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バイクが私の人生を変えてくれた(バイクタレント兼モデルときひろみさん)

バイクタレント兼モデルでありバイクライフクリエイターとして、さまざまなメディアで活躍中のときひろみさん(以下、ときさん)。BS11で放送されているバイク専門番組『大人のバイク時間 MOTORISE』をはじめ、バイク雑誌やWEBメディア、バイク関連イベントなどで、頻繁に彼女の明るい笑顔を見かけることでしょう。

では、なぜ彼女がここまでバイクに傾倒し、バイク関連の媒体をメインに活動するようになったのでしょうか。今回は、バイク好きを豪語する根っからのライダーであるときさんに、バイクとの出会いから現在までの経歴を伺い、彼女のバイクにおけるルーツを探りました。

父親との雑談が興味のきっかけ

16歳の誕生日を迎えた時に、父が冗談半分で「16歳になったからバイクの免許が取れるね」と言ったんです。それを私は真に受け、すぐにバイクの免許について調べました。

バイクという存在は知っていたけれど、本気で興味を持って調べ始めたのはこの時が初めてだと思います。

編集部(以下、編):当時の感情を思い起こして、もう少し詳しく教えてください。

本当にとにかくただカッコイイという理由だけでバイクに乗りたいと思っていたので、その先の目標みたいなのは正直なところ無かったですね(笑)。あるとしたら、かっこいいバイクに見合う自分(ライダー)になりたかったということでしょうか。

思い立ってからバイク免許取得に至るまで、どのような苦労がありましたか?

興味を持ってから教習所に通うまで全くバイクに関する予備知識を学んでいなかったので、実際に教習所でバイクに乗ったときにはクラッチ操作にとても苦戦しました。そもそもバイクの仕組みを理解していませんでしたし、走行するために1度にたくさんの作業をしなければいけないとは思わなかったです。「なんでそもそもクラッチを握るところから始まるの?」など全てが疑問でした。

編:普通自動二輪免許の教習は難しかったですか?

学科講習は道路交通法などを覚えるだけだから特に問題なかったのですが、とにかく最初のクラッチ操作がどうしてもうまくいかず、2時間の追加教習を受けてしまいました……。クラッチ操作だけは本当に難しくて、ちょっと心が折れそうになりました。しかしその後、なんとなくクラッチの感覚を掴むことができ、うまく繋げられるようになってからは、すんなりと教習過程が運び、無事卒業することができました。

編:教習期間中に「どのようなバイクに乗りたい、何をしたい」と考えていましたか?

実は、バイクに興味を持った直後に、16歳で取得できる普通自動二輪免許で乗れるバイクを調べていた時に、「絶対に免許を取ってこのバイクに乗る」という明確な目標を見つけました。ちなみに一目惚れをしたのはカワサキのNinja250Rでした。

当時ブログが流行っていた時期で、Ninja250Rに乗るライダーたちのブログに触発され、自分もブログを作成して教習所で免許を取得するところから文章を綴り始めました。ここから世界が広がっていき、最終的には今のバイカーモデルのお仕事をさせていただくきっかけにもなりました。

編:教習所で初めてバイクに乗ったときは、どのような感情でしたか?

ワクワクとドキドキが半分ずつという感情でした。わからないことも含めて全てが新鮮で、教習所の教官も優しい人が多く、急かされずにバイクの基礎知識が学べて楽しかったです。

編:その後、公道デビューの時にはどのような思い出がありますか?

初めて公道に出る時は本当に緊張しかなかったです(笑)。ワクワク感などは無く、ただただ怖かったですね。でもバイクには絶対乗れるようになりたいと思っていましたし、よく閲覧していたブロガーさん達みたいに色々なところにツーリング行きたいから、早くちゃんと公道で乗れるようになりたくて必死でした。

編:初めて1人でバイクに乗ったときのことを教えてください。

初めて1人でバイクに乗ったのは、少し恥ずかしいですが10分くらいで行ける近所の道の駅でした。乗っているあいだも降りたあとも終始緊張していて、道の駅でもゆっくりくつろぐこともなく、早々に帰宅したのを今でも覚えてます。実はそもそも当時高校生だった私はかなりのインドア派だったので、1人で遊びに行くこともあまりしない内向的なタイプだったんです。それもあって、近距離だけど最寄りの道の駅に1人でバイクで行ったことはとても新鮮な出来事でした。

編:バイクタレントとして初めて仕事をしたときのことも教えてください。

初めて挑戦するお仕事だったので緊張もありましたが、そこはバイクに関わる仕事だと思うとウキウキが止まりませんでした。しかし、もともとタレントやモデルの仕事に興味があったわけではなかったので、そういった知識や見識もなく、ちょっと場違いな感じは否めなかったですね。本当にバイクが好きって以外は何もできない世間知らずな女の子という印象だったのではないでしょうか。

バイク上達の執念でインドア派のときさんに変化が

編:バイクに対する楽しさは変化しましたか?

乗り始めたころはバイクに乗れるようになるために必死だったので、楽しさは後回しでした。何度も立ちごけもしましたし、曲がりきれなくて転倒したこともありました。それでも、バイクが嫌いになったり、乗ることを諦めたりしなかったのが、いま振り返るとインドア派だった私にしては意外だったなと思います。好きなものにはとことん情熱を注ぐタイプでしたが、ここまで本気になれたのは後にも先にもきっとバイクだけだと思います!

ようやくバイクに乗り慣れたころ、ブログ繋がりでできたバイク仲間や、父親とのツーリングにも行けるようになり、それがとても楽しかったことを思い出しました。

その後、1人でツーリングに行くようになったのは23歳あたりだったと思いますが、免許を取得した時期から考えるとかなり遅い方だと思います。1人でツーリングに行くようになってからは、世界が広がっていく感覚を覚え、自分にも自信がつき、くだらないことで悩むことも減ったり、嫌なことへの捉え方を変えられるような考え方が身につきました。

バイクに乗れるようになったのをキッカケに接する人が増えて、自分としてはかなり人生経験を積むことができたと思います。インドア思考な私を知る家族にも「大人になったね」と言われたときはとても嬉しかったです。

編:あらためて、ときさんにとってバイクとはどんな存在でしょうか?

最初のころは、まだバイクは憧れに近い存在で、バイクに乗っていると自分もバイクのようにカッコ良くなければいけないと思っていたため、とにかく早く乗りこなせるよう必死でした。

それから少し慣れてきたら周りが見えるようになってきて、バイクを通じて出会う自然や観光地、自分以外のライダーなど全てが新鮮でキラキラしていて、抱えきれないくらいのバイクの魅力をみんなにも知って欲しいとブログ活動も一層精力的になりました。

さらに、ブログをきっかけにタレント業を始めることができた反面、よりさまざまなカタチでバイクの魅力を伝えられるようにと、試行錯誤しながら必死で活動してきました。

最近は育児のためバイクに乗るのもタレント活動も控えめですが、強制的にバイクから遠ざかった期間があったからこそ、改めてバイクについて見つめ直すことができ、バイクには色んな遊び方や接し方など十人十色のバイクライフがあるんだなと、改めてバイクの魅力に気付かされました。これからも徐々にではありますが、バイクの魅力を伝える活動をしていきたいと考えています。

気持ちが落ちている時はバイクに乗らないのも安全の秘訣

編:ときさんが日頃からバイク運転中に気を付けていることはありますか?

上下ともバイク用ウェアをしっかりと着用し、周囲のクルマや歩行者などに気を配り、ゆとりを持って運転するように心がけています。疲れている時に無理して運転しないことはもちろん、暗い気持ちの時も乗らないようにしています。

たしかに、気持ちが落ち込んでいるときなどは注意力も散漫になるケースが多いため、運転しないという判断は賢明ですね。

バイクは新鮮な気持ちを常に与えてくれる

編:これからバイクに乗りたいと考えている読者に伝えたい“バイクの魅力”とは?

知らない自分との出会いですね。バイクに出会ってから、私の性格は180度変わりました。さらに自分の可能性を広げて、自信をつけさせてくれたのはバイクに他なりません。

ツーリング先でも色々なものを見て聞いて知ることができて、新たな自分自身の知的好奇心に気づくこともあります。また、これまでバイク以外の交通手段で行っていた場所にバイクで再訪することで、もっと好きになったり新たな発見もあります。

そうした新鮮な気持ちを常に与えてくれるのがバイクの楽しさではないかと思います。いつもの日常、いつもの道が、バイクに乗って走ると全く別の見え方をする、この感覚がすごく好きです。

編:最近のライダー事情をどのように見られていますか?

若いライダーを中心に、しっかりとバイク用の装備を着用して乗る人が増えた印象ですね。バイクイベントもファミリーが増えた気がしますし、一筋縄ではいかなそうなバイクの無骨なイメージが払拭されつつあるように思います。

いまどきのバイクはネイキッドやクルーザーであってもスタイリッシュさが感じられるモデルばかりですので、若い人にも好印象なのではないでしょうか。

個人的には、旧車の“バイクらしさ”も大好きですし、その文化が残っているのも嬉しく思っています。幅広い年齢層や趣味趣向のライダーが共存できるような時代になったと私は思ってます。だからこそ、これからも色んな楽しみ方の広がりをライダー自身にも期待しています。

バイクのカッコよさに憧れを持ってから次々と道を切り開き、さまざまな経験によってネットワークも広げ、気づけばインドア派からアウトドア派かつ社交的になったときさん。

バイクには、そんな人生観を変えてしまう力も持っています。それは、バイクタレント兼モデルとして、バイクライフクリエイターとして、バイクの楽しさを伝える活動を続けるときさんの笑顔が、何よりの証拠ではないでしょうか。

ときひろみ(Instagramアカウント)

https://www.instagram.com/toki_hiromi/

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