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【速報】バイク・ラブ・フォーラムで発表された「二輪車産業政策ロードマップ2030」とは?

MOTOINFOでは以前、バイク・ラブ・フォーラム(以下、BLF)についてご紹介しましたが、本日11月22日に第9回BLFがオンラインで開催されました。

今回のメインテーマは、二輪車市場の発展を見据えた、これからの10年後の未来を示す「二輪車産業政策ロードマップ2030」です。なお、前回(2014年)に策定したロードマップ(以下、ロードマップ2020)と区別するために“2030”が付与されています。

そこで今回は、先ほど発表された「二輪車産業政策ロードマップ2030(以下、ロードマップ2030)」の概要についてご紹介します。

2030年に向けて二輪車業界団体、政府、地方公共団体が連携を取りながら取り組む政策課題は以下の4つです。

  1. 2050年二輪車による交通事故死亡者ゼロを目指す
  2. 2050年カーボンニュートラル達成への貢献
  3. 購入・利用環境整備と社会・他モビリティとの共生、バイクライフを楽しく続けるための安全・利用環境作り
  4. 快適・楽しさの追求

 

ロードマップ2030では環境変化を踏まえた課題が追加

今回発表されたロードマップ2030では、ロードマップ2020で掲げた目標の達成状況から引き続き継続課題として取り組む一方で、コロナ禍におけるニューノーマルや、所有以外でのバイク利活用の普及(レンタルなど)、新しいモビリティの出現(電動キックボードなど)といった環境変化を踏まえつつ、さらにカーボンニュートラルへの取り組みといった、変化する時代に合わせた新たな課題が織り込まれました。

  • ロードマップ2020の継続課題に加え、環境変化を踏まえた新規課題を整理
  • 新車販売に留まらない、国内二輪市場全体の活性化を目指す

 

変化の中で社会への責務を果たしながら二輪市場活性化が目標

コロナ禍における移動手段の多様化によって、趣味と実益を兼ねたモビリティとして再び見直され始めた二輪車は、アウトドアブームの追い風もあり、新規・リターン、老若男女問わずユーザーが増加傾向にあります。

これらを踏まえて二輪車ならではの価値提供によって人々の暮らしに感動を届けつつ、二輪車業界としても変化が求められているカーボンニュートラルへの対応や、交通事故死亡者ゼロへ向けた取り組みといった社会に果たすべき責務の両輪によって、2030年初頭に向けた国内二輪市場の活性化を目標としています。

 

実施施策の概要と2030年のゴールイメージ

安全視点でのポイントはやはり”交通事故死者数ゼロ”が課題

二輪を利用するユーザーを仕分けせず、高校生、一般ライダー、事業利用者全てを対象に、安全運転教育の強化を図り、ヘルメットの適正着用や胸部プロテクター有用性の認知向上と着用推進に向けた施策で、2050年までに事故死者数ゼロをゴールイメージとしています。

 

カーボンニュートラル達成への貢献に向けた施策

二輪車のカーボンニュートラル達成に向けた施策としては、電動二輪車(BEV[バッテリーEV]だけでなく、ハイブリッドも含む)、合成燃料対応車等によるカーボンニュートラル達成への貢献がゴールイメージとなります。

ここの課題に対する実施施策として注目すべきは、あくまでも二輪車のBEV化は施策のひとつであり、合成燃料対応など別の視点からもカーボンニュートラル達成へ貢献していくとしている点です。

 

多様な価値観・利用・社会・他モビリティとの共生

ロードマップ2020からの継続施策として、駐車場整備や高速料金適正化、免許制度の見直しといった社会基盤の整備に加え、所有以外でのバイク利活用の普及(レンタルなど)、新しいモビリティの出現(電動キックボードなど)といった環境変化を踏まえた施策が盛り込まれています。

また、二輪車販売における品質評価を適正に表示する販売店の拡充や、店頭における安全指導などによって、販売店の信頼性向上を目指しています。

さらに、安心な中古車市場の拡大を目指し、インターネットでの中古車の品質確認に関する情報の拡充や、ユーザーに向けて適正な走行距離表示の徹底化を図るとしています。

 

快適・楽しさの訴求

コロナ禍で様々なユーザー向けのイベントが実施されず、今後改めて、ユーザーとの接点構築が急務とされています。若者ユーザーに向けた情報発信強化により、アウトドアブームの後押しも受けながら、各々のユーザーのライフスタイルにあったバイクライフ定着のための施策を図る必要があります。

特に、若者や潜在ユーザーに向け二輪車の魅力を伝えるための発信方法・手法を検討し、関連趣味・娯楽(キャンプやファッション、e-sportsなど)とのコラボレーションや、地方公共団体と連携したイベントやバイクツーリズムなどによって、二輪車の楽しさ訴求を図るとしています。

 

ロードマップ2020の継続課題や新車販売に留まらず、環境変化を踏まえた新規課題に対する各施策や社会に果たすべき責務を遂行することによって、二輪市場のさらなる発展を目指すロードマップ2030。これから二輪車業界団体、経済産業省、地方公共団体の連携により取り組みが進められていきます。

次回は各課題の目指すべき将来像(ゴールイメージ)について、もう少し踏み込んでご説明します。

ロードマップ2030についてのご意見・ご感想がございましたら、こちらよりご意見をお寄せください。

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