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ご存知ですか?バイクの自賠責保険が期限切れの場合どうなる?罰則や、再加入費用まとめ

昨今バイクは、”3密”を回避した移動手段として報じられることもありますが、コロナ禍による特需などではなく、2017年から軽二輪車(126cc〜250cc)・小型二輪車(251cc〜)の新車販売台数は右肩上がり。全国軽自動車協会連合会によると、2020年の軽二輪車新車販売台数は前年比27.5%増の7万4,392台、小型二輪車新車販売台数も前年比1.4%増の6万7,379台と、いずれも前年実績を上回る勢いです。

しかし残念なことに、バイクに乗る人が増えれば増えるほど、自賠責保険の更新を忘れてしまう人も増えてきます。そこで今回は、国で加入が義務付けられている自賠責保険の重要性についてご紹介いたします。

 

自賠責保険の概要

自賠責保険とは、「自動車損害賠償責任保険」の略称で、クルマやバイクなど、全ての所有者に加入が義務づけられている損害保険です。公道でバイクを走らせる際に、加入が義務付けられていることから、「強制保険」とも言われています。

なお、車検が必要な小型二輪車(250cc超)の場合は、車検時に自賠責保険の加入・更新を行いますが、車検制度の適用がない原付(125cc以下)や軽二輪(125cc超250cc以下)の場合は、保有者自身が、バイク販売店や損害保険会社、もしくはコンビニ等で更新手続きをする必要があります。

 

自賠責保険の加入率は?

先の通り、小型二輪車の場合は車検時に自賠責保険の更新をする(自賠責保険が更新されていないと車検が受けられない)ため自賠責保険の更新手続きを忘れる事はありませんが、バイク保有者に更新手続きが委ねられた原動機付自転車(以下、原付)および軽二輪の場合は、車両購入時に自賠責保険加入した後、そのまま満了をむかえ、うっかり更新を忘れてしまう場合もあります。

特に、利便性・経済性に優れた原付は、その手軽さから更新手続きを忘れてしまう方も多い傾向にありますので注意が必要です。

 

日本自動車工業会「二輪車保有台数」、損害保険料率算出機構「自動車保険の概況」

ここで、実際に原付の加入率を例に見てみましょう。

日本自動車工業会および、損害保険料率算出機構の統計によると、2019年の原付保有台数が約689万台あるのに対し、自賠責保険の加入台数は約557万台、自賠責保険の加入率は約81%でした。

使用されていない原付(自賠責保険の更新をせずに車両を保管している状態)もそれなりにあると推察されますので、実際に公道を走る原付の自賠責保険加入率はもっと高いと思われますが、それでも相当数の原付が無保険状態で走行しているのも事実です。

 

自賠責保険切れの際の罰則は?

先の通り、自動車損害賠償保障法に基づき、自賠責保険に加入していなければバイクを運転することはできません。

たとえ事故を起こさなかったとしても、自賠責保険に未加入(無保険)の状態で走行した場合は1年以下の懲役または50万円以下の罰金となります。さらに追加で、違反点数6点が付され即座に免許停止処分にもなります。また、自賠責保険の証明書を所持していなかっただけでも30万円以下の罰金が科せられます。

 

自賠責保険切れで事故を起こしたら?任意保険への影響も…

さらに、自賠責保険に未加入(無保険)の状態で事故を起こし、相手に損害を与えてしまった場合は、当然のことながら全額自己負担となります。

例えば、被害者に後遺障害が残ってしまったり、死亡させてしまった場合の損害賠償金額は3億円以上になることも珍しくありません。

また、損害賠償責任者(運転者やバイクの所有者)などに代わって、国が被害者に損害のてん補を行った場合は、損害賠償請求訴訟を提訴することになります。その後、裁判所の判決によって、損害賠償責任者が所持しているクルマやバイク、土地や建物、給与などといった財産が差し押さえられます。

では、任意保険には加入していたものの、自賠責保険は未加入(無保険)の状態で事故を起こしてしまった場合は、どうなるのでしょうか。

任意保険は、自賠責保険で補償される限度額(死亡事故の場合、最高3,000万円) を超えた分のみの補償となります。そのため、死亡事故を起こして損害賠償金額が3,500万円だったとしたら、自賠責保険による補償分の3,000万円は自己負担となります。また、自賠責保険未加入ですので、1年以下の懲役または50万円以下の罰金に加え、違反点数6点が付され即座に免許停止処分になることもお忘れなく。

 

自賠責保険の費用

2021年(令和3年)4月1日以降の自賠責保険料は以下の通りです。

ちなみに自賠責保険の保険料は、毎年1月に金融庁で開かれる「自動車損害賠償責任保険審議会」で、その年度の4月1日以降加入分の保険料が決まる仕組みです。

 


このように、長期契約するほど割安になっていることがお分かりいただけるかと思います。

なお、保険料の下に[]で1か月あたりの保険料も記載しましたが、原付に60か月で加入すると月々の自賠責保険料は233円、1日約8円という計算になります。

 

自賠責保険の重要性

自賠責保険は、事故の際に被害者への必要最低限の対人賠償を確保するためのものであり、国で加入が義務づけられている損害保険です。

また、未加入(無保険)の状態で事故を起こした場合、加害者は刑事処分・行政処分の対象となるばかりか、多額の損害賠償金を自己負担することになります。

そのため、国土交通省でも毎年9月を「自賠責制度広報・啓発期間」と位置付け、自賠責制度の重要性や役割、無保険車運行の違法性などについて広報・啓発活動を実施し、自賠責保険への加入促進を呼びかけています。

現在バイクを持っている方であれば、更新ハガキ到着後、忘れないうちに更新手続きをするように心がけましょう。250cc以下のバイク(原付を含む)であれば、一部のコンビニやインターネットでも加入や更新の手続きができるので、是非活用してみてください。

 

法律で定められた強制的な保険であるにも関わらず、いまだ未加入(無保険)の車両は一定の台数が存在するのも事実です。意図的に加入しないのは論外ですが、「うっかり忘れ」であれば、周囲の協力によって未然に防ぐことのできる可能性もあります。もしも家族・友達・知人にバイク所有者がいたら、自賠責保険期限の確認をしてあげてもお節介にはならないでしょう。この記事をきっかけに、自賠責保険についての大切さを再認識していただきつつ、ご自身や身の回りのバイク自賠責保険期限をチェックするきっかけとなれば幸いです。

国土交通省「期限切れてない?自賠責保険・自賠責共済」

https://www.mlit.go.jp/report/press/jidosha02_hh_000466.html

日本自動車工業会「二輪車保有台数」

https://www.jama.or.jp/industry/two_wheeled/two_wheeled_3t1.html

損害保険料率算出機構「自動車保険の概況」

https://www.giroj.or.jp/publication/outline_j/

全国軽自動車協会連合会「軽二輪、小型二輪車の新車販売台数の推移」

https://www.zenkeijikyo.or.jp/statistics

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