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ユーザーと程良い距離感でつながる「Rebel×GB×CL meeting」

バイクの製造販売をするメーカーと、製品の情報を得て購入するユーザーとの関係性が大幅に変化しはじめています。

コロナ禍により、メーカーは一時的にユーザーとの直接的な接点であるイベントの運営を見合わせることを余儀なくされていました。このコロナ禍を経て、両者の距離感におけるニューノーマル(変化と進化)が求められるいま、改めてメーカーは、全国各地でメーカーとユーザーまたはユーザー同士の交流を図るミーティングイベントを再開しています。そのなかでも「Rebel×GB×CL meeting」は、いち早くユーザーのニーズにフィットさせたイベントの好例と言えます。

そこで今回は、「Rebel×GB×CL meeting @静岡・三島スカイウォーク」を取材し、このイベントを主催する株式会社ホンダモーターサイクルジャパン 企画部 プロダクトプランニング課の和泉 貴士さん(以下、和泉さん)をはじめ、参加されていたユーザー数名にお話を伺いました。

 

キーワードは「気軽に」「出会い(繋がり)」「広がり」

はじめに、「Rebel×GB×CL meeting」の狙いについて和泉さんに話を伺いしました。

コロナ禍で実施が見送られていたミーティングを開催し、バイクの楽しみ方の拡大、そして新たな出会いに繋げてもらうことが目的です。

3つのモデルのミーティングを同時開催することで、ユーザー間の盛り上がりを後押ししつつ、若者層でも参加しやすい場所・距離・環境なども考慮して全国各地で開催することにしました。

なお、このようなメーカー主催のイベントであれば、テントやのぼり(旗)など目に付きやすい場所にメーカーロゴがデカデカと掲げられるものですが、本イベントにはそれが見当たりませんでした。その理由について尋ねると「“場の提供”に徹したいので、あえて大きなロゴの使用は控えている」とのことでした。あくまでも主役はユーザーということですね。

 

心地良い雰囲気作りと絶妙な距離感

受付やSNS発信ノベルティの配布場所はホンダN-VANで。なんと後部ドアではカフェも展開

さらにはユーザー同士の出会い、ホンダのバイクとの出会いも広めていただくために、参加特典のほかにも、ユーザー自身が参加した様子をSNSに投稿することで進呈するノベルティのステッカーも車種別に用意しました。

ユーザー・メーカースタッフ問わずヒトと出会うきっかけを創出するミーティング。そんなユーザーの参加動機や行動を捉え、出会いが広がる仕掛けがしっかりと用意されていました。

 

バイクに乗ったときの非日常感がたまらない

SNSで今回のイベントを知り、会場一番乗りを果たした20代のHYさん。

昨年12月に免許を取得し、バイクに乗り始めたとのことですが、月に約1,000kmは走っており、すでに総走行距離はメーター読みで6,000kmを超えているという。

バイクに乗ろうと思ったきっかけは、動画共有サイトで見た大型バイク。まずは現在乗っているRebel250で公道に慣れ、目標である日本一周を経てから、いずれは大型バイクにステップアップしたいと語ってくれました。

 

SNSで繋がり関東地域の仲間との合流を果たす

約3年前にバイク免許を取得したというはるこさんは大阪からの参加。

以前は原付に乗っていたそうですが、クルマがメインの公道において立場の弱さを痛感し、GB350に乗り換えたそうです。

いまでもカブを2台所有し、キャンプも月イチで楽しんでます!今回はTwitterで繋がった関東のGB仲間と、関西のGB仲間の合流ポイントとしてこのイベントに参加しました。

 

リアルな交流を楽しむはるこさんの周りには、GB仲間の輪ができていました

また、はるこさんに「バイクの存在は自分にとってどういう存在ですか?」と尋ねると

みんなと会って、みんなのバイクを見て、語って、バイクは私の人生を豊かにしてくれる。

と、笑顔で答えてくれました。その言葉通り、彼女の周囲には全国から集まったGB乗りが大勢詰めかけていました。

 

はるこさんの後ろで笑顔を見せるのんさんは、今回のイベントに埼玉から参加。

バイク歴は原付から始まり、125cc、普通二輪、大型二輪と着実にステップアップしてきたそうです。普段は下道も高速も、近距離も遠距離も何でも楽しんでしまうタイプだそう。

のんさんも「バイクは私の人生をさらにさらに楽しくしてくれる存在!」と、関西GBグループとのリアルな出会いにワクワクしている様子でした。

 

インスタグラムで繋がり、いまではバイク仲間に

こちらの明るい3人組(YSさん、HKさん、TMさん)は、インスタグラムでの交流をきっかけにバイク仲間になったと言います。

バイクに乗りはじめたきっかけはそれぞれ理由が異なり、

コロナ禍になり、好きだった音楽フェスに行くことが出来なくなったため、みつけたのがバイクだった!

30歳になる前に、チャリを卒業しなければやばい!と思ってバイクに!

彼女と別れてバイクに乗り始めた…けど、実はヨリを戻しました!

SNS上の交流から、いまではバイクを通じてリアルに遊ぶ仲間になったという彼ら。とにかく元気一杯に楽しんでいる様子が印象的でした。

 

往年のCLシリーズのライダーも参加

長い間休眠していた往年のCLシリーズを整備して参加した方もいました。

 

そしてこちらは元祖Rebel。1985年に登場したアメリカンブームの火付け役ですね。

 

参加者専用バイク駐車場はカスタム情報の宝庫

参加していたバイクは積載性アップなど機能的なカスタムが目立ちました

会場にある来場者専用のバイク駐車場には、ユーザーが思い思いのカスタムを施した車両がズラリと並んでいました。

一昔前の過激なカスタムは全く見られず、むしろバッグやシート、エンジンガードなど、普段の使用に役立つパーツを付けている方が目立ちました。

「パパ、これ見て!」と来場者専用駐車場に並んだ他のユーザーのバイクを指差す奥さんの声。その後、旦那さんの返答は聞き取れなかったものの、奥さんのガッツポーズでパーツ購入の許可が出た瞬間にたまたま遭遇し、まさにイベント会場に集まった各ユーザーのバイクが情報源になっていることを目の当たりにしました。

 

出展ブース担当者に愛車のカスタムに関する質問をぶつけるユーザーが多く見られました

会場に集まったユーザーのカスタム欲は相乗効果によってさらに加熱し、出展していたアフターパーツメーカーのブースでも担当者が商品説明に熱心な対応をしていました。

 

ユーザーがバイクを楽しむためのサポートを続ける

若いライダーから「バイクを手に入れたものの、自分と同じ波長でバイクを楽しむ仲間を見つけるのに少し苦労している」という意見を耳にしていました。こうしたイベントを開催することで、そうした方々に“出会う”、“集まる”、“話す”、“一緒に行く”など、なんらかのきっかけが生まれる場を提供できたら嬉しいです。

そう話してくれた和泉さんの狙い通り、取材に快く応じてくれたユーザーたちは、まさに何度も会場を行き来しては他のユーザーのカスタムを見学しながら、ユーザー同士が楽しそうに会話する場面が多く見られました。

 

現在の若者層ライダーは、SNSをうまく使いこなして、オンライン上で情報をキャッチしたりDMで交流したりするのが当たり前となっています。これに伴い、情報の告知方法やユーザーとの接し方はもとより、カスタムの方向性も含めて全てが変わり始めています。

従来の表現方法や価値観で決めつけるのではなく、末長くバイクとうまく付き合い楽しいライフスタイルを送ってもらうためには、多様化する価値観を受け入れ、近すぎず遠すぎず、程良い距離感でユーザーと接することが大切なのかもしれません。

Rebel×GB×CL meeting - Honda 公式サイト

https://www.honda.co.jp/rebel-gb-cl-meeting/

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