【自然でNO密な自分時間】オフロードバイクに人気が集まる理由とは?
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一般社団法人 日本自動車工業会が発表した2021年の二輪車市場動向調査によると、2019年と比較してオフロードバイクを新規購入したユーザーが4%から10%に、再購入したユーザーが9%から19%へと倍増しました。
昨今のキャンプ・アウトドアブームによる追い風なのか、コロナ禍による密回避なのか。様々な要因が考えられるオフロードモデル加熱の背景を探るべく、オフロードバイクのライディングレッスンを訪れ、参加者にインタビューしてみました。
自分好みの用途に合わせたら自然とオフロードバイクに辿り着いた
レッスンの車列後方で前を走る友人の走りを見守りながら走行していたOさんは、250ccのオフロードタイプに乗ってレッスンに参加していました。
元々はオンロードスポーツタイプの1000ccビッグバイクに乗っていたのですが、キャンプ自体はもうかれこれ10年以上前から楽しんでいるそう。全国各地で年間約20回はキャンプ泊をしており、行く先々で砂利道や不整地があるとオンロードビッグバイクではさすがに走行が困難な場合があり、去年9月に1000ccオンロードから250ccオフロードへと買い替えたとのことでした。
会場に到着するなり工具を広げ両側のパニアケースを取り外し始めたOさん。キャンプ時には重宝するパニアケースも、オフロード走行レッスンでは転倒時のダメージが大きいため取り外しているとのことでした。
Oさんと一緒にレッスンへ参加したKさんも、元々はビッグバイクオーナーでしたが、現在はオフロードバイクを何とか中古車で探して購入。オフロード走行をしっかりと教わった経験がないので、基礎から習いたいということで今回参加したそう。
なお、Kさんの本日の目標は立ち乗り(スタンディング)走行ができるようになること。
KさんもOさんと同様に、軽量で取り回しのしやすい気軽なオフロードバイクに乗り換えてもっと行動範囲を広げたいという思いからインターネットでオフロードレッスンを探して参加されていました。
レッスンを受けてみて「オフロード走行は今までの運転操作とは全く異なると思っていましたが、意外と舗装路走行との共通点も多いことが分かって楽しく走行できました」と、うっすら汗を浮かべながら少年のような笑顔で語ってくれました。
速く走りたい!という気持ちが薄らいだ
トランポ(バイクを積載できるクルマ)で自分のオフロードバイクを持ち込んで参加していたAさんにもお話を伺いました。
「10代の頃からバイクに乗っていて、つい2年前まではオンロードのミニバイクレースも楽しんでいました。しかし年齢のせいか(現在40代)、速く走りたいという気持ちが徐々に薄れてきて、たまたま友人のオフロードバイクに乗らせてもらった時に面白い!と思い、すぐさまオフロードバイクを購入しました。オフロードバイクは全身を使って操ることが楽しいですし、周囲を自然に囲まれながら走るのは気持ちが良いですね。」
自由気ままに走行して疲れたら休む、全て自分のペースで過ごせることが最高に楽しいと初めてのオフロードコース走行を満喫していました。
ゆっくりが楽しい!オフロードで見つけた新たな遊び方
次にお話を伺ったSさんも同様に、以前は1000ccのオンロードスポーツタイプに乗られており、20年のブランクを経て最近オフロードバイクを購入したとのこと。
まだ小さいお子さんがいることから、一人で林道を走行し、森林の中で持参したコーヒーを飲んで帰る、そんな日帰りでできるバイク遊びを探していたそうです。ビッグバイクに乗っていたSさんにとっても、経験のないオフロード走行は難しいと思い、安全に帰宅できるようにテクニックを教わろうと今回のレッスン参加にしていました。
レッスン会場でインタビューできたのは数名ですが、オフロードバイクの楽しさに魅了される方は、意外にもバイクの世界を知ってからの方も多いようでした。
若い頃はビッグバイクへの憧れもあったでしょうが、ライフスタイルの変化や人生のターニングポイントなどをきっかけに、ふと自然に囲まれながら自分のペースで楽しめるオフロードバイクに興味を持ち始める。2019年〜2021年の期間は、そうした今までの価値観を見直す機会が多かったのかもしれません。
自分時間での自然との触れ合いと、ビッグバイクよりも扱いやすい軽量さ、そしていざと言う時に役立つオフロードでのライディングスキルの向上など、なるほど、老若男女問わずオフロードバイクにハマる理由が見えてきました。