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新たなバイクの楽しみ方「バイクのサブスク」とは?

新しい趣味としてバイクに興味を持ちはじめたらても、いざバイクライフをスタートするにはいくつか選択肢があるのをご存じでしょうか?

まずは新車を購入すること。最新型のマシンを所有し操る喜びは何物にも代えがたいものです。最近では、例えばカワサキの「残価設定プラン」、スズキの「かえるプラン」、ホンダの「据置クレジット」、ヤマハの「スペシャルローン」などメーカー系各社が残価設定型クレジットを設定し、購入のハードルが下がっています。

「まだどの車種が自分に合っているかわからない」という方には、レンタルでさまざまな車種を試してみるという方法あります。

運転に自信がないなど「新車はまだちょっと…」という方は、中古車という手もあるでしょう。カワサキプラザやスズキワールド、ホンダドリーム、YSPなどメーカー系の認定中古車なら安心です。

一方で二輪の中古車の世界でも新しい潮流が見られます。

今回ご紹介するサービスは月額中古バイクリースサービスとして、“バイクのサブスク”つまり、購入・所有しなくても気軽にバイクライフを楽しめるという仕組みです。「レンタルよりも長い期間借りたい」「しかもなるべく負担を増やさずに」と言った声に応えるべく登場したサブスクリクションサービスは、具体的にどのようなシステムなのでしょうか。

サービスを開始した背景や、現在どのようなライダーが利用されているのかについて、ME:RIDEマネージャーの石澤 輝さんと南 知明さんにお話を伺いました。

バイクのサブスクとは?

「サブスクで始める新しいバイクライフ!」がコンセプトの月額中古バイクリースサービスで「ME:RIDE」といいます。

バイクのリース費用だけではなく任意保険や車両整備などのメンテナンス費用などもすべて含まれた料金体系と、主要国産車・輸入車を提供する車両ラインアップ、リース車両の乗り換え可能、さらに気に入ればそのまま購入も可能です。

販売店からの要望をもとに事業化

このサービスを運営する株式会社オークネットは、1985年から中古車(クルマ)の法人向けオークションを運営しており、9年目の1993年より中古バイクの法人向けオークションを開始しました。

長きに渡って多くのバイクショップとビジネスを続けるなかで、年々高齢化していくバイク市場をどうにかできないかという声を多く受けていたこともあり、それに応えるべく、若いユーザーがバイクに興味を持てる機会づくりをしようと考えたことが事業立ち上げのきっかけだったと言います。

若年層をターゲットとしたときに、やはり費用負担は大きなポイントだろうと、利用に特化したサービスを考案し、まずは販売台数の分布になぞらえて、人口密度や一定の利用者数が期待できる東名阪+αでサービスをスタートしました。

免許有りバイク未所有のペーパーライダーやリターンライダーに着目

株式会社オークネット「ME:RIDE」担当の南氏(左)、石澤氏(右)

こうして若年層ユーザーをバイク市場に呼び込むべく立ち上がった事業ですが、主にどういった方が利用しているのかでしょうか。

「意外だったのは、長い時間と大きな負担をかけて、せっかく免許を取得したのにバイクをまだ持っていないという方が多くいたことですね。しかもそのほとんどが年齢の若い方でした」

いわゆる“ペーパーライダー”といわれる存在が思いのほか多い反面、出産〜育児などライフステージの変化によってバイクを手放したものの、我が子の成長に伴い“自分時間”ができたため、再び趣味を謳歌したいというリターンライダーへの需要もあるそうです。

現在はこの二者が主な利用者層とのことですが、続けて、どんなバイクが人気なのかについても伺いました。

「若い方にはやはり軽二輪(排気量126cc〜250cc)が人気ですね。免許を取って間もない方も多いので、立ちゴケなどのリスクから足つき性に優れたバイクが好まれています。一方で、リターンライダー層は経験があるため国内4メーカーの大型バイクをはじめ、海外メーカーのモデルも好まれる傾向にあります。

これまで弊社が納車(お客様にお渡し)した台数は1,500台を超えていて、コロナによる影響もあまり受けず、利用者の増加傾向が続いています」

また、運営するなかで予想外だったこととして、すでに免許もバイクも所有している層に対して一定の需要があったということが挙げられました。これは元々バイクが好きな人たちなので、「普段乗らない車種や次に欲しい車両に乗ってみたい」という興味・好奇心から利用するケースがあるとのことでした。

「乗ること」に特化したプランづくり

取材を進めていくなかで“乗ることに特化したプランづくり”という話題が挙がりました。所有ではなく、乗ることに特化したとは一体どのようなことなのでしょうか。

「バイク購入のプロセスを俯瞰すると、初めて購入する際は、とてもワクワクすると思われますが数年後に買い替えをする際には、次に乗るモデルやバイクショップ選び、また下取りの際に希望する金額に見合うか等ちょっと手間だなと思われることもあると思われます。それに対し弊社は任意保険や車両整備などの諸費用が全て月額料金に含まれているので、別途お客様に負担していただくのはガソリン代だけなのです(車両保管費用は別途必要)」

こうした分かりやすい料金体系のほか、長期レンタルのメリットについてこう続けていました。

「最短4ヶ月からリースを始められますが、お客様の多くは延長したり、そのまま購入したりするケースが実は少なくありません。平均リース期間が4ヶ月を超え、半年近くになっていることがそれを裏付けていますね。こうしたユースケースを踏まえて、長期割引も始めました」

短時間や数日で返却するレンタルバイクサービスと異なり、長期で利用できる便利さが好まれているそうです。

バイクショップの新規獲得に繋がる一方で新たな課題も

バイクショップからの声を受けてはじまった事業ですが、現状どのような効果が現れているのでしょうか?

「今まで店舗に来なかったお客様の層、特に若い方のご来店が増えたとの声をいただいております。バイクショップだけでは難しかった若い方へのアプローチができて、お店の敷居が下がったと感じていただいております」

同様にサブスクリプションを利用したユーザーの満足度も高いそうで、アンケート調査によると5段階評価中4〜5ポイントと高評価。具体的な内容としては“乗りたかったバイクに乗れたのでいざ所有したときのシミュレーションができた” “国産車だけでなく輸入車も選べるので楽しく利用できた”などが挙げられました。一方で、現状の課題や今後の展望についても尋ねました。

「すぐに乗りたいという声を多数いただいておりますが、お渡しするまで約3週間いただいているのが現状です。これは貸出車両を集中管理している関係からで、そこから整備や配送、名義変更などをしっかりと行なっています。今後は人気車種の在庫強化や、貸出の増えるシーズンに合わせた柔軟な対応で、お客様に素早くお届けできるよう努力して参ります」

敷居が高いと思われがちなバイクショップにとっては嬉しい新規若年層の来店、そして利用者の動向を見ながら車種や加盟店を確実に増やしているME:RIDEのサービスは、昨今のユーザーが望む消費行動ともマッチしており、従来までの購入保有型の需要とも共存できているのでしょう。同様の事例として、バイクレンタルが始まったころは「新車販売が減るのではないか?」といった懸念も囁かれましたが、前記のとおり若者層の来店によってむしろ販売者側も積極的になる新たなサービスとして今では当たり前のように利用され、楽しいバイクライフを提供できていることがそれを裏付けています。

新たにバイクライフを始めようという方も、久しぶりにリターンした方も、選択肢の一つとして検討してみてはいかがでしょうか。

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