【バイク女子部】デビュー&リターンライダーに聞いてみた!なぜあなたはバイクに?
目次 - INDEX
近年、Facebookのグループを中心にユーザーを集める「バイク女子部」という女性ライダー限定コミュニティが注目を集めています。
バイクを趣味にするユーザーはここ数年増加傾向にありますが、一方でソロで走るライダーも多く見受けられます。ソロで走るライダーの多くは、バイク仲間がいないことを原因の一つに、バイクから遠ざかってしまう、または降りてしまう方も少なくありません。
特にデビューライダーやリターンライダーは、バイクに対する不安の払拭や感動の共有をする仲間が少ない場合も多いため、こうしたバイク女子部のようなコミュニティに参加することが、長くバイクを楽しむためには非常に良い環境となるでしょう。
そこで今回は、去る6月25日の日曜日、バイカーズパラダイス南箱根にて行われた「バイク女子部ミーティング2023春」を取材し、バイク女子部発足の経緯や、参加した中でも今年デビューしたてのライダー、リターンライダーに焦点をあててお話を伺いました。
バイク女子部発足の経緯
はじめに、バイク女子部 代表の松崎 祐子さん(以下、松崎さん)へ、バイク女子部発足の経緯について尋ねました。
発足は2013年。当時私はバイク雑誌の編集をしていましたが、女性ライダーに向けた情報が少ない、もしくは、あったとしても女性ライダーには届いていないのではないかと感じていました。そこで、当時流行りはじめていたFacebookを使い、女性ライダー向けの情報発信とオンラインによるコミュニティの場として、女性ライダー限定のグループを作りました。これがバイク女子部発足のきっかけです。
女性ライダーの悩みを共有、サポートし続ける
2016年、メンバー数が1,000人に達したのを機に、初めてオフラインで集まれるリアルなミーティングを開催しました。場所は新東名高速にあるネオパーサ清水で、この時は約70名の女性ライダーに参加いただきました。
その後、年に一度、リアルに会えるミーティングとして「バイク女子部ミーティング」を定期開催(2021年のみコロナ禍で開催中止)しています。
さらに、バイクで集まり現地で浴衣に着替える「浴衣DE女子会」という企画や、仮装も楽しむ「ハロウィンミーティング」など、季節に応じたミーティングや、企業とコラボしたツーリングを日本各地で実施しています。
また、2019年には女性ライダーのための情報サイト「バイク女子部通信」を立ち上げ、その後、YouTubeチャンネル「バイク女子部チャンネル」を開設したことで、バイク女子部メンバー以外の女性ライダーにも、広く情報を届けやすくなりました。
最も注力している活動は、やはり年に1回開催している「バイク女子部ミーティング」でしょうか。
SNSでは繋がっていたとしても、やはりこのイベントで実際に会うことができたり、会場で友達を作れたり、初めての高速道路デビューだったりと、バイクで新たなチャレンジをするきっかけにもなっているイベントだと思います。
「周りに女性ライダーがいなかったけど、バイク女子部に参加したことをきっかけに女性ライダーの友達が増えた」「バイクにチャレンジ(新規&リターン)する勇気をもらった」などといった言葉をいただくと、やっていてよかったと実感します。
このバイク女子部というコミュニティに参加することで、気軽に話せる仲間を見つけることができ、共通の悩みや感動の共有、さらには有益な情報など得られることも多いことが支持されている理由なのでしょう。また、ただでさえ人口の少ない女性ライダーにとって、SNSをベースに繋がれるということは、心理的ハードルが低く気軽に参加できる今の時代にあったネットワークになっていますね。
いずれは全国制覇、その先は海外でも走ってみたい!
東京から参加していた花野さんは歌うバイク女子。もともと浜松の出身ということもあり、普段からバイクが視界に入っていたため、乗ってみたい衝動から2019年(コロナ禍前)にバイク免許を取得。それからというもの、仕事に旅にと最低でも週一回は必ずバイクに乗ると言います。
今までで最も印象に残った場所は、広島尾道市と愛媛今治市を結ぶ瀬戸内しまなみ海道。今年はSSTRも茅ケ崎から朝日を見て出発、初めての完走を果たしたそうです。これまでも全都道府県のうち半分は制覇しており、残り半分も走破して早く全国制覇したいとのことでした。
まだ九州や北海道はバイクで走行したことが無いものの、全国のライダーハウスやゲストハウスに宿泊するのも楽しみだし、お酒が好きなので酒蔵巡りもしたい、さらに東南アジアやアメリカなどにも行ってみたいと、すでに海外ツーリングにまで理想が広がっていました。
普段から安全運転には気をつけているものの、万が一の転倒や立ちゴケしてしまった際のことを考慮し、クラッチレバーやブレーキレバーくらいは自分で交換できる程度の整備技術を身に付けたいと語ってくれました。
家庭での役割もひと段落、自分の時間を楽しむためにリスタート
名古屋から駆けつけたようべーさん。バイクに関心を持ったのは、小型船舶やバイクなど様々な乗り物が好きな父親を筆頭にアクティブな家庭で育ったことが影響しているとのこと。
バイク免許自体は20年以上前に取得していましたが、その後結婚・出産・子育てと、ライフスタイルの変化に伴いしばらくバイクから離れていました。その後、待望の自分時間が持てるようになり、バイクに乗りながら独りヘルメットの中でいろいろ考える時間を楽しんでいるとのことでした。
バイクを通じて、年齢や職業関係なく仲間たちと出会うことができたのが一番嬉しいという彼女。これからも行ったことのない新しい場所へもっと足を伸ばし、人との出会いやグルメを楽しみたいそうです。
本日なんと人生4回目のツーリング!海岸線も峠も走りたい!
父親と一緒に参加していた現役高校2年生のAKさん。彼女の住む東京には三ない運動もなかったため、昨年の5月にバイク免許を取得したとのこと。しかも、今回がなんと人生で4回目のツーリングで、ここ南箱根が今までで一番遠い目的地だったと言います。
本日一緒にツーリングしてきた父親の影響で、以前からバイクもクルマも乗りたかったそうで、月に2~3回はバイクに乗っているほどのハマりよう。江の島を見ながら海岸線を走行したり、峠道にも行ったりしてみたいとこれからのバイクライフに目を輝かせていました。
いつかは行きたい北海道!
沼津からSNSの呼びかけで集まった仲間と参加したMAさん。いままでバイクには危ないという印象を持っていた彼女ですが、一度後ろに乗せてもらった時にバイク特有の爽快感を覚え、一気に好きになってしまったそうです。
免許取得は昨年の9月ということで、まだまだ不安が多いと言います。
例えば、バイク用駐車スペースで両側にバイクが駐車してあるとぶつけそうになる、停車時に足は着くものもバランス崩しそうになる、Uターンの時が怖い、などなど。
それでもバイクファンになった彼女は、現在バイク神社を回っているそうで、将来的にはやはり北海道にも行ってみたいし、そうなるともう少し大きい排気量バイクのほうがいいのかなと、楽しい悩みが尽きない様子。
また、気軽なツーリングの目的地としてカフェミーティングにもハマっているそうで、みたことのない景色やグルメなどもこれから楽しみたいと語ってくれました。
クルマでは感じられない風や景色に感動!
節目の年齢にバイク免許を取得したとういう海んちゅさんは、SNSで連絡を取り合い、浜名湖方面から都合のあった仲間と参加していました。
当初、バイクは「危ない・怖い」というイメージだったそうですが、後ろに乗ってクルマとは違う風・匂い・景色に感動し、友達の勧めに背中を押されバイクライフをスタート。
いまでは、SNSで仲間が集まればツーリング、そうでないときはソロでもバイクで走行するほどバイクにハマっていると言います。
海のそばで写真を撮ったり、たまたま見つけた日帰り温泉にふらっと立ち寄ったりと、自分のペースで自由に寄り道を楽しめることが何よりの醍醐味だそうです。
今後はオフロードに誘われているのでオフロードバイクでダートコースも走ってみたいし、いつかはビッグバイクにも乗りたいと、バイクの苦楽を共感しあえる仲間たちとの交流を楽しんでいるようでした。
海沿いに引っ越してきて、気持ち良く海岸線を走りたくなった!
前述のMAさんと一緒に参加されていたりかさんがバイク免許を取得したのは一年半前。静岡県の海沿いに引っ越してきて、海岸線を気持ちよくバイクで走りたいとの想いからバイクライフをスタートしました。
これまでに九州の最南端まで行かれたそうですが、次は北海道を目指しているそうです。「どこに行きたい」や「何を食べたい」などといった具体的なイメージを持って行かずとも、ただ広大な土地を走るだけでもきっと楽しそう!と夢を膨らませていました。
気ままに走って、行ったことのない県にも行けて、このうえない達成感が得られるのはバイクならでは。最大の目標は日本一周だと語ってくれました。
やっとの思いでバイク免許を取得してからバイクを購入する。その後、いかにライフスタイルのなかでバイクの楽しさを見出せるかは、バイクに乗り始めた方々にとって非常に重要です。
年齢や住所、職業の垣根を超えて繋がることができるSNSを活用して、困った事があれば相談できたり、楽しいことがあれば伝えて共感できたり、たまの休みにバイクでカフェ巡りができる仲間と出会えたり、バイク女子部はそういった女性ライダー達の不安払拭から、末永いバイクライフまでをもサポートをしているようでした。
もしもデビュー&リターンしたてのライダーの方は、バイク女子部のようなSNSコミュニティに参加してみると、共通の悩みを共有し、助け合いながらバイクライフを楽しむ場として、バイクの楽しさが一気に開けるかもしれません。