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「Basic Riding Lesson」に名を改めた二輪車安全運転講習会が目指すものとは

一般社団法人「日本二輪車普及安全協会」(以下、日本二普協)がこれまで全国的に運営・展開してきた体験型実技講習会「グッドライダーミーティング」は、丸一日バイクに乗って、楽しみながらライディングテクニックを習得しつつ操る喜びを体感する講習会です。このレッスンが、2024年度より名称を「Basic Riding Lesson」に改めて、新しいスタートを切ることとなりました。

二輪車免許を取ったばかりで公道での走行に不安を覚えていたり、長いブランクで運転感覚に自信がなかったり……といったビギナー向けの講習会となる「Basic Riding Lesson」において重要なポイントや伝えたいことを知るべく、日本二普協の理事・安全本部長の荒井龍介さん(以下、荒井さん)と安全本部 安全普及部長の青木務さん(以下、青木さん)にお話を伺いました。

お悩み解決型で応えるバイクの運転技術講習会「グッドライダーミーティング (レディースDay)」

グッドライダーミーティングからBasic Riding Lessonへ

日本二輪車普及安全協会 理事・安全本部長の荒井龍介さん(右)と安全本部 安全普及部長の青木務さん

グッドライダーミーティングは1991(平成3)年からスタートし、昨年で33年を迎えた伝統ある講習会です。今後35年、40年と続いていくのかと思われましたが、今年度から『Basic Riding Lesson』と名称を変更することになりました。

しかし、実は名称変更の計画は2022(令和4)年あたりから出始めていたと、荒井さんは言います。

「グッドライダーミーティングも、今年度から始まったBasic Riding Lessonも、対象は共に初心者です。実際にグッドライダーミーティングのポスターにも大きく『初心者向け』だということを記載していました。しかし、グッドライダーミーティングに実際に来られる方は中級者以上の方が多かったという印象です」(荒井さん)

日本二普協が初心者のための講習会として想定していたグッドライダーミーティングですが、多くのライダーにはそう捉えられず、中級者やリピーターが多く参加されていたそうです。理由はさまざまあり、例えば二輪車安全運転大会の練習の場として位置付けられていたときもあったと聞いています。

こうして一度定着してしまったイメージを覆すことは難しく、先述のとおり、ポスターで『初心者向け』であることを大きくアピールしても、状況は変わりませんでした。

そこで2023(令和5)年に関係者による作業部会で検討した結果、名称変更を含めた大きな軌道修正を行うこととなりました。こうして生まれたのがBasic Riding Lessonなのです。

「初心者」の定義を明確に

Basic Riding Lessonがグッドライダーミーティングともっとも大きく変わった点が「初心者向け」であることを前面に押し出していること。グッドライダーミーティングでも初心者向けをアピールしていましたが、「この言葉が持つ曖昧さを取り除くことにしました」と荒井さんはおっしゃいます。

「初心者と言っても、人によって捉え方が違うということを、今回改めて検証したうえで知りました。たとえば免許を取って2年経って『俺はまだまだ運転が上手くないから初心者だ』と言う人がいたとします。一方で『たしかに上手くはないけど、もう免許を取って2年経っているから、俺はもう初心者ではない』と言う人もいます。でも、走ってみたら両方とも同じレベルだったなんていうことが起こりうるわけです。それではいけないということで、定義づけをしっかり行おうと作業部会で決定しました」(荒井さん)

そこで設定されたのが、

  • 一般公道の走行に不安を抱えている方
  • 自動二輪車免許取得(原付含む)後、間もない方(おおよそ1年以内)
  • 長いブランクがあって、運転操作に不安を抱えている方
  • 運転は不慣れだけど、バイク仲間が欲しい方

の4項目です。

特に重要なのが「一般公道の走行に不安を抱えている方」で、初心者とはつまり「公道での運転に不安がある人」全般だと定義しているそうです。

もちろん、カリキュラムも大幅に見直されています。

「細かい技術的な部分は指導者ではない私は言う資格はありませんが、要はきちっと走る、止まる、曲がるということを、もう一度原点として考えていただいて、指導してもらいたいという要望は、指導員の方々には伝えています」(荒井さん)

実際に、初心者の中にはバイクを購入してもうまく乗れず、会場まで来ることもやっとだという方も少なくないそう。そんな方たちでも帰り道は少し安心して帰っていける……そんなカリキュラムを目指しているのです。

カリキュラムは今後もブラッシュアップ

「目指している」という言葉にある通り、やはりまだスタートしたばかりということで、今後課題点なども出てくるだろうと考えられています。

「今も定期的に二輪車安全運転推進委員会の安全運転指導員の方たちと研修会や検討会を開いて、今後どうやっていくかを話し合っています。その話を各都道府県の指導員の方々に聞いていただいて、具体的なカリキュラムを作ってもらっています。地域によっては、今も活発にディスカッションしているところもあります」(青木さん)

基本となるカリキュラムは安全運転指導員によるワーキンググループが中心になって作成しますが、地域によって会場の広さやコースの長さ、路面状況などが異なるため、具体的な講習内容は現場で柔軟に決められるそうです。

「運転免許試験場のように50〜70名を対象とする会場と、15〜20名ほどの会場で同じ内容ができるかというと難しい。できる内容もありますが、できないならどうしようかということでディスカッションを続けている地域もあります。皆さん、熱心に取り組んでもらっています」(青木さん)

「また、地域によってはグッドライダーミーティングの名称を残しているところもあります。グッドライダーミーティングから一気にBasic Riding Lessonへ無理やり舵を切るのでなく、たとえば積雪地域などのライダーが少ない地域では、(講習会が)いきなり変わってしまうと受講者が集まらなくなってしまう可能性があります。そのような事態が考えられる地域は、約1年ほどのスパンをもってグッドライダーミーティングの名称を使っても良いということにしています。これも現場の判断によって、柔軟に考えています。

全体の方針として『Basic Riding Lessonをやってください』と現場にお伝えしていますが、もともと初心者やライダー自体が少ない地域で無理やり集めてやってくれとは言えませんし、そうなれば本末転倒ですよね。我々日本二普協はもともと二輪車ユーザー全般に安心・安全をお送りする協会であって、初心者のみに限定するわけではありません。だから、そこは柔軟に考えていきたいと考えています」(荒井さん)

ライダーとバイクを守るのが日本二普協の役割

Basic Riding Lessonでは指導員と受講者の人数にも変化があります。原則として1人の指導員に対して受講者は5人以内と決められていますが、はじめの見極めで「超初心者」と診断された人に対してはその半分、2.5人に1人の指導員がつくことになりました。つまり、受講者2人だったら指導員は1人、3人だったら2人の指導員が担当することを原則としています。

超初心者とはつまり、半クラが使えなかったり、ギアチェンジもままならないという人たちのことを指します。そうすると当然、募集人数も絞り込まねばなりませんが、「本当に学びたいと思って参加するライダーのためには仕方のないことと捉えています。参加者の数よりも、参加者の質を上げていただくことが重要と考えます」と荒井さんは言います。

「Basic Riding Lessonは技術を教えるところですが、その場で事故を起こしてしまうと元も子もないわけです。安全で事故のない講習会が大前提ですので、指導体制を厳格に考えることは最重要課題と思っています。

そもそもバイクはユーザーの財産ですし、日本二普協はライダーとその財産を守ることがスタンスです。例えば日本二普協では二輪車防犯登録をやっており、登録時に必要な対価はいただきます。あくまでも日本二普協としては社会貢献のために、ユーザーの財産を守るために事業を展開しております。Basic Riding Lessonも同様で、参加者がちょっとした立ちゴケでウインカーが折れるようなこともないようにと、厳しい体制で臨ませていただいております。このようなことをご理解いただき、ぜひ安心して参加していただきたいです」(荒井さん)

バイクに乗る楽しさを味わえる講習会に

日本二普協は2024(令和6)年度の方針として、従来の「安全(ビギナー若年層)」「安心(防犯登録)」「快適(駐車場)」の3本柱に「楽しさ」を加えた4本柱で取り組むことを発表しています。このBasic Riding Lessonにももちろん「楽しさ」という要素は含まれており、バイクを楽しむために必要な基礎技術をしっかり学べるカリキュラムが組まれています。正しい乗り方、正しい取り回し方を身につけられれば危険性は格段に減り、自信がついてくれば余裕を持ったライディングができるようになります。

なかなか自分のライディングテクニックに自信が持てず、公道を走ることなくバイクを降りてしまうライダーは少なくないそうです。せっかくバイクの免許を取得された人たちに、バイクで走る楽しさや喜びを知ってもらいたい、もっとバイクで走りたくなって欲しい。Basic Riding Lessonはバイクが持つ本来の楽しさや魅力を改めて教えてくれる存在となってくれるでしょう。

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