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チーム“華麗衆”は18~20歳の若者チーム

若者も虜にする草レース「カブカップ」の魅力とは?

「カブマニアやホンダLover大集合! 超低燃費のビジネスバイクや電動バイクを使用した、地球とお財布に優しい時代を先行く、次世代モーターレース」そんなキャッチコピーを掲げ、10年以上に渡り富士スピードウェイで開催されてきた、初心者から上級者まで誰でも気軽に参加できる「CUB-CUP(以下、カブカップ)」というレースをご存知でしょうか。

カブカップの参加資格は「バイクメーカーが“ビジネスバイク”として販売している車両」という一風変わった括りのある草レース(アマチュアレース)です。

2008年9月に第1回大会で結局参加者が1組も集まらず延期、その後再び募集し14チームが参加して2009年4月19日に記念すべき第1回大会が開催されたといいます。それから約8年間は10〜12チーム前後と参加率が低迷していたものの、ここ数年は常にキャンセル待ち状態の人気レースイベントです。

今回は、今年で14年も続くカブカップの人気の秘密を聞き出すべく、主催者の富士スピードウェイ内カートコース事務所の藤井穂高さん(以下、藤井さん)に伺いました。

 

年齢・性別・バイク歴問わず誰でも童心に帰って楽しめる

藤井さんは元々、ノーマル(レース用の改造を施さない)のカブで行う究極のレース大会を常に追い求めていました。それに同調してくれたのが現在の参加者だそうです。

カブカップの大きな魅力の一つは、庶民性のあるバイクで競争ができてしまう意外性ではないかと。

 

参加者のバイクを見てみると、ビジネスバイクという規則こそあれど、メーカーも年式もカラーも様々。それぞれの参加者の想いが形になっていると言えます。

また、10年以上も続いている理由を尋ねると、一回あたりのコストが比較的低く、年間に5〜6回参戦できるため、次の目標が立てやすいことなどが挙げられました。特に大きな理由は、モデル自体の基本構造がほぼ昔から変わっていないことで、部品調達などの面でも市場に潤沢にあり、メンテナンスもシンプルであるということです。実際、参加車両は30年前のものから現行車まで、様々な年式のビジネスバイクが参加しているとのことでした。

 

チーム結成、そして仲間の輪は人それぞれに

冒頭の画像のチーム、上はゼッケンナンバー29が激走するチーム“華麗衆”の発起人にお話を伺いました。

「元々はママチャリや人力車の競技に出場していたが、年齢を重ねるとともに体力的に厳しくなり、同じマンションのバイク乗りの若者に声をかけたことから始まった。 すると、その若者が普段から走りに行くバイク仲間にも声をかけ、あれよあれよという間に参加希望者が集まった。 皆で割り勘にするタイヤ交換も年に一回くらい、1レースでの消費燃料は3リットル、平日の練習走行は1台あたり3,000円と、あまりお金がかからないことも続けられるポイントだと思う。」

参加している10代のバイク仲間は、公道では出すことのできないスピードをここ富士スピードウェイで楽しんでいるそう。また、3時間の交代走行を終えた後に待つ屋外でのバーベキューも楽しみの一つだそうです。

 

こちらの2チームはTwitterでの繋がりがきっかけ

このチームは、レースのスポンサーカラーをまとったカブでツーリング中に、同じカラーのバイクとつなぎを着た若者に出会いました。その後、ツーリング先で楽しんでる様子をTwitterで発信し続け、このカブカップに誘ったところ、現在では7名で行う2チーム体制にまで。バイクを運び込む人、メンテナンスをする人など、役割も上手く分かれていて、今年は2参戦2シーズン目に入っているとのこと。

ある時、関西で行われた同様のレースに参加したときに、参加者の横のつながりやフレンドリーな雰囲気にとても魅かれたそう。それ以来、頻繁にこのコースに集まって練習しており、他のチームからも色々なことを教えてくれると慕われていたチームでした。

 

SSTR参加途中の旅先で、知り合い女性チーム結成を誘われる

こちらは一見雑然としているテントですが、SSTRの旅先で女子チームを作ってみないかと声を掛けられ、それがきっかけでカブカップへの参加が始まりました。現在はミックスレーシング(土田、繁澤、大野、太田)、ユ・ミックスレーシング(塚本、加藤、池上、畠山、谷口)、y.yレーシングの3チーム体制で参加しています。

ミックスレーシングは2014年から、ユ・ミックスレーシングは2016年最終戦から参加しており、55号車は仲間のコレクションから女子用にカラーリングしてもらったそうです。年間4〜5回参戦していて、ミックスレーシングは2019年に年間1位を獲得しました。

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長い間参戦が続く理由を伺うと、

「仲間とは直接会う機会が少ないので、それゆえにサーキットでは普段と違った会話も楽しく、カブカップ参戦となると皆で力を合わせて競う楽しみもあり、毎回そこに行くのが楽しみになる」

とのことでした。

 

この日のレース開始直後は霧も残り路面も濡れている状態で、転倒するライダーもいましたが、それほどスピードが出ていないのと、しっかりと革製のライダースーツに身を包んでいるせいか、転倒しても何もなかったようにすぐ立ち上がりレースに復帰していました。こんなようなところも魅力なのかもしれません。

走り出すまでは、入口は入り易い一般的な市販のバイクや、ノーマルのバイクをベースにしているものの一体いつの時代のバイク?といった新旧混在の面白さ、外装部品を思い思いのカラーにカスタムする楽しみがある。そして、いざレースとなればライダースーツに身を包み、走りだせば緊張感や達成感もまさに本格的レースと同等。レースが終われば久しぶりに再会する仲間たちとの談笑やBBQがあり、一度でいくつもの楽しみを味うことができるローカルレース。

開催日に共通の趣味を持った仲間と再会する楽しみ、そしてバイクの楽しさを共有できる仲間の輪が広がることで、次の年もレースに参加したくなる。その気持ちが何となくわかってきました。

富士スピードウェイ カートコース

http://www.japan-racing.jp/fsw/

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