【JAF調査2021】バイク乗車前にチェックすべきポイントとは?
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一般社団法人 日本自動車連盟(以下、JAF)のロードサービスが出動要請を受けて全国で出動する回数は、バイクだけでも年間で7万件にものぼるそうです。
つまり、単純計算でも1日に200件近くのバイクに関する出動要請があることになります。
ツーリング途中にトラブルが起きたら、楽しいツーリングが一気に暗転し、もしも仲間と一緒だとしたら、皆を足止めすることにもなりかねません。
トラブルによってバイクが停止したら、事故に繋がる可能性もあります。
様々なトラブルの中でも、出かける前に少し気を付けることで防ぐことができるため、どのようなトラブルで出動要請が多いのか、JAFよりご提供いただいたデータを見てみましょう。
高速道路でのトラブル1位はやはり「ガス欠」だった
高速道路におけるJAFの出動要請割合は、一般道に比べ5%前後とかなり少ないです。その中でも、過去3年間のバイクトラブルで圧倒的に多いのは「燃料切れ」であり、次に多いタイヤのトラブルと合わせると全体の1/3を超えます。燃料切れ=ガス欠になってしまう要因としては様々なケースが考えられます。
- 高速道路に入る前に満タンにしておらず、走行中にうっかりガス欠に。
- 仲間と走行していて、次のSA/PAで給油したいと伝えにくかった。
- 燃料メーターが無いためわからなかった。
など。
- は、ガソリンが少ないとわかっていても、次のSA/PAまで大丈夫だろうと目算を誤り、道半ばでガス欠になるケース。
- は、最近ではインカムも普及しているため、ケースとしては減っているのかもしれない。
- については、特に古いモデルに乗っている場合だ。1980年代以前だと燃料計のないモデルが当たり前だった。
「高速道路に進入する前に満タンにする」「燃料計の目盛りが残り少なくなったら早めの給油」「普段の航続距離よりも少し早めに給油する」これらに心がけていただくことで、トラブルを未然に防げる確率が大幅に高まるでしょう。
次に多いのがタイヤのパンク(バーストを含む)。これも走行が不可能となります。パンクはいつ起こるのか予測ができないものの、タイヤの空気圧やコンディションチェックといった、数分で確認できることは高速道路を走行する前に必ずチェックするようにしましょう。また、仲間が近くにいる場合はスタンドをかけてタイヤを回すなどして、タイヤの傷やひび割れといった異常がないかのチェックを手伝ってもらうのも良いでしょう。
バッテリートラブルによる出動要請が多い一般道
ガス欠になっても比較的対処がしやすい一般道では、燃料切れによる出動はそこまで多くありません。それにかわって一般道のトラブルで一番多いのが「バッテリー上がり」です。次に多いタイヤのトラブルと合わせると全体の1/3を占めます。
バッテリートラブルは実は2つのパターンがあります。“過放電”と“破損/劣化”です。“過放電”とは、いわゆる「バッテリー上がり」のことで、この場合は現場での急速充電などで対処できることもありますが、“破損/劣化バッテリー”の場合は、現場で急速充電しても対処できない状態となります。このケースは年々増加傾向にあり、2020年には実に4,000件を超えています。
最近はMF(メンテナンスフリー)タイプやリチウムイオンなど、バッテリーにも様々な種類があり、海外製のものも通販で簡単に買えるようにはなりましたが、安易に価格だけで購入せず、販売店の意見やネット上の口コミ、評判・評価などもしっかりと確認したうえで購入するようにしましょう。
トラブルの件数としては減っていますが、スクーターによる鍵の閉じ込みも年間約4,000件といまだに多いです。ジャケットのポケットに鍵を入れたままシート下の収納スペースに閉じ込んでしまうケースも多いそうです。もともとシート下収納のロックは防犯の観点から頑丈に設計されているため、カチャッと閉まったら簡単には開きません。シートを閉めるまで鍵は手離さないという習慣をつけましょう。
2020年で出動要請が多かったシーズンは“お盆休み”
大型連休や年末年始は出動要請が増える傾向があります。そのため、普段からお出かけの際には、事前にバッテリーやタイヤ、燃料などをチェックし、トラブルを未然に防ぐための習慣化に努めましょう。
ETCやスマホを用いたナビゲーション、ヘルメット用インカムのように、バイクの走行環境における快適性・利便性は、純正機能や周辺機器の進化によって格段に向上しています。
しかしながら前記の通りトラブルの傾向が変わっていないのは、やはり乗り手の不注意によるところが多いと言わざるを得ません。
ノートラブルで気持ちよくバイクで風を切り、風景やグルメを楽しみ、そしてさわやかな疲れを感じながら無事に帰宅してこそ楽しいバイクライフと言えます。バイク乗車前に、ほんの少しチェックするだけで楽しいバイクライフになるので、今回ご紹介した高速道路や一般道でのトラブル傾向をご参考いただき、ぜひ日々の習慣に取り入れてください。