
【バイクの日ゲスト】モトクロスライダー川井麻央選手
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D.I.D全日本モトクロス選手権シリーズ(以下、全日本モトクロス選手権)のレディースクラス(以下、LMX)において、2020年、2021年、2023年、2024年と4度チャンピオンに輝いたモトクロスライダー川井麻央選手(以下、川井選手)が、8月19日(火)に東京・秋葉原の「アキバ・スクエア」で開催される『8月19日はバイクの日 HAVE A BIKE DAY』(以下、『バイクの日』)にゲストとして登壇されます。川井選手とバイクとの出会いやモトクロスライダーとして歩む人生、来場者に伝えたいバイクの楽しみ方について語っていただきました。

川井 麻央(かわい まなか)
2002年7月18日生まれ、埼玉県出身。
4歳でモトクロスバイクのキッズスクールに入り、5歳でレースデビュー。その後、小学6年生で『全日本モトクロス選手権 LMX』にスポット参戦。中学1年生からフル参戦するようになり、レース経験を重ねた後、中学2年生で同クラスでの最年少・初優勝を果たす。2020年には年間チャンピオンに輝き、以降LMXのトップライダーとして勝利を重ね続けている。ライダーとして活躍する傍ら、キッズや一般ライダー向けのオフロードバイク ライディングレッスンでインストラクターを務め、モトクロスの世界の楽しさを伝えている。
モトクロスとの出会い

現在、全日本モトクロス選手権LMXでトップライダーとして活躍されている川井選手のバイクとの出会いについてお聞かせください。
「キッカケは4歳のときで、自宅から父の実家に行く通り道で(現在川井選手が所属している)モトクロスチーム『T.E.SPORT』がキッズスクールを開いていて、その模様を見て『私もやりたい!』って父に言ったらしく、それが始まりです。私は覚えていないんですけどね。
キッズスクールに参加することになった私は週に3〜4日、幼稚園が終わるとその足で直接通っていました。本当は毎日乗りたいぐらいモトクロスにハマっちゃって、1時間制のスクールが終わると『もっと走りたい!』って大泣きしてスクールで注目されたこともありました」

モトクロスに夢中になった大きなポイントはどんなところでしょうか。
「ここが、という明確なポイントはありませんでした。ただ、小学生のときにモトクロスとスイミングに取り組んでいたんですが、スイミングはすぐにやめてモトクロス一本に絞るようになりました。今もそうですが、ずっとモトクロスが楽しくて仕方ないんです。
負けず嫌いなところも、大きく影響したと思います。5歳で初めて出場したレースでは、上手く走れなかったりマシントラブルがあったりして、最終的に完走できなかったんです。それが悔しくて、『次のレースでは絶対勝つ!』と強く思うようになり、一層モトクロスに専念するようになりました。モトクロスで負けたまま終わりたくない。という気持ちが現在までずっと続いている感じですね」
プロのモトクロスライダーとしてのキャリア

いつ頃からプロのモトクロスライダーを目指すようになったのでしょうか。
「小学校の卒業文集に『全日本モトクロス選手権のLMXチャンピオンになる』と目標を書いているのですが、この頃からプロの世界を目指していました。全日本モトクロス選手権 LMXに初出場したのが小学6年生で、当時最年少でのスポット参戦でした。
モトクロスのレースでは、排気量50cc→65cc(2st)→150cc(4st)とステップアップしていくのが一般的な流れなのですが、私は50ccに乗っていた小学3年生からその先の全日本選手権を見据えていたので、65ccのレースを飛ばして150ccで練習をしていたんです。それが小学6年生でのレース出場につながったのだと思います。
中学1年生でフル参戦するようになりました。当時は参戦ライダーの層が厚かったので、まずは予選を突破することを目標にしていました。決勝レースに出られるようになると、今度は入賞を目指して取り組み、14歳で初優勝することができました」
そこから連戦連勝を重ねていったのでしょうか。
「それが、そこからなかなか優勝できなくて、スランプ状態が3年ぐらい続いちゃったんです。勝てないことへのフラストレーションはありましたが、モトクロスを嫌いになることはなくて、ずっと優勝を目指して走りました。高校3年生のときにようやく優勝できて、その年には年間チャンピオンを獲得しました。2022年こそ怪我で年間チャンピオンを逃しましたが、2020年、2021年、2023年、2024年と4度の年間チャンピオンを獲得して、今年も5度目を目指して全勝中です」

名実ともにLMXの女王である川井選手、レースに勝つための秘訣はありますか。
「秘訣というものはなく、自分の強みを挙げるとすると“勝負強さ”かなと思います。予選でイマイチ調子が出なくても、決勝レースには自分自身もマシンもベストコンディションに持っていけるように工夫をして、その結果が良いレースにつながっています。今年はコンディション作りがうまくいっている印象です。
年間チャンピオンを獲得したとき、東福寺さん(『T.E.SPORT』チーム監督 故・東福寺保雄氏)から言われた『常にチャレンジャーでいろ』という言葉を常に胸に刻んでいます。チャンピオンになれたからといって、次も勝てる保証にはならないし、余裕なんて生まれないんです。今も、常に挑戦者の気持ちでレースに挑んでいます」
モトクロスライダーとして目指しているもの

現在もLMXでトップを走る川井選手がこの先目指しているものは何でしょうか。
「レースに出るからには常に優勝したいし、チャンピオンであり続けたいと思っています。『常にチャレンジャーでいろ』の気持ちは変わりません。
『T.E.SPORT』のキッズスクールや他のバイクイベントでオフロードバイク体験レッスンのインストラクターを務めているんですが、こうしたモトクロスとの出会いの場に携わらせてもらって、モトクロスの楽しさを広めていきたいと思っています」
初心者に教えるのも楽しいのですね。
「教えるのは大好きです。キッズスクールではなかなかうまく乗れない子がいたりしますが、私が教えたことで走れるようになった姿を見ると、結構感動しちゃいます。
普段ロードバイクに乗っている大人の参加者に教えるときは、ブレーキの使い方から教えています。アスファルトを走るロードバイクと、ダートコースを走るオフロードバイクの一番の違いはブレーキングです。モトクロスでしっかり走れるようになると、普段の公道で安全に乗れるようになるんです。実際に『普段のライディングに安心感ができた』と言ってもらえると、正しく教えられたと嬉しくなりますし、やりがいにも繋がります」

川井選手が伝えたいモトクロスレースの魅力とは何でしょうか。
「数あるモータースポーツのなかで、30台もの車両が横並びで一斉にスタートする唯一の競技、それがモトクロスレースです。スタートの瞬間の迫力はすごいですよ。
そして、ジャンプですね。その飛距離は私たちのクラスでも20メートルを優に超えます。初観戦だとレースの内容が分からなくてもジャンプだけでもその迫力で十分に楽しめると思います。現地で観戦すれば、間違いなくモトクロスの虜になりますよ。
また、他の競技と違って、コースやパドックとの距離が近いのもモトクロスの魅力です。『今日は調子どう?』『頑張ってね』ってファンから声をかけられますし、私自身もファンの皆さんとの交流を楽しんでいます。より多くの方にモトクロスの魅力を知っていただいて、皆さんが観戦やライディングなどさまざまな形でモトクロスを楽しんでくれることが今の私の願いです。そのために、今回の『バイクの日 HAVE A BIKE DAY』トークショーのゲスト出演など、いろんな取り組みを行なっているんです」
『バイクの日』来場者に伝えたいこと

来たる8月19日(火)に東京・秋葉原の「アキバ・スクエア」で開催されるイベント『8月19日はバイクの日 HAVE A BIKE DAY』では、ゲストとしてトークショーにご登壇されますね。イベントでは来場者の皆さんにどんなことを伝えたいと思っていますか。
「『バイクの日』のトークショーでは、『モトクロスのライディングスキルや経験が、安全運転につながる』ことをお話ししたいと考えています。タイヤと路面がしっかりグリップする公道走行でのブレーキングが、オフロードバイクでの未舗装路走行では同じようにはいきません。オフロードの滑る路面に対応するブレーキング技術が、公道走行でも活きてきます。例えば雨天時や秋の落ち葉や駐車場の小砂利など、ちょっと怖いなぁって思う方が多いと思います。オフロード用のブレーキングができると、公道走行時に周囲の状況に合わせて、ブレーキに頼りすぎない安定した走り方になるんです。
バイクは好きだけど、モトクロスのことはよく知らないという方は多いと思います。『バイクの日』にはそんな人たちとの貴重な出会いになるので、安全運転の大切さと合わせてモトクロスを体験してみるキッカケの場にしたいですね」
最後に『バイクの日』に来場される皆さんへ是非アピールをお願いします。
「『バイクの日』での出会いを機に、今のバイクライフをもっと楽しくできるお話ができればと思っていますので、ぜひ『バイクの日』のトークショーに足を運んでいただき、モトクロスライダー川井麻央ならではのトークショーを楽しんでいただけたら嬉しいです」
8月19日は川井選手に会いに行こう!

誰にも負けない情熱と天性の勝負強さ、そして幼少期から磨き上げてきたライディングスキルを駆使し、全日本モトクロス選手権のレディースクラスでトップランカーとして走り続ける川井選手。これからもレースの世界に身を投じつつ、今まで以上にモトクロスの魅力を多くの人に知ってもらう活動にも積極的に取り組んでいく彼女は、バイタリティー溢れる人でした。
8月19日はモトクロス界の若き女王、川井選手が登壇するトークショーと『バイクの日 HAVE A BIKE DAY』を堪能しに秋葉原まで足を運んでみてください!
『8月19日はバイクの日 HAVE A BIKE DAY』イベント情報

開催日時:2025年8月19日(火) 14:00 ~ 20:00
※雨天決行(荒天によりイベントが中止の場合は、特設WEBサイトならびに自工会公式X(旧Twitter)にてアナウンス予定)
開催場所:東京・秋葉原「AKIBA SQUARE(アキバ・スクエア)」
住所:東京都千代田区外神田4-14-1 秋葉原UDX 2F
「8月19日はバイクの日 HAVE A BIKE DAY 2025」特設サイト - 日本自動車工業会
川井麻央 公式Instagram
https://www.instagram.com/manakakawai718/








