オフロードレース(またはオフロードコース走行)が密かに注目を集め、にわかに活気付いています。そこで今回は、山梨県にあるクロスパーク勝沼で行われたクロスカントリーレース「WEXイースト最終8戦」へ出向き、オフロードに夢中になるユーザーを調査しました。
オフロード競技の種類
オフロード競技を大まかに分けると、今回取材したクロスカントリー以外にも、モトクロス、ラリー、ダートトラックレース、トライアル、エンデューロなどがあります。
<モトクロス>
起伏のある広い地形のコースを舞台とするレースであり、ジャンプも高く、スピードも速く、コーナーでの競い合いもかなり厳しいダイナミックな競技です。
<ラリー>
ゴールまでのルートをマップに従って走行して競うレースで、一般公道はもちろん、草原や荒野なども走行しながら速く正確に走りきる競技です。
<ダートトラックレース>
長円形の平らなダート(土)トラックで行われるスピードレースです。ドリフトさせてコーナーを曲がる派手なアクションが見どころで、特に海外で人気の競技です。
<トライアル>
大きな岩や急こう配などを含むマーカーで定められたコースでいかに足を着かずに走破するかを競う、スピードではなくマシンコントロールやバランスが求められる競技です。
<エンデューロ>
モトクロスのように広いコースではないももの、木々の間を縫うように進むコースや急斜面のみならず一般公道なども走行し、操作技術や車体バランスなど複雑なコントロールが要求される競技です。さらに、コースのなかにいくつかの競技区間を設けてその区間のタイムを争うオンタイム制で順位が決まります。オンタイムエンデューロ、クロスカントリーエンデューロ、ハードエンデューロの三種目に分かれています。
<クロスカントリー>
モトクロスが人工的に造成された土の上を走るのに対し、クロスカントリーは自然地形を走るレースです。そのため、モトクロスほど速さは出ませんが、エンデューロよりもハイスピードな競技です。また、エンデューロのようなオンタイム制ではなく、決められた時間内で周回数とタイムを競う耐久レースです。
また、ハードエンデューロという競技もあり、名前はエンデューロと似ているものの特徴は全く異なります。クロスカントリーのように規定時間内の周回数とタイムを競う耐久レースでありながら、コース設定がとにかくハード。自然の地形を舞台に、巨大な障害物や断崖絶壁など、簡単に周回させないようなレイアウトとなっているため、一周するだけでも大変な競技です。
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WEXイースト最終8戦
さて、今回取材したWEXイースト最終8戦@クロスパーク勝沼は、全2日間のスケジュールとなっており、土曜日に50分、日曜日の午前90分、午後120分に分かれていました。
さらには、車両の種類(排気量、改造度、タイプなど)や経験などで参加クラスが分かれており、同じ時間枠を走行し、クラスごとに順位が決められるとのことでした。
なお、この日の90分は、人里離れた開催場所であるにも関わらず、100名前後が参加しており、人気の高さが伺えました。
仲間でワイワイ!大人の泥んこ遊びのような感覚
はじめに、全国各地のオフロードコースを回り、現地でライダーのサポートを行なっているヤマハのモトクロスシーンを牽引し、10年ほど前から始めたエンデューロでもキング・オブ・キングスと称される鈴木健二さんに、クロスカントリーの魅力についてお話を伺いました。
比較的自然そのままのコース設定が魅力的なクロスカントリーは、自分で整備も楽しみながら遊んでいる元気な人が多いですね。
バイクの制限(レギュレーション)がさほど厳しくないという点が初心者にとって優しく、さらに初心者向けのレースは午前中に組まれることが多いので、お昼には帰路につけるのも、初心者が参入しやすい理由の一つですね。
やはりオフを始めたいと考えている方には、参加車両の規定もありますが、コースの変化が豊富かつ、そこまでスピードを求めないエンデューロ、クロスカントリーあたりから入るのがおすすめです。
最近の参入傾向としては、まずSNSで仲間を探して競技会場に同行し、それから、装備や車両などを徐々に買い揃えていくというパターンを良く聞きます。前夜は仲間同士でキャンプをしながら親睦を深め、当日は自然の中で体力・知力をフルに使って楽しむ爽快なスポーツだと思います。
参加してみてわかる楽しさとは?
こちらのMさん夫婦は、いかにもベテランという出立ちですが、ご主人からの誘いで始めたクロスカントリーへの参戦はまだ2年目とのことでした。
オフロード自体は5年ほどの経験になるそうで、クロスカントリーの魅力について尋ねると「仲間でわいわい、泥んこになれる!何よりも達成感が最高!」と即答でした。
ちなみに、奥様はレディースクラスで見事優勝!おめでとうございます!
こちらは新潟から電動オフロードバイクを持ち込み参加していたHさん。
すでに帰り支度をしているところを引き留めて声をかけると、午前の90分クラスを走り切った後の爽快さが満面の笑顔に表れていました。
なお、右に見えるピックアップトラックのトノカバーの上にバイクを積載していました。さすがは電動バイクです。
マルティーニ仕様のポルシェに乗っていたというAさんは、同じくマルティーニカラーに仕上がった電動オフロードバイクで筑波から参加されていました。
バイクに乗り始めたのは7〜8年前とのことで、初めはオンロードバイクに乗っていましたが、MotoGPライダーのバレンティーノ・ロッシ選手が「オフロードに乗るとバイクが上手くなる」というのを聞いてオフロードの世界に転身したそうです。
年間約8戦をこの電動バイクで参戦するそうで、何といっても仲間と気軽に森を駆け抜ける楽しさはオンロードレースにはない魅力だと語ってくれました。
全日本を目指す若者から夫婦で参戦の方、そして常連の方まで、会場全体が旧知の仲であるかのように、みんなで健闘をたたえ合っていました。
都会の雑踏から距離を置き、自分の知力・体力を駆使して自然のなかを無心で走るクロスカントリー。
会場までのアクセスやバイク・装備品の準備など、少々大変なのかもしれませんが、チェッカーフラッグが振られ、ヘルメットを脱いだライダー達の爽快な笑顔を見ていると、参加してみたいという衝動に駆られました。興味を持たれた方は、まず動画などで雰囲気を掴んでみるのも良いかもしれません。