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【2分で知る】中古バイクの健全な流通を支える「日本二輪車オークション協会」とは?

一般社団法人 日本二輪車オークション協会(以下、JABA)は、二輪車オークションにおける流通の健全な発展と、社会および公共の利益に寄与することを目的として、1992年に設立(2013年2月に一般社団法人化)したバイクオークション事業者などで構成される二輪業界団体です。

JABAでは、オークション会場に出品された中古バイクの走行距離をデータベース化し、オークション会場に出品される中古バイクの走行メーターに関する異常情報(減算など)を会員オークション会場に開示することでメーター巻き戻し等の不正行為防止に務めています。また、盗難バイクの中古市場における流通阻止、中古市場における流通の健全化、ひいてはバイクの盗難防止に取り組んでいます。

つまり、私たちユーザーが中古バイクを購入するよりもさらに上流工程に当たる、バイクオークション会場からバイクショップに盗難車や不正な中古バイクが渡ることを未然に防いでくれている、陰の功労者なのです。そこで今回は、バイク業界を支える重要な二輪業界団体のひとつであるJABAに、協会発足の経緯から現在注力している施策までを伺いましたのでご紹介いたします。

JABA発足の経緯

1988年、バイクの盗難認知件数は20万件を超えました。この急激な増加に対処するため警察庁より組織化の要請を受け、二輪車窃盗犯罪の防止や流通の健全な発展を目的にバイクを取り扱うオークション事業者が中心となって、1992年に任意団体として設立されたのがJABAです。その後、2013年2月に一般社団法人へと移行し、現在に至ります。

JABAの主な活動と加盟店数

バイク流通のながれ(画像提供:JABA)

JABAは13のオークション会場で構成されていますが、このオークションは業者間での取引となるため一般的になじみの薄いものだと思います。

オークションにおける一般的な流れは、ユーザーがバイクショップなどから新車や中古でバイクを購入し、その後、新しい車両への乗り換えや不要になったなどの理由からバイクショップへ売却をします。ユーザーから車両を買い取ったバイクショップは、自店での販売や、オークションへ車両を出品します。オークションへ出品し、成約すれば落札したバイクショップへ車両が渡り、落札したバイクショップは車両の整備を行い、次のユーザーへ販売する、こうした流れになります。

そのなかでJABAは、オークションへ出品された車両が「盗難された車両ではないか?」また「走行距離が巻き戻された車両ではないか?」という点について照会することができる活動をしております。

1:盗難車の照会回答業務

まず、盗難車ですが、全国で登録された盗難車両情報のデータを、警察庁を通じ提供いただき、車台番号をもとにオークション会場へ出品されるバイクが盗難車でないか事前に照会できる「盗難車両検索システム」を運用しています。

盗難における被害の早期回復と盗難バイクの二次流通防止を目的に、東京都公安委員会より盗難売買等防止団体の認可を受け、2005年8月から盗品等情報回答業務として開始しています。

2:二輪車走行距離管理システム

続いて走行距離の巻き戻しですが、走行距離は中古バイクの状態や価値に大きな影響を与える重要な情報の一つです。しかしながら、オークション会場では故障により走行距離計(走行メーター)が交換された車両、巻き戻しがされた車両などさまざまな状態の車両が出品され、流通の過程で多くの人の手に渡ることから、その履歴を確認することは困難です。

こうしたことから“いつ”、“どこのオークション会場”で“走行距離数は何キロだった”かなど流通の履歴を記録し、オークションへ出品される車両の走行距離に巻き戻しなどの異常がないかを照会することができる「走行距離管理システム」を2003年6月より運用しています。

走行距離改ざんなどの悪質行為を防ぐ「走行距離確認サービス」とは?

先ほど説明した二輪車走行距離管理システムからなる走行距離確認サービスは、バイクの車台番号と走行距離をもとに中古バイクの走行距離について照合できるサービスです。2017年より提供を開始した本サービスは、ユーザーが中古バイクを安心して購入できるよう、車台番号と走行距離の入力のみで照合可能な二輪業界初のサービスとなります。

なお、このサービスによる照合結果は下記の4区分で開示されます。

  1. 異常なし…走行距離に異常がみられなかった場合
  2. メーター交換歴車…過去に走行メーターが交換されているものの、走行距離に巻き戻しなどの異常がみられなかった場合
  3. 走行疑義車…走行メーターの交換や走行距離に巻き戻しがされたという記録はないものの、車両の状態から走行メーターの表示値が正しいとは判断できない場合
  4. 減算車…走行距離に巻き戻しがみられた場合
    同サービスはJABA会員のオークション会場で流通した履歴のあるバイクが対象であり、JABA加盟のオークション会場会員のバイクショップで、利用要件を満たしていれば、24時間365日いつでも走行距離確認サービス専用サイトから照合することができます。

※照合結果は日本二輪車オークション協会が運用する二輪車走行距離管理システムに蓄積されたデータと利用者が入力したデータを対比した結果表示であり、当該車両の積算走行距離数及び車両の状態を保証するものではありません。

現在、この走行距離確認サービスを導入しているバイクショップは全国で120店舗以上にのぼります。このような、安心して中古バイクを購入できる環境づくりがされているのもJABAのおかげなのです。

走行距離確認サービスの導入店は、JABAの公式WEBサイトで確認することができます。

メーター改ざん行為は年間数台程度まで減少

走行距離確認サービスポスター(画像提供:JABA)

走行距離の巻き戻し行為や、減算を目的とした故意によるメーター交換は走行距離の不当表示となり、ユーザーの信頼を大きく裏切る行為になります。そのためJABAでは、走行距離管理システムに蓄積された履歴から、走行距離の減算がみられた車両を定期的に調査し、メーター改ざん行為とみなされたバイクショップへ警告文書の発送をしています。

この活動は2014年から開始し、今年で10年になります。また、2016年10月1日には不当景品類及び不当表示防止法にもとづき、走行メーターを交換する場合は一般社団法人 自動車公正取引協議会が作成する「走行メーター交換記録シール」へ全ての情報を記入し車両本体へ貼付する必要がある走行距離表示の適正化が開始されました。こうした経緯を踏まえ、調査開始当初はメーター改ざん行為とみられる車両が多くありましたが、現在では年間数台程度まで減少しました。

しかし、なかには破損による修理やドレスアップを目的に交換がされても「走行メーター交換記録シール」の貼付のないケースがあります。貼付がなく、走行距離数の減算がみられた場合は“減算車”と判断されます。そのため、メーター改ざん行為とみられる車両は減少したものの、適切なメーター交換の手法についての周知が課題と感じているとのことでした。

走行距離確認サービスの利便性UPに注力

JABAがオークション会場向けに提供している走行距離管理システムですが、流通の健全な発展を目的に団体、媒体企業、バイクショップへの提供が進められています。走行距離管理システムを根幹とし、団体、媒体企業へは「媒体向け走行距離管理システム」、バイクショップ向けには「走行距離確認サービス」を提供しております。

「媒体向け走行距離管理システム」は走行距離管理システムと同じ仕組みで、全ての流通履歴が照会できます。また「走行距離確認サービス」は照会した車両が“減算車”、“走行疑義車”、“メーター交換歴車”のいずれかではないか、とした結果のみがわかるシンプルな仕組みにし、ユーザーからの出張買取の際や出先でも照会ができるよう、スマートフォンやタブレットからでも利用できるよう工夫されています。今後も各システムやサービスの利便性アップに注力しているとのことでした。

中古バイク流通の健全な発展に尽力

最後に、中古バイク流通の健全な発展を目指して活動を続けるJABAに、今後の取り組みにおける意気込みを伺いました。

昨年におけるバイクオークションの出品台数は約41万8千台で、令和4年の約39万1千台と比べ大幅な増加となりました。また、短期的な出品台数は増加傾向と思われ、その分様々な状態の車両が流通されることと思います。そのため、JABAの目的である二輪車オークション会場における贓物等の流通防止を図るとともに二輪車の流通の健全な発展に力を尽くし、中古車流通の主流として努力していく所存です。

インターネットで簡単に中古バイクを購入できるようになるなど、従来に比べてバイクと消費者との距離が近づいた一方で、悪質販売業者の被害に遭ってしまうケースも少なくありません。JABAでは、走行距離確認サービスをはじめとした活動を通して、ユーザーが安心して快適なバイクライフを楽しめるよう日々取り組んでいます。

一般社団法人 日本二輪車オークション協会

http://jaba-au.or.jp

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