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バイクは買う前にレンタルが常識!? 気軽に試せるバイクのレンタルに注目が集まる

屋外で換気性抜群かつソーシャルディスタンスも保ちつつ、個人で楽しめる。コロナ禍における移動手段のニューノーマルとして、また趣味としてバイクが再び注目を集めています。

しかしながら、バイクを自身のライフスタイルに取り入れるまでのステップには、駐車場確保や、車両代・保険代・維持費など、物理的にも金銭面的にもいくつかハードルがあります。

そんな中でも一番の不安はやっぱりバイクの扱い。その”擬似バイクライフ”体験として人気の高まりをみせているのがバイクのレンタル

では、レンタルバイクにおけるユーザーの事情や、市場のイマはどうなっているのでしょうか。バイクに興味がある方や、これからバイクに乗ろうと思っている方へのヒントにしていただくべく、国内で現在約160ヵ所でレンタルバイク事業「レンタル819」を展開する株式会社キズキさんに伺いました。

 

レンタルバイク市場はこれからも拡大傾向!

軽二輪車(125cc〜250ccまでの排気量のバイク)をはじめ、アセアン地域を生産拠点とした比較的リーズナブルなモデルが多く投入されたのは2011年。あれから10年が経ち、再びバイクの価格は、環境対応や機能の向上とともに上昇しつつあります。

そのような状況の中、エントリーユーザーに対してバイク購入に至るまでのいくつかのステップを用意してあげたい狙いで、2007年よりレンタルバイク事業を始めたと語ってくれたのは株式会社キズキの田中 将太郎(たなか しょうたろう)取締役。

 

株式会社キズキ 田中将太郎取締役

利用者の中には、現在バイクを所有している方でも買い替え前の比較検討として利用するケースもあり、レンタルバイク事業を軸に、様々なサービス展開をしていきたいと話してくれました。

 

年別バイクレンタル利用回数推移(レンタル819)

なお、利用者数はコロナ禍を除き2010年から右肩上がりを継続していることから、レンタルバイクに対する需要の高まりがうかがえます。

 

意思決定から実行までのスピード感がポイント

一方で、昨年二輪車業界で話題となった「医療従事者への原付無料貸し出し」を実施したきっかけは、同社のコールセンターに舞い込んだ「原付を借りたい」という多くの医療従事者からの問い合わせでした。メディアでも大々的に報道され、コロナ禍での医療従事者の大変さも認識していたので、それほど社内承認にも時間をかけず、無料貸し出しに踏み切ったそうです。

こういった、何か社会に大きな変動が起きる度にバイクの有用性が見直され、レンタル環境が整うほど、これまで想定出来ないような新たな需要が生まれてくる、という側面も見えているようです。

 

ツーリングの価値観にも変化

2016年から始めたサービスは、訪日外国人向けの「バイクツアー」。バイクで目的地まで走る事をメインとイメージされる”ツーリング”とは少し異なり、海外のように旅先で様々な体験をする事を含め、移動全体を楽しんでいただきたいという主旨から、あえて”ツーリング”ではなく“ツアー”と呼んでいるそうです。

また、訪日外国人にとって日本は、世界一のバイクメーカー輩出国であり、まさに“バイクの聖地“とのこと。レンタルする車両や宿泊先を含むツアー工程の準備から、旅先でのアクティビティもプロデュースして欲しいという要望に応えたかたちで誕生したものでした。

今後はそういった価値観が日本においても広がる事を期待し、必ずしもストイックに自宅から目的地までをバイクで走るのではなく、飛行機や鉄道など別の移動手段を絡め、旅先でバイクをレンタルして自由に楽しみ、公共交通機関で帰宅するというスタイルが見られるようになるかも知れないと考えているそうです。

 

要望に応え大胆に展開!さらにバイクを身近なものへ

駅レンタカーとコラボした「レンタル819駅レンタカー札幌営業所」

電動バイクのプチツーリング

先述のとおり同社では、利用者の要望、そしてその先の時代を見越して、札幌駅前や新千歳空港前にも出店しているほか、北軽井沢にアクティビティのベースをオープンするなど、バイクの利用をより身近にするサービスを展開しています。

ひと昔前では、考えられなかった突如思いついたバイクの旅も、週末に飛行機で向かい、旅先でバイクツアーを楽しみ、一泊二日で十分堪能して帰ってくる、なんて旅も可能になりました。

 

メーカーのレンタル参入で今後はよりレンタルしやすい環境に

日本自動車工業会「二輪市場動向調査」(2019年)

近年、シェアリングやサブスクリプションサービスの浸透によって、レンタルに対する抵抗もだいぶ薄まりました。こと二輪車業界においても、バイクメーカーのレンタルバイク事業参入によってレンタルできるスポットが増え、かつ選択肢が広がることにより、利用者増が予測されます。

2019年の日本自動車工業会「二輪市場動向調査」では、6割のユーザーがバイク購入のきっかけになるとの調査結果も出ています。また、株式会社キズキの独自調査では、バイクレンタル利用者の約半数がバイク購入に至ったという結果もあるそうです。

 

バイクレンタルで気軽に非日常体験

冒頭でも述べた通り、バイク所有にはいくつかハードルがありますので、免許は保有していても何らかの理由で乗っていない、または降りてしまった方も多いと思います。

クルマのように”借りたい所で、借りる事が出来る”環境が整いつつあるレンタルバイクは、旅の選択肢を広げる一つのツールとしても期待されます。

バイクを所有することで得られる喜びや楽しさもありますが、まずは身軽で気軽にバイクレンタルで、非日常体験を味わってみてはいかがでしょうか。きっと何か楽しい発見があるはずです。

 

日本メーカーのレンタルバイク

カワサキプラザレンタル

カワサキは、今後全国のカワサキプラザにてレンタルバイク導入を予定しているとのことです。まずは同社の人気車種が気軽に試せるサービスを第一に考え、レンタルによってしっかりと納得してから購入できる環境を整備しています。

 

HondaGO BIKE RENTAL

若年層により気軽にバイク体験を提供する取り組みとして2020年4月にスタートしたサービス。

ツーリング利用や、購入前に自分のライフスタイルに合うかどうかなど、様々なケースでの利用があり、30代以下の若者層による利用が3割近くに上るそうです。

今後は所有を断念するユーザーや、旅先からのレンタル利用などを含め、バイクをより利用しやすいサービスを拡充していきます。

 

ヤマハ バイクレンタル

多くの人にバイクツーリングの歓びを提供する目的で、2018年より開始し7月末現在で44店舗展開。

20〜30代の利用者が半数近くを占め、グループツーリングでの利用目的が多く、手ごろな料金と取り回しが容易である普通二輪クラスが人気となっている。

交通機関との連携やLINE公式アカウントを開設し、より身近で利用しやすい環境を目指しています。

 

取材協力:株式会社キズキ
参考:日本自動車工業会「2019年度 二輪車市場動向調査」
カワサキプラザレンタル

https://www.kawasaki-plaza.net/rental-service/

HondaGO BIKE RENTAL

https://hondago-bikerental.jp/

ヤマハ バイクレンタル

https://bike-rental.yamaha-motor.co.jp/

株式会社キズキ

https://www.kizuki-grp.co.jp/

日本自動車工業会「2019年度 二輪車市場動向調査」

https://www.jama.or.jp/lib/invest_analysis/pdf/2019Motorcycle.pdf

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