fbpx

バイク業界のこれまでの取り組み「二輪車産業政策ロードマップ2020」を振り返る!

2013年9月に開催された第1回バイク・ラブ・フォーラムにおいて、経済産業省は二輪車産業が目指す姿(国内新車販売100万台、世界シェア50%、マナー向上)を発表し、バイクラブフォーラム参加8団体及び地方公共団体は、この目指す姿の実現に向けて、2020年までに取り組む国内、海外二輪市場での施策を二輪車産業政策ロードマップ2020にまとめ推進してきました。

2020年においては、AT小型限定二輪免許取得にかかる教習日数が3日から2日へ短縮され、活性化している小型限定の需要を加速させる効果があったと思われます。

そして今年の11月にオンラインで開催された第9回バイク・ラブ・フォーラムにおいて、二輪車産業政策ロードマップ2020の継続課題、環境変化を踏まえた新規課題を踏まえ、4つの政策課題と、11項目の実施施策を設定し、2030年までに課題を達成する事を目標に、「二輪車産業政策ロードマップ2030」が策定されました。

そこで今回は、旧ロードマップである「二輪車産業政策ロードマップ2020」について、1分で復習してみたいと思います。

なお、バイク・ラブ・フォーラムについては、以下の記事をご参考ください。

バイクの未来を考える「バイク・ラブ・フォーラム(BLF)」って知ってる?

 

1:国内新車販売台数目標100万台について

需要の大きな割合を占める原付一種の減少が主な要因として、車販売台数は以下の通りです。

全体:45万台(2014年)→36万台(2020年)

原付一種:23万台(2014年)→12万台(2020年)

原付二種以上:10万台(2014年)→10万台(2020年)

原付一種は減少、原付二種以上は堅調に推移。(2017年からは微増傾向)

二輪車の国内新車販売だけで100万台を達成することはかなり難易度が高くなっています。

 

2:世界シェア50%越え

2019年実績でシェアが50.2%に達して、目標が達成されています。日系のメーカーと販売会社の双方による努力の賜物といえます。

 

3:マナー向上

運転マナーだけに思われがちですが、業界団体は様々なマナー向上に対して取り組みを実施し、その結果、ユーザー意識の高まりがみられ、改善しているそうです。また、東京都においては駐車違反件数が減少し、駐車マナーも向上しているそうです。

業界団体の主な取り組みを以下に紹介します。

・グッドマナー「ジャパンライダーズ」

ライダーによる「安全とマナー」の宣言促進活動をイベントやSNSで展開

・グッドライダーミーティング

初心者や運転に不安のある人の為に安全運転技術向上と交通ルール・マナー遵守を目的とした二輪車安全運転講習会を実施

・二輪車安全運転大会

安全な運転ができ、他の模範となるライダー育成を目的に1968年から継続実施。

都道府県大会で選抜されたライダーの代表チームが全国大会へ出場

・バイク月間

「8/19はバイクの日」を中心に毎年7,8,9月をバイク月間と定め、二輪車の楽しさ、有用性、利便性訴求や交通安全啓発を実施

・二輪車安全運転推進運動

交通ルールやマナーアップの街頭点検と指導、ヘルメット等の正しい着用を訴えるポスター掲示

・高校生を対象とした安全運転教育

全国の高校からの要請を受け、安全運転講習を座学と実技の両面で実施

 

4-1: 安全・安心な二輪車利用環境の醸成について

二輪車産業政策ロードマップの目標達成のためには、まずは交通安全が第一優先と考えており、国内市場対策の最初に位置付けています。ヘルメットの適正着用や胸部プロテクターの着用促進、また、一般ライダーや高校生をターゲットに安全運転教育推進が行われてきました。販売店ではスタッフの指導員資格取得推進を行い、お客様に直接手渡しの安全の実施など信頼される販売店づくりが推進されました。グッドライダー喚起・育成活動については販売店や各種イベント、SNS、Webなどでお客様にグッドライダー宣言をしてもらう活動が行われました。

 

4-2:実施施策はどうだったのか?

様々な安全活動などを通じ二輪車の事故削減に取り組んできた結果、二輪車交通事故死者数(原付含む)は2013年760名が2020年526名と、30%の減少となっていますが、目標達成に向け、今後更なる安全啓発活動の強化が必要ということです。尚、埼玉県の高校生への二輪車安全運転講習会の実現は業界として大きな意味があったと考えています。埼玉県の活動が全国に広まるようにMOTOINFOも活動を応援していきたいと思います。

 

5:社会基盤の整備について実施施策は?

駐車場整備、適正な規制 / 高速料金適正化、ETC購入助成 / 通行帯の確保、道路インフラ整備が施策となりました。

高速道路料金適正化については、定額ツーリングプランに加え、定率の料金割引がついに2022年4月から導入されることとなっています。これは関係団体・省庁との粘り強い交渉が行われた結果と言えます。

 

6:免許制度の見直しについて実施施策は?

2018年7月より、AT小型限定二輪免許取得にかかる教習日数が3日から2日へ短縮が実現し、ユーザーの利便性向上に繋がっています。昨今の二輪免許取得が増えていることから、この恩恵を受けている方も多くいらっしゃるのではないでしょうか。

 

7:快適・楽しさの訴求について実施施策は?

大学生向け企画で、直近3年は大学生アンバサダー企画として若者の免許取得に繋がるような情報発信が展開されています。免許取得からバイクライフの過ごし方まで広くSNSで発信し、バイクに関心を持ってもらう企画を展開しています。

なお、2021年7月より当サイトMOTOINFOを公開し、より若者・新規層や潜在層にも興味ある幅広い発信をし始めています。

二輪ユーザーの長期化については、各地の世代を超えてバイクの楽しみを伝える親子ライダーを紹介し、親と子供の両側面からの共感を得るような情報を発信しています。

 

8:その他

新興国に対する通商産業政策・知的財産権の保護・交通安全の取組等については計画通り推進されており、日本自動車工業会(JAMA)がアジア二輪車産業連盟(FAMI)、国際二輪車工業会(IMMA)に積極的に活動に関与、改革提案や支援が継続して行われています。

 

近年は、市況が少し変わり始め、二輪業界全体が活気を戻しつつあります。

今後も、臨機応変に市場やお客様の動向を察知して柔軟な施策を継続的に行う事が重要と考えられ、今年策定された「二輪車産業政策ロードマップ2030」において様々な施策が追加されています。

二輪車産業政策ロードマップ2020-BIKE LOVE FORUM

https://www.bikeloveforum.jp/roadmap2020/

二輪車産業政策ロードマップ2030-BIKE LOVE FORUM

https://www.bikeloveforum.jp/roadmap/

RECOMMEND

あなたにオススメ