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スズキHayabusaの聖地に1,800台が集結!「隼駅まつり」

鳥取県を走る若桜鉄道の「隼駅」の名にちなんで、スズキ「Hayabusa」を愛するライダーが集う一大バイクイベント「隼駅まつり」が、今年は8月10日(日)に船岡竹林公園(鳥取県八頭郡) にて開催されました。また、前日9日の午後には若桜鉄道・若桜駅で、今年3月から新デザインとなった隼ラッピング列車とバイクの特別撮影会も行われました。15回目となる今年は雨天にもかかわらず、隼を中心に2日間にわたり約1,800台のバイクが集結、国内最大級と言っても過言ではないイベントとなって大いに盛り上がりました。はるばる隼駅まで駆けつけたHayabusaオーナーの声と合わせてイベントの模様をお届けします。

7人のHayabusaオーナーから始まった伝説 ─ 隼駅まつりの軌跡

隼駅が国の登録有形文化財に指定された2008年、二輪専門誌「ミスター・バイク」の呼びかけで8月8日(同誌が「ハヤブサの日」と命名)、スズキHayabusaオーナーが愛車とともに隼駅に集まりました。翌2009年より「隼駅まつり」という正式なイベントとして開催されるようになったのです。「第1回 隼駅まつり」では約200台のバイクが集まる規模となり、コロナ禍によるWeb開催を挟みながら継続的に開催され、昨年の「第14回 隼駅まつり」では約2,500台のバイク、約2,700人の来場者で賑わうまでになりました。単一モデルのバイクミーティングとしては、日本最大級と言える規模です。

今年の「第15回 隼駅まつり」は8月10日、船岡竹林公園(鳥取県八頭郡)を会場として開催されました。「隼駅まつり」が始まって以来、初となる雨中での開催となりましたが、それでも全国各地から大勢のバイクがやってきました。旅慣れているベテランライダーからは「毎年暑くて大変だけど、今日は涼しくて快適!」との声も聞けるなど、悪天候すら楽しみに変えてしまう明るさが魅力的でした。

鈴木社長のサプライズ発言に会場が沸いた!

開会式に登壇した鈴木社長

午前10時からの開会式では、隼駅まつり実行委員会の石谷 優 会長や八頭町長 𠮷田 英人氏、スズキ株式会社 代表取締役社長 鈴木 俊宏氏(以下、鈴木社長)が登壇しました。

鈴木社長の「Hayabusa生誕30周年に向けて設計陣が奮闘中です」という一言に、会場は大きなどよめきと拍手に包まれました。

また、八頭町で幼少期を過ごした内閣総理大臣 石破 茂氏からのメッセージが代読されました。

レジェンドライダーと現役レーサーによるトークショー

Hayabusaにまつわるトークで会場を盛り上げた津田選手(左)と北川氏

続いて行われたトークショーには、世界耐久選手権で2005年、2006年とチャンピオンに輝いた元ロードレースライダーの北川 圭一氏(以下、北川氏)と、「チームスズキCNチャレンジ」の一員として「2025 FIM世界耐久選手権 “コカ・コーラ”鈴鹿8時間耐久ロードレース 第46回大会」(以下、鈴鹿8耐)に挑んだロードレースライダー津田 拓也選手(津田選手)が登場。

京都から会場までHayabusaで自走参加した北川氏は「途中、山道で迷ってしまいました」と笑いを誘い、津田選手は鈴鹿8耐の舞台裏や今後のチャレンジについて熱く語りました。

地域も一体!さまざまなコンテンツに盛り上がる会場

会場では、地元の婦人会「隼OND」による隼音頭の披露、「遠くから来たで賞」や「私が一番元気だぞ賞(最高齢賞)」などが贈られたライダー交流会、大抽選会、じゃんけん大会などが催されました。あいにくの雨模様ではありましたが、会場は終始にぎやかでした。

婦人会「隼OND」による隼音頭。うちわには「隼」のロゴが描かれていました
大抽選会、そしてじゃんけん大会では豪華景品が!
記念ステッカーを求める来場者で長蛇の列ができました
頒布された「第15回 隼駅まつり」記念ステッカー(左下)と「隼駅ステッカー」(右)。バイクで来場した方には、駐輪場スタッフから「隼オリジナルスタンドホルダー」(左上)が配られました
今年の「隼駅まつりオリジナルTシャツ」はベビーピンクとホワイトの2色。「隼駅まつりオリジナルキャップ」も用意されました

イベント終了後、駐車場では「また来年!」「お互い気を付けて!」と声を掛け合うライダーの姿が印象的でした。

駅でも大行列!“聖地”で叶える夢の記念撮影

「隼駅まつり」をキッカケに駅前が整備され、綺麗な駅舎となった「隼駅」

イベントの主役である「隼駅」は、イベント会場から約2.7kmの場所にあり、バイクだと4分ほどの距離です。イベント当日だけでなく前日から、隼駅での記念撮影に来るライダーで行列ができていました。

「隼駅まつり」に合わせて、7月1日から8月31日まで駅名板がHayabusa仕様に
イベント期間中の「隼駅」では、ボランティアスタッフによる記念撮影が可能
同じ長野ナンバーということで、現地で意気投合したお二人。素敵な出会いですね
「隼駅」での記念撮影後、イベント会場へ向かう方が多くいました
2016年からHayabusaのラッピング列車を運行している若桜鉄道。写真は今年3月から運行している4代目で、このデザインは若桜鉄道の桜をモチーフにしたもの

1930(昭和5)年開業の駅本屋とプラットフォームは国の登録有形文化財に登録されています。

全国から集うオーナーの声 ─ Hayabusa愛に迫る

石塚典敬さん / 53歳 / 北海道 / スズキ Hayabusa

「札幌からタンデムで来ました。『隼駅まつり』にはいつも参加しています。以前はHayabusa 2型に乗っていたのですが、『隼駅まつり』で3型を見ているうちに惹かれてしまい、約3万km走った2型から今年乗り換えました。

北海道でもHayabusaのミーティングがあるので、二人であちこち出かけています。2型に比べて3型はジェントルになった印象で、クルーズコントロールシステムは重宝しています」

ハマヤンさん / 37歳 / 愛知県 / スズキ Hayabusa

「ネイキッドやスーパースポーツ、クルーザー、モトクロッサーと、いろんなジャンルのバイクを乗り継いできて、今年4月にHayabusaを購入しました。国内メーカーで唯一スズキのバイクに乗ったことがなく、せっかくスズキから選ぶならフラッグシップモデルがいいなと思ってHayabusaを選びました。排気量1,340ccとは思えないほど軽快で乗りやすく、求めているバイクの面白味もしっかり持ってくれています。自分に合っているバイクだと思います」

蓮見一郎さん / 55歳 / 東京都 / スズキ Hayabusa

「YouTubeで大型アメリカンバイクが走っている姿を見て、大型二輪免許を取得しました。日本メーカーのフラッグシップモデルに乗りたい気持ちが高まって、今年2月にこのHayabusaを購入しました。

Hayabusa乗りとして『隼駅まつり』への参加は憧れでした。東京から約700km、念願が叶いました!

意のままに走ってくれるというか、自分の思ったとおりに加速し、そして曲がってくれます。この乗りやすさが最高ですね。車重があるので取り回しには気を使いますが、慣れてくると思います」

隼駅まつり実行委員会 会長が語る「隼駅まつり」の未来と願い

隼駅まつり実行委員会 会長、若桜鉄道 隼駅を守る会 会長
石谷 優 氏

「『Hayabusa乗りの皆さん、おかえりなさい!』と言って、毎年お出迎えさせていただいています。『隼駅まつり』が始まった頃は、たくさんのバイクが集まることに驚く地元住民もいましたが、来場者は皆マナーが良く、ライダーへの好印象が高まるとともに、今では『隼駅まつり』やライダーを迎える取り組みを応援してもらっています。

今年は『隼駅まつり』15回目の開催でもあり、『隼駅』の開業95周年でもあります。5年後の第20回『隼駅まつり』と『隼駅』開業100周年を目指して、毎年大切に、そして一所懸命頑張っていこうと思っています。

年々参加台数が増えていってまして、より多くのライダーに来てもらえるような場所づくりや取り組みをしていきますよ」

町が動く!「隼駅まつり」がもたらした地域の変化

八頭町役場 若桜鉄道運行対策室 兼 企画課 交通政策係 副主幹
保木本 幸雄 氏

「『隼駅まつり』に携わってちょうど10年になりました。当初は『隼駅を守る会』という地元有志を中心とした運営でしたが、私たち八頭町が事務局を引き継ぎました。

15回目の開催を迎えた『隼駅まつり』に参加くださるライダーは、皆さんマナーが良くて、安心してお迎えできます。地元住民もライダーに手を振ってくれたりと、とても良い関係が築けているんです。現在、八頭町を訪れてくれる方が寛げるカフェが駅前にできたり、Uターンの若者が宿泊施設を開業したりと、『隼駅まつり』をキッカケに町は新たな活力を得つつあります。

今、お隣の若桜町にある『道の駅 若桜 桜ん坊』と連携して、ライダーを受け入れる体制を広げつつあります。このような取り組みを鳥取県全体に広げていきたいと考えています。普段は通過点となっている『隼駅』でガチャを回していただいて、ランダムに出てきた名所をバイクで回ってもらう。そんな企画も考えているので、是非参加いただきたいです」

バイクイベントが町を変える!「隼駅まつり」の力

鈴木社長をはじめ、伊勢 敬 二輪事業本部長、隼駅まつり実行委員会の石谷 優 会長らが来場者をお見送り
雨の中、帰路につく皆さん。また来年!

地元有志に加え各地からのボランティアと八頭町、そしてHayabusaを世に生み出したスズキ、さらに全国から集うHayabusaオーナーが力を合わせて育ててきた「隼駅まつり」。雨の中でも沿道から手を振ってくれる地域の人々の温かさが、このイベントを支えています。単一モデルのイベントとしては国内でも稀に見る来場者数を誇り、ここには“Hayabusaだからこそ”実現できた一体感があります。メーカーの情熱、そしてオーナーの深い“Hayabusa愛”が結集して育まれたこの祭典は、バイクイベントの枠を超え、末長くバイクライフを楽しむための“コトづくり”としての可能性を示す好例と言えます。

Hayabusaオーナーはもちろん、その雰囲気を味わってみたいライダーも、ぜひ来年は鳥取県へ足を運んでみてはいかがでしょうか。

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